小学校理科クイズ

6年［Ａ物質・エネルギー］
目では見えないが，すべての動力（どうりょく）のもと（エネルギー）

クレーン車（しゃ）はどうして重（おも）い物（もの）を持（も）ち上（あ）げられるの（6学年）

クレーン車（しゃ）はどうして重（おも）い物（もの）を持（も）ち上（あ）げられるのでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）クレーン車の長（なが）い首（くび）が，てこの働（はたら）きをしているので。
（ロ）定滑車（ていかっしゃ）でつり上（あ）げているので。
（ハ）動滑車（どうかっしゃ）を使（つか）っているので。

正解

（ハ）

理由

（イ）てこの支点（してん）に当（あ）たるところがないので，首が長くても，てこにはならない。
（ロ）定滑車は，力（ちから）が加（くわ）わる方向（ほうこう）を変（か）えるだけで，力は得（とく）をしない。
（ハ）クレーン車には，動滑車が使われていて，それで大（おお）きな力を得（え）ている。

注）力の大きさを表す単位（たんい）として，Ｎ（ニュートン）が使われます。
１Ｎは，100ｇの物体（ぶったい）に働（はたら）く地球上（ちきゅうじょう）の重力（じゅうりょく）の大きさに等（ひと）しい。

豆事典（まめじてん）【クレーン車の「クレーン」の意味（いみ）】

　クレーン車の「クレーン」(crane)は動物の「鶴（つる）」の意味です。形（かたち）から何（なん）となくわかります。でも，「恐竜（きょうりゅう）」の首（くび）にも思（おも）えるけどね。古代（こだい）ギリシャの科学者（かがくしゃ）アリストテレスは，「動滑車」を使えば，「家（いえ）」どころか「地球（ちきゅう）」さえも動（うご）かせる，と言（い）ったといわれています。

タッチパネルでコンピュータを動（うご）かせるのはどうして（4, 6学年）

タッチパネルでコンピュータを動（うご）かせるのはどうしてでしょうか。
次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）指（ゆび）でおすと，電流（でんりゅう）が流（なが）れ，コンピュータに信号（しんごう）を送（おく）る。
（ロ）指でふれたり，近づけると，電流が流れ，コンピュータに信号を送る。
（ハ）指を近づけると，指の体温（たいおん）がコンピュータに信号を送る。

正解

（イ）（ロ）

理由

（イ）（ロ）タッチパネルには，２種類（しゅるい）のものがあって，一つはパネルを指（ゆび）でおして電極（でんきょく）（＋（プラス）極（きょく），－（マイナス）極（きょく））をつなぐ方式（ほうしき），もう片方（かたほう）は人間（にんげん）の指やタッチペンなどで静電気（せいでんき）を流（なが）す方式です。いずれも電流（でんりゅう）が流れることを利用（りよう）しています。
(ハ) コンピュータを動（うご）かすためには，電流が流れる必要（ひつよう）があります。温度（おんど）と電流の関係（かんけい）を利用（りよう）したサーモスタット（感熱体制御装置（かんねつたいせいぎょそうち））温度計（おんどけい）などは，物質（ぶっしつ）（半導体（はんどうたい））の温度による電気抵抗（でんきていこう）の変化を利用して，体温を測（はか）ることはできますが，電流の回路（かいろ）を接続（せつぞく）して電気を流したりする装置（そうち）ではないので，コンピュータは動（うご）かないはずです。

☆実際（じっさい）にためしてみよう

　それでは，(a)身近（みぢか）なアイホンやスマートフォンなどの携帯電話（けいたいでんわ）や，(b)電車（でんしゃ）の駅（えき）の電子券売機（でんしけんばいき）などのタッチパネルは，それぞれ正解の(イ)(ロ)の，どちらの方式だと思いますか。

(a) （ロ）･･･パネルに静電気（せいでんき）を流（なが）す方式（ほうしき）
(b) （イ）･･･パネルをおして電極（でんきょく）をつなぐ方式

雷（かみなり）はどうして落（お）ちるの（静電気（せいでんき））（5学年）

おし相撲（ずもう）で，大（おお）きなお相撲（すもう）さんと小（ちい）さな子（こ）どもではどちらが勝（か）つでしょうか（6学年）

　お相撲（すもう）さんは台車（だいしゃ）に乗（の）っています。子どもはすべりにくいゴムぐつをはいています。小（ちい）さな子（こ）どもが台車に乗った大（おお）きなお相撲（すもう）さんとおし相撲（ずもう）をしたら，どちらが勝（か）つでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい

