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(652)春の山菜採り、てくてく・その2 コゴミ
「花ちゃん・オー君、見てごらん。いろいろとあるだろう。」
「あっ! これは、スーパーの野菜売り場にある、山菜コーナーですね。」
「どんなものがあるのですか?」
「左から、コゴミ(クサソテツ)、ウルイ(ギボウシ)、ノビル、ギョウジャニンニクだよ。」
「コゴミが498円、ウルイが398円、ノビルが598円、ギョウジャニンニクも598円ですね。とってもお値段が高いのですね。」
「えっ! ノビルも売っているんだ。でも、山菜はやっぱり自分で採って食べるからおいしいのですね。」
「まあ、そうだけど。都会に住んでいる人には、野原や雑木林などが、近くにないだろうから、しょうがないんだよ。」
「ところで、コゴミというのは、モンタ博士に食べ方を教えてもらってから、春になると、採ってきてはおいしく食べています。」
「そうだったね。ノビルについては、『てくてく
自然散歩』の
No.120に、コゴミについては、
同じく
No.117にくわしく
書かれているよ。」
「わたしもコゴミについて、モンタ博士に食べ方を教えてもらったわ。」
「そうだったね。モンタ博士はいつも「おひたし」ばかりだから、今日はちょっとちがうものがいいかな。まあ、その前に少しコゴミについて復習しよう。」
「コゴミというのは、川の近くや野原、山のふもとなどにあるんですよね。」
「そうだね。下の写真のような場所によくあるね。」
「いくつかコゴミが見えますね。」
「ここは、モンタ博士の山菜採りのポイントなんだ。どこに何があるかをしっかりと覚えておくことが、山菜採りでは大切なんだよ。それから、下の写真の(1)と(2)をよく見てごらん。何か気がつくかな。」
「(1)と(2)ではちょっとちがう感じですね。」
「そうだね。(1)は、採りごろベストだね。(2)では、もうおそいかもしれないよ。まあ、ともかく、今日もおひたしを作ってあげようか。」
「はい。うれしいのですが、今日もおひたしですか⋯⋯。」
「そうか、他のお料理がご希望なんだね。よし! シェフモンタ。料理の鉄人モンタにまかせろ! 今までにないお料理を作ってあげよう。」
⋯⋯ということで、モンタ博士は新しいメニューを考えたとさ⋯⋯。
「ついに完成、新しいお料理だ。おいしいぞ。この料理は芸術だ。見てくれ!」
「まあ、かわいいですね。文字でコゴミと読めます。」
「これは楽しいですね。でも、ゆでて並べただけのように見えますが⋯⋯。」
「そう言われると思ってね、第二弾も作ったよ。コゴミオムレツだ。」
「うわあー。おいしそうですね。いただきまーす。」
「自然のめぐみに感謝! いただきまーす。」
「さあ! めしあがれ!」
コゴミの美味しいお料理いろいろベスト10傑!
① しょう
油バターいため
⋯⋯しょう油のあっさりさっぱり
和風感とバターの
芳醇な
香り
豊かな
一品。
② お
味噌汁の
具材⋯⋯くせのないコゴミが味噌の
風味に
合っている。味噌汁バージョンもぜひお
薦め。
③ ごま
和え
⋯⋯しょう
油と
砂糖を1:1に、その
後は
好きなだけ
摺りごまを
加えればハイ! できあがり。
④ ベーコン
入りペペロンチーノ
風⋯⋯フライパンにオリーブオイルとニンニク、
鷹の
爪とベーコンで。
⑤
豚肉炒め
⋯⋯豚肉とコゴミを炒め、ゆず
胡椒・しょう
油で
味付けするだけ。
簡単だけど
美味確実。
⑥
炊き
込みご
飯⋯⋯ともかく、
万能野菜でもあるコゴミ。ニンジンやシーチキンを
入れて炊けば
絶品!
⑦ パスタコゴミ
⋯⋯シャキシャキ
感がとても
美味しいので、
固めに
茹でるのがポイントでお
薦め
一品。
⑧ コゴミかき
揚げ
⋯⋯タマネギとニンジンといっしょにすれば、
彩りも
豊かで、サクサク
感も
最高の
一品。
⑨ コゴミオムレツ
⋯⋯コゴミを
軽く
炒め、
塩・
胡椒で
味を
調え、
卵で
巻きつけて!
山菜オムレツ
完成。
⑩
字書きコゴミ
⋯⋯上の
芸術作品のこと。
自分で
好きなような
絵・
文字・
模様などで
美味しく
召し
上がれ。
重大な発表⋯⋯おひたしなどでザルで水を切るが、クルクル部分に多くの水気が残るので、キッチンペーパーなどで、しっかりと水分を取ることが大事。多様な調理方法の開発を! 試行錯誤を楽しもう!
食レポの達人⋯⋯大石好子(おいしいのすきこ)さんより
春になるといろいろな草木が芽を出して、私はおなかがすいてしまうんです。なぜって、みんな柔らかそうでおいしそうで「おいでおいで」と風になびく姿にひかれてしまうの。そんな暖かい日にモンタ博士と一緒にてくてくしていたら、コゴミ(クサソテツ)というシダの芽を見つけてくれました。シダを食べるなんて恐竜みたいでびっくりしたけれど、少しだけ摘み取って、おうちに帰って茹でていたらお父さんが「コゴミ」だねって言うからもっとびっくり! 植物なんて知らなそうなお父さんまでコゴミを知っているんだもの! かつおぶしみたいなヒラヒラしたもの(※植物用語で鱗片という)がついているけれど気にせず、かつおぶしをかけてお醤油を少したらして一口いただくと、ほんのり甘いような素朴な土の香り豊かな味がしました。苦くないし辛くもないし、とってもおいしい! マヨネーズもちょっぴりかけてみたらもっとおいしくなりました! 自然の中にあるおいしいもの、みんなで分け合いたいな!