（イ）大きなお相撲（すもう）さんが勝つ。
（ロ）小さな子どもが勝つ。
（ハ）止（と）まったままで勝負（しょうぶ）がつかない。

正解

（ロ）

理由

（イ）お相撲（すもう）さんが，小さな力（ちから）で動（うご）く台車（だいしゃ）（摩擦力（まさつりょく）が小さい）に乗（の）っているので，ゴムぐつをはいた子（こ）どもをおしても，子どもはすべりにくいゴムぐつ（摩擦力が大きい）をはいているのでそのまま動かず，おした力（作用（さよう）の力）の分（ぶん）だけ逆（ぎゃく）に自分（じぶん）の方に力（反作用（はんさよう）の力）がはたらきます^*。その結果，台車に乗ったお相撲さんはおした方向と逆（ぎゃく）の方向に（後（うし）ろ向きに）動き出します。
（ロ）子どもはゴムぐつ（摩擦力が大きい）をはいているので，相手（あいて）からおされても地面（じめん）からすべらないので，おされた力（作用の力）の分だけ地面からおしもどす力（反作用の力）がはたらきます^*。このように，お相撲さんにおされた力の分だけ子どもから相手に向（む）かって力がはたらくので，お相撲さんをおしもどすことができるのです。そのため，車のついた台車（摩擦力が小さい）に乗っているお相撲さんは，子どもからの力（反作用の力）によって車といっしょに地面を後ろ向きに動き出すので，台車にのったお相撲さんが負（ま）けることになります。
（ハ）お相撲さんは，相手（子ども）をおした力（作用の力）の分だけおしもどす力（反作用の力）によって反対（はんたい）がわに動きます^*。

^*このような力のはたらきを「作用（さよう）・反作用（はんさよう）の力」といいます。

水（すい）そうの中の水に指（ゆび）を入（い）れたら全体（ぜんたい）の重（おも）さはどうなるでしょうか（作用・反作用の力）

ロケットが空気（くうき）のない宇宙（うちゅう）を飛（と）ぶことができるのはどうして（6学年）（作用・反作用の力）

車輪（しゃりん）を使（つか）って物（もの）を運（はこ）ぶと楽（らく）なのはどうして（6学年）（摩擦力）

ヨットの上（うえ）で帆（ほ）に風（かぜ）を送（おく）ったらどうなる（3学年）（作用・反作用の力）

レモンで電気（でんき）をおこせるのはどうして　（6学年）

レモンで電気（でんき）をおこせるでしょうか。
次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）レモンを口（くち）に入（い）れるとピリッとからいので電気（でんき）ができる。
（ロ）レモンを太陽（たいよう）の光（ひかり）で温（あたた）めると電気をおこすことができる。
（ハ）レモンに金属（きんぞく）の板（いた）を差（さ）しこむと電気が流（なが）れる。

正解

（ハ）

理由

（イ）レモンの汁（しる）って，なめてみるとすっぱいよね。それは炭酸（たんさん）水（すい）のように酸性（さんせい）の水溶液（すいようえき）の成分（せいぶん）が舌（した）を刺激（しげき）したからです。
（ロ）レモンを長（なが）く温（あたた）めると水分（すいぶん）が蒸発（じょうはつ）してしなびてしまいます。太陽（たいよう）の光（ひかり）から電気（でんき）をおこす太陽電池板（でんちばん）の代（か）わりにはなりません。
（ハ）レモンの果肉（かにく）の中（なか）に10円（えん）銅貨（どうか）と1円玉（だま）（アルミニュウム）を差（さ）しこんで導線（どうせん）でつなぐと（回路（かいろ）をつくると），ミニオルゴールに電気（でんき）が流れて鳴（な）りだします。これは，1円玉（アルミニュウム）から電子（でんし）が導線（どうせん）を伝わって10円銅貨（銅（どう））に流れると，レモン汁（じる）の水溶液（すいようえき）から水素（すいそ）イオン（電子（でんし））が10円銅貨（＋極（きょく））に吸（す）い寄（よ）せられるように集（あつ）まり，10円銅貨の電子と結（むす）びついて，次（つぎ）から次に水素（すいそ）の気体（きたい）となって出（で）ていきます。
　このように，1円玉（アルミニュウム）→レモン汁→10円銅貨（銅）→1円玉と電子の流（なが）れができるので，そのため電流（でんりゅう）が流れ，ミニオルゴールが鳴（な）りだしたのです。君（きみ）もレモンと10円玉と1円玉とで，レモン電池（でんち）を作（つく）ってみるとよくわかるよ。

（注（ちゅう））
　レモン１個（こ）では，ミニオルゴールからの音が聞（き）こえないときには，レモンを２個，３個と縦（たて）につなげる（直列（ちょくれつ）につなげる）と，よく鳴（な）るよ。

電話（でんわ）で遠方（えんぽう）の人（ひと）と話（はなし）ができるのはどうして（6学年）

電話（でんわ）で遠方（えんぽう）の人（ひと）と話（はなし）ができるのはどうしてでしょうか。
次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）音声（おんせい）は波（なみ）のようにして電線（でんせん）の中（なか）を伝（つた）わるので。
（ロ）音声は光（ひかり）に変（か）わって電線の中を伝わるので。
（ハ）音声は磁石（じしゃく）で電流（でんりゅう）に変えられて相手（あいて）に伝わるので。

正解

（ハ）

理由

（イ）音声（おんせい）（空気（くうき）のふるえ）が伝（つた）わる距離（きょり）はせいぜい十数m（すうメートル）です。
（ロ）光（ひかり）は電線（でんせん）（銅線（どうせん））などの金属（きんぞく）では反射（はんしゃ）して，その中を伝わることができません。そのため，光を使（つか）った送信（そうしん）のためには光（ひかり）ファイバーという特殊（とくしゅ）な回線（かいせん）と光と電気（でんき）を交互（こうご）に変（か）える装置（そうち）が必要（ひつよう）になります。これは光通信（ひかりつうしん）のことで，大量のデータ（映像（えいぞう）や音声（おんせい））を送（おく）るときに使われています。
（ハ）電話の送話器（そうわき）は内部（ないぶ）を開（ひら）くと，コイルと鉄心（てっしん）からできた電磁石（でんじしゃく）で組（く）み立（た）てられています。話したときの音声が，送話器の内部（ないぶ）の振動板（しんどうばん）を通（とお）して鉄心（永久（えいきゅう）磁石（じしゃく））を振動（しんどう）させると，コイルの中に音の振動に合わせて電流が流（なが）れます。この電流が相手（あいて）の受話器（じゅわき）の電磁石（コイル）に流（なが）れると，流れる電流に合（あ）わせて受話器の振動板を振動（しんどう）させて（震（ふる）わせて）音声にもどします。このように電話は電磁石を利用（りよう）して音声を相手（あいて）にとどけているのです。

燃料（ねんりょう）電池車（でんちしゃ）とは（6学年）

燃料（ねんりょう）電池車（でんちしゃ）が走（はし）るエネルギーは何（なん）でしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）石油（せきゆ）エネルギーと電気（でんき）エネルギーの両方（りょうほう）で走（はし）る自動車（じどうしゃ）
（ロ）バッテリー（電池）から取（と）り出（だ）した電気エネルギーで走る自動車
（ハ）水素（すいそ）と酸素（さんそ）を反応（はんのう）させて取り出した電気エネルギーで走る自動車

正解

（ハ）

理由

（イ）ハイブリッド自動車（じどうしゃ）のことです。ハイブリット自動車とは，石油（せきゆ）を燃（も）やして得（え）た動力（どうりょく）でエンジンを動（うご）かし，その結果（けっか），走（はし）った自動車の車輪（しゃりん）でモーター（発（はつ）電機（でんき））を動かし，得た電気（でんき）で電気自動車を動かすという，複数（ふくすう）の動力源（どうりょくげん）（エンジンとモーター）を使（つか）って動く自動車のことです。
（ロ）自動車に積（つ）みこんだバッテリー（充電（じゅうでん）池（ち））の電気でモーターを動かして走る電気（でんき）自動車（じどうしゃ）のことです。
（ハ）燃料（ねんりょう）に水素（すいそ）を使（つか）い，水素と酸素（さんそ）の化学（かがく）反応（はんのう）で電気エネルギーを取り出して走る電気自動車。そのしくみは，水に電気を流（なが）して水素と酸素に分解（ぶんかい）する水の電気分解と逆（ぎゃく）の流れで，酸素と水素をもとに化学反応で電気（電子）を取り出し，その電気でモーターを動（うご）かす自動車です。これは燃料を石油（せきゆ）などの地中の限（かぎ）られた資源（しげん）を使（つか）うことなく，水（みず）の分解から得（え）られる水素を燃（も）やすので，水素は空気中の酸素と結（むす）びついてふたたび水にもどります。したがって，掘（ほ）りつくされることも予想（よそう）される石油（せきゆ）に代わる循環型（じゅんかんがた）のエネルギーとして期待（きたい）されているのです。また，燃料（ねんりょう）は水素なのでこれまでの石油エンジンとちがって二酸化炭素（にさんかたんそ）やちっ素（窒素（ちっそ））酸化物（さんかぶつ）を排（はい）出（しゅつ）しないだけでなく，排出するのは水（みず）だけなので，大気（たいき）汚染（おせん）（公害（こうがい））や温暖化（おんだんか）（大気中に二酸化炭素が増（ふ）えると気温が上がる）の防止（ぼうし）対策（たいさく）に適（てき）したエネルギーでもあるのです。

燃料（ねんりょう）電池（でんち）の仕組（しく）み

　燃料極（ねんりょうきょく）から，水素（すいそ）の電子（でんし）が空気極（くうききょく）に移動（いどう）することによって，電流が発生（はっせい）する。また，水素（すいそ）イオンが電解質（でんかいしつ）を通り空気極（くうききょく）で酸素（さんそ）と反応（はんのう）して水になります。

ろうそくの炎（ほのお）はどこの温度（おんど）が最（もっと）も高（たか）いの（6学年）

レモンで電気（でんき）をおこせるのはどうして　（6学年）

電気（でんき）モーターが回（まわ）るしくみはどうなっているの（4,6学年）

豆事典（まめじてん）【電池（でんち）はどうやって電流（でんりゅう）を発生（はっせい）させているの】

　電気を帯（お）びた粒子（りゅうし）（電子（でんし））がマイナス極（きょく）からプラス極に移動（いどう）するとき，電気が流れます。たとえば，電池（でんち）は食（しょく）塩水（えんすい）の中に銅板（どうばん）とアルミ板を差（さ）しこむと電子が流れるので，これを利用して，電流を発生（はっせい）させています。

☆やってみようミニ電池をつくってみよう

準備（じゅんび）：

銅板（どうばん）（10円硬貨（こうか）），アルミニウム板（ばん）（1円硬貨），食（しょく）塩水（えんすい）をしみこませた紙（かみ）（クッキングペーパー），導線（どうせん），電子（でんし）オルゴール，模型（もけい）モーター

作り方：

10円硬貨と1円硬貨の間（あいだ）に，準備した紙をはさんで，ミニ電池（でんち）を作る。

・作ったミニ電池で電子オルゴールを鳴（な）らしてみよう
・ミニ電池を複数（ふくすう）用意して，それらを（直列（ちょくれつ）に）つないで模型モーターを回（まわ）してみよう。

電気（でんき）モーターが回（まわ）るしくみはどうなっているの（4,6学年）

模型（もけい）用の電気（でんき）モーターが動（うご）くしくみはどうなっているのでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）モーターに乾電池（かんでんち）をつないで電流（でんりゅう）を流（なが）すと，内部（ないぶ）の鉄線（てっせん）（ニクロム線）が熱（ねっ）せられ，その熱（ねつ）によってモーターが動（うご）きだす。
（ロ）モーターに太陽光（たいようこう）などの光（ひかり）を当（あ）てると，内部に電流が流れ，モーターが動（うご）きだす。
（ハ）モーターに乾電池をつないで電流（でんりゅう）を流（なが）すと，内部（ないぶ）の磁石（じしゃく）とコイルが退（しりぞ）け合（あ）ったり，引（ひ）き合（あ）ったりしてモーターが動（うご）きだす。

正解

（ハ）

理由

（イ）熱（ねつ）でモーターが動（うご）きだすためには，自動車（じどうしゃ）のように内燃（ないねん）機関（きかん）（ガソリンなどの気体（きたい）を爆発（ばくはつ）させて動かすエンジン）が必要（ひつよう）です。
（ロ）光を利用（りよう）する場合（ばあい）は，光の明るさを，一度（いちど）電気（でんき）にかえなければならないので，光を電気に変える装置（そうち）（アモルファス電池（でんち））が必要です。写真（しゃしん）ではモーターから導線（どうせん）が出（で）ているので，乾電池（かんでんち）が必要になりそうです。さらに，内部を分解（ぶんかい）しても，アモルファス電池のような装置は見当（みあ）たりません。
（ハ）電気モーターは内部（ないぶ）を開（ひら）くとコイルと磁石（じしゃく）から組（く）み立（た）てられています。電流（でんりゅう）がコイルに流れるとコイルに巻（ま）かれたモーターの軸（じく）が，まわりの磁石と退（しりぞ）け合（あ）ったり（反発（はんぱつ）したり），引きつけ合ったりして回転（かいてん）しはじめます。

電話（でんわ）で遠方（えんぽう）の人（ひと）と話（はなし）ができるのはどうして（6学年）

リニアモーターカーに車輪（しゃりん）がないのは（5学年）

豆事典（まめじてん）【モーターを発電機にすることができる？】

　磁石の中（なか）でコイルに電流を流（なが）すとコイルに巻（ま）かれた鉄心（てっしん）が回るモーターに対（たい）して，逆（ぎゃく）に磁石のほうを回してコイルに電気が流れるようにしたのが発（はつ）電機（でんき）なのです。

☆やってみよう１

　模型（もけい）用モーターと手回（てまわ）し発（はつ）電機（でんき）のしくみをくらべて，そのちがいを図解（ずかい）して説明（せつめい）してみよう。

鉄橋（てっきょう）が鉄骨（てっこつ）を組（く）み合（あ）わせてできているのはどうして（6学年）

　重（おも）い電車（でんしゃ）を走（はし）らせる鉄橋（てっきょう）は，鉄骨（てっこつ）を組（く）み合（あ）わせてできています。これはどうしてでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。
　

（動画）鉄橋と電車

（イ）鉄骨だと電車からまわりがよく見（み）えるため，事故（じこ）がおこりにくいので。
（ロ）橋に使（つか）う鉄材（てつざい）の量（りょう）が減（へ）るため，その分（ぶん）コスト（費用（ひよう））がかからず経済的（けいざいてき）であるので。
（ハ）電車が通過（つうか）するときに橋（はし）にかかる重（おも）さをななめに組み合わせた鉄骨で分散（ぶんさん）させると，橋がその重さにたえることができるので。

正解

（ハ）

理由

（イ）列車（れっしゃ）は決まった線路（せんろ）の上を走（はし）るので，鉄橋（てっきょう）の上では周辺（しゅうへん）よりも進行（しんこう）方向（ほうこう）（前方）が遠くまで見（み）ることができればよいはずです。しかも，鉄骨（てっこつ）がななめに交（まじ）わっているのは，なにか特別（とくべつ）な理由があるはずです。
（ロ）鉄橋は列車など重いものを通過（つうか）させるので，重さのために橋が崩落（ほうらく）しないように，列車（れっしゃ）以外（いがい）は橋げたにかかる重さを減（へ）らす必要（ひつよう）があります。そのために重たい壁（かべ）などをはずして，骨（鉄骨（てっこつ））だけの最小限（さいしょうげん）の重さにしているのです。経済的（けいざいてき）なことよりも，まずは崩落しないようにする技術（ぎじゅつ）を優先（ゆうせん）しています。
（ハ）列車が通過（つうか）するとき，橋にかかる重さ（重量（じゅうりょう））が大きいので，その重さにたえられるように，川にかけられたいくつかの橋げたに全重量（ぜんじゅうりょう）をふり分ける必要があります。そのためには，壁（かべ）などを取り払った鉄骨だけにして，まずは，それ自身の重さを減（へ）らし，その上，鉄骨をななめに交わらせ，橋にかかる全重量（ぜんじゅうりょう）を分散（ぶんさん）させているのです。

豆事典（まめじてん）【鉄橋以外の橋はどうなっているの？】

　橋（はし）の支柱（しちゅう）が高（たか）いとつり下（さ）がったケーブルが大（おお）きなアーチをえがくので，その分（ぶん）だけ上向（うわむ）きに引（ひ）っぱり上げる力が大きくなるため，ところどころで設（もう）けられた背（せ）の高い支柱で重い橋を持（も）ち上（あ）げることができるのです。このような橋を支（ささ）えるくふうはつり橋やアーチ橋などでも見られます。

沼（ぬま）が青（あお）く見（み）えるのはどうして（　6学年　）

右の写真（しゃしん）のように，沼（ぬま）が青（あお）く見（み）えるのはどうしてでしょうか。
次の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）沼の底（そこ）の土（つち）が青（あお）いため，それが見えている。
（ロ）沼の水（みず）が冷（つめ）たいので青く見えている。
（ハ）沼の水が日光（にっこう）の中（なか）の青い色（いろ）の光（ひかり）だけを反射（はんしゃ）している。

正解

（ハ）

理由

（イ）沼（ぬま）の底（そこ）はかれた枝（えだ）やかれ葉（は）などが底（そこ）をおおっていることが多く，むしろ見（み）える色（いろ）は茶褐色（ちゃかっしょく）ではないだろうか。
（ロ）透明（とうめい）の水（みず）を冷（ひ）やしても水の色（いろ）は変（か）わらないので，温度（おんど）のちがいで水の色が変（か）わるとは考えられない。
（ハ）水の分子（ぶんし）よりはるかに大きい粒子（りゅうし）（これをコロイド状（じょう）の粒子（りゅうし）という）が水にとけていると，まじり気（け）のない水よりも青い色の光の散乱（さんらん）がいちじるしくなります。水面（すいめん）が写真（しゃしん）のように青く見えるのは，沼に流（なが）れこむ水にアルミニウムの物質（ぶっしつ）がふくまれていて，それが沼の水の中にコロイド状の粒子をつくるため，水深（すいしん）の浅（あさ）い沼（ぬま）でも入射（にゅうしゃ）する光の中の赤い色（波長（はちょう）が長（なが）い）の光は水に吸収（きゅうしゅう）されてしまいますが，青い光（波長（はちょう）が短（みじか）い）はコロイド状の粒子に散乱されて青い色が多く目にとどくようになるので，青く見えるようになると考えられています。

海（うみ）が青（あお）いのはなぜ（5学年）

Q10

A，Bのドライバーはどちらがねじを強（つよ）く回（まわ）せるでしょうか（6学年）

　右の写真のA，Bのドライバーはどちらがねじを強（つよ）く回（まわ）せるでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）持（も）ち手（て）（にぎり手）が太（ふと）いほう（A）が小（ちい）さな力（ちから）で大（おお）きな力を出（だ）せる。
（ロ）持（も）ち手（て）（にぎり手）が細いほう（B）が小（ちい）さな力（ちから）で大（おお）きな力を出（だ）せる。
（ハ）ドライバーAのほうが，Bよりも柄（え）の長（なが）さが長いので，大きな力を出せる。

正解

（イ）

理由

（イ）てこの力点（りきてん）が支点（してん）からはなれているほど小さな力で重（おも）いものを持（も）ち上げることができるように，ドライバーのにぎり手（て）（力点）が太（ふと）いほど細（ほそ）いにぎり手にくらべてにぎり手（力点）が中心（ちゅうしん）（支点）からの距離（きょり）が大きくなり，小さな力でもその距離が大きい分（ぶん）だけねじを大きな力で回（まわ）すことができます。
（ロ）力は回転する方向だけにはたらくので，これは，（イ）の逆（ぎゃく）で，てこの力点（りきてん）が支点（してん）から近いほど，はなれているときにくらべて，重いものを持ち上げることができないように，ドライバーのにぎり手が細（ほそ）いと（イ）のときと同じ力でにぎり手を回（まわ）しても，太い場合（ばあい）のようにねじを大きな力で回せないのです。
（ハ）ドライバーの柄（え）は，にぎり手にはたらく力の方向（ほうこう）と直角（ちょっかく）の向（む）きなので，にぎり手に加えた力が柄（え）の方向にはたらくことはなく，柄の長さはドライバーにはたらく力の大きさに影響（えいきょう）がありません。それは，てこの場合でも，てこをおす力はおす方向にはたらきますが，てこの軸の方向には力が伝わらない（加（くわ）わらない）ことと同じです。

クレーン車（しゃ）はどうして重（おも）い物（もの）を持（も）ち上（あ）げられるの（6学年）

豆事典（まめじてん）【てこ1本で地球（ちきゅう）も動（うご）かせる！】

　ギリシャ時代（じだい）の科学者（かがくしゃ）アリストテレス（紀元前（きげんぜん）350年（ねん）ごろ）は，てこを使（つか）えば，巨大（きょだい）な地球さえも動かすことができるといって，人（ひと）びとをおどろかせました。てこの力点（りきてん）を支点（してん）から限（かぎ）りなく遠（とお）くにとれば，支点に近（ちか）い作用点上（さようてんじょう）では限（かぎ）りなく大（おお）きな力を生（う）み出（だ）すと考え，地球さえも動かすことができると考（かんが）えたのです。

Q11

LED（エルイーディー）電球（でんきゅう）とは（6学年）

新聞（しんぶん）の生活（せいかつ）や科学（かがく）記事（きじ）の紙面（しめん）でよく見（み）かけるＬＥＤ（エルイーディー）電球（でんきゅう）とは何（なん）でしょうか。
次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）電流（でんりゅう）を流（なが）すと内部（ないぶ）が冷（つめ）たいまま光（ひかり）を放（はな）つ電球（でんきゅう）。
（ロ）電流を流すと内部が熱くなって光を放つ電球。
（ハ）電流を流すと内部の蛍光（けいこう）塗料（とりょう）が光を放つ電球。

正解

（イ）

理由

（イ） L（エル　）E（イー　）D（ディー）とは発光（はっこう）ダイオードのことで，これは電流（でんりゅう）を通（とお）す金属（きんぞく）の中（なか）でも，導体（どうたい）（電流を通す物質（ぶっしつ））と不導体（ふどうたい）（電流を通さない物質）の中間的（ちゅうかんてき）な電気（でんき）抵抗（ていこう）をしめす物質（ぶっしつ）で半導体（はんどうたい）と呼（よ）ばれます。ＬＥＤ電球（でんきゅう）（発光（はっこう）ダイオード電球）では２種類（しゅるい）の性質（せいしゅつ）のちがう半導体がつなぎ合（あ）わされて（接合（せつごう）されて）いて，それに電圧（でんあつ）をかけると，片方（かたほう）の半導体からは粒子（りゅうし）のように動（うご）き回（まわ）る＋（プラス）電気（でんき）を帯（お）びた部分（ホール）が，もう一方（いっぽう）からは電子（でんし）（－（マイナス）電気を帯びている粒子（りゅうし））が半導体の接合しているところに集まり，ホールと電子が結合（けつごう）（衝突（しょうとつ））することにより電磁波（でんじは）（光（ひかり））が放出（ほうしゅつ）されます。その光（ひかり）を取（と）り出（だ）して照明（しょうめい）に使（つか）っているのが「発光ダイオード電球」なのです。発光ダイオード電球は今（いま）までの電球のように熱（あつ）くなることもないので，その分（ぶん），電球を熱するために使われる電力（でんりょく）を節約（せつやく）することができます。また，白熱電球のように寿命（じゅみょう）（使用（しよう）期間（きかん））の短（みじか）いフィラメントも使わないので，発光ダイオード電球は寿命が長（なが）いのも特色（とくしょく）になっています。
（ロ）電気（でんき）抵抗（ていこう）のある導体中（どうたいちゅう）を電気が流（なが）れると熱（ねつ）が発生（はっせい）し，導体が高温（こうおん）になって光を発生させます。白熱電球ではフィラメント（電流が流れると光や熱を放（はな）つ細（ほそ）い金属線）に電流を流し，そのとき放つ光を明（あ）かりとして利用（りよう）しています。
（ハ）蛍光灯（けいこうとう）の明（あ）かりのことです。蛍光灯の中（なか）に真空（しんくう）放電（ほうでん）（空気（くうき）をぬいた中に電子（でんし）が放出（ほうしゅつ）されること）がなされることにより，たとえば水銀（すいぎん）の気体（きたい）に電子が衝突（しょうとつ）して電磁波（でんじは）（おもに紫外線（しがいせん））が放射（ほうしゃ）されます。蛍光灯の明かりは，このように蛍光灯中に放射された紫外線が蛍光灯のガラスの内側（うちがわ）にぬられた蛍光（けいこう）体（塗料（とりょう））に当（あ）たると光（ひか）るので，この光を明かりとして利用（りよう）しています。

日（ひ）の出（で）の空（そら）が赤（あか）いのはどうして（6学年）

晴（は）れた空（そら）が青（あお）いのはなぜ（3学年）

オーロラはどこでも見（み）られるの（6学年）

豆事典（まめじてん）【発光（はっこう）ダイオード（ＬＥＤ（エルイーディ））の出現（しゅつげん）によって，何（なに）が変（か）わったの？】

（１）これまでの電灯（でんとう）（白熱（はくねつ）電球（でんきゅう））は光（ひかり）（明（あ）かり）を取（と）り出（だ）すために電球（でんきゅう）に電流（でんりゅう）を流してフィラメントを熱（ねっ）する必要（ひつよう）がありましたが，発光ダイオードでは電球に電圧（でんあつ）をかけるだけで電子（でんし）から直接（ちょくせつ）光（ひかり）を取り出せるようになりました。この結果（けっか），フィラメントを熱（ねっ）するための電気（でんき）（熱エネルギー）がいらなくなり，その分（ぶん）だけ電力（でんりょく）を節電（せつでん）できるようになりました。
（２）電灯のフィラメントの寿命（じゅみょう）が短（みじか）かったのが，半導体（はんどうたい）を使（つか）うことによって大幅（おおはば）に延長（えんちょう）できるようになりました。

（３）光の三原色（さんげんしょく）の赤（あか），緑（みどり），青（あお）のうち，最近（さいきん）まで青を半導体で取り出すのがむずかしく，光の三原色による色（いろ）づくりにも制限があったのですが，日本（にほん）の科学者（かがくしゃ）による青色（あおいろ）発光（はっこう）ダイオードの発明（はつめい）＊により，光の三原色がそろい，生活（せいかつ）の中（なか）に利用（りよう）されるさまざまな色をつくりだすことができるようになりました。

＊青色発光ダイオードの発明とそれまでの研究（けんきゅう）成果（せいか）に対（たい）して，2014年には日本人科学者の赤崎（あかさき）勇（いさむ），中村修二（なかむらしゅうじ），天野（あまの）浩（ひろし）の３名（めい）がノーベル物（ぶつ）理学（りがく）賞（しょう）を受賞（じゅしょう）しました。

Q12

かみなりは光（ひか）ってから落（お）ちるのはどうして（4学年，5学年，6学年）

かみなりは光（ひか）ってから落（お）ちるのはどうしてでしょうか。
次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）かみなりは光ってから後（あと）で音（おと）が発生（はっせい）するため。
（ロ）かみなりの光は空（そら）から直接（ちょくせつ）とどくが，音はかみなりが地面に落ちてから地震（じしん）のように地面（じめん）を伝（つた）わってくるため。
（ハ）光の速（はや）さは音の速さより早（はや）いので，光は音より先（さき）にとどくため。

正解

（ハ）

理由

（イ）上空（じょうくう）のかみなり雲（ぐも）（積乱雲（せきらんうん））の中の－（マイナス）の静（せい）電気（でんき）と地上からの+（プラス）の静電気（せいでんき）が近づくと放電（ほうでん）がはじまり，電流がまわりの空気の中を流れるようになります。そのとき電流の通り道の空気が超高温（ちょうこうおん）になり，はげしく振動（しんどう）するため，光（電光（でんこう），稲妻（いなずま））や音（雷鳴（らいめい））が同時（どうじ）に発生します。これがかみなり（雷（かみなり），落雷）の正体なのです。
（ロ）音は空気（くうき）をふるわせて波（なみ）として空気中（くうきちゅう）を伝（つた）わることができるので，地面（じめん）に落（お）ちたときの衝撃（しょうげき）の音を聞（き）いているのではありません。
（ハ）遠（とお）くで打（う）ち上（あ）げられる花火（はなび）は，光ってから音が聞（き）こえるように，遠（とお）くで落ちるかみなりもはじめに光って，しばらくして音が聞こえます。これは光の速（はや）さは音の速さより大（おお）きいので，私たちには光が先（さき）にとどいて音が後（あと）からとどきます。ただし，近（ちか）い所（ところ）で落（お）ちるかみなりは，観測者（かんそくしゃ）までの距離（きょり）が小さすぎて速さの差（さ）が出ないので光るのとほぼ同時に音が聞こえるのです。

豆事典（まめじてん）【速（はや）さくらべ】

光の速さ	秒速 290,000,000m
音の速さ	秒速 340m（空気中），秒速 1500m（水中（すいちゅう））
地球の公転の速さ	秒速 298,000m
地球の自転の速さ	秒速 465m
地震のゆれの速さ	秒速 6,000~8,000m（縦波（たてなみ）），秒速 3,000~5,000m（横波（よこなみ））
ジャンボジェット機の速さ	秒速 250m
新幹線の速さ	秒速 80m
人間（歩行）の速さ	秒速 1.5m

Q13

ロケットが空気（くうき）のない宇宙（うちゅう）を飛（と）ぶことができるのはどうして（6学年）

　ロケットが空気（くうき）のない宇宙（うちゅう）を飛（と）ぶことができるのはどうしてでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）空気（くうき）を熱（ねっ）し，軽（かる）くなった空気で熱気球（ねつききゅう）のように飛んでいる。
（ロ）燃料（ねんりょう）のガソリンを爆発（ばくはつ）させ，そのとき発生する強力な風を利用（りよう）して飛んでいる。
（ハ）燃料の水素（すいそ）を爆発させて，その反動を利用して飛んでいる。

正解

（ハ）

理由

（イ）宇宙（うちゅう）は真空（しんくう）（空気（くうき）がない空間（くうかん））なので，空気中（大気中（たいきちゅう））の浮力（ふりょく）を利用して上昇（じょうしょう）したり下降（かこう）したりする熱気球（ねつききゅう）では宇宙を飛（と）ぶことができません。
（ロ）ジェット機（き）は，吸（す）いこんだ空気でガソリンを爆発させ，その反動で飛ぶのですが，そのときに発生（はっせい）する強力（きょうりょく）な風を機体（きたい）の両翼（りょうよく）に当（あ）て揚力（ようりょく）（翼（つばさ）にはたらく上向（うわむ）きの力）を発生させて，大気中を上昇したり下降したりします。しかし，宇宙には空気がないので，ジェット機は宇宙を大気中のように飛ぶことができません。
（ハ）壁（かべ）を手で押（お）す（作用（さよう））と手も壁から押し返（かえ）される（反作用（はんさよう））ように，ロケットも燃料を爆発（ばくはつ）させる（作用）と前（まえ）に飛び出す（反作用）のです。この力は「力の作用，反作用」と呼（よ）ばれ，空気のない宇宙（うちゅう）空間（くうかん）でも同じようにはたらきます。しかし，宇宙には空気（酸素（さんそ））がないので，宇宙ロケットは燃料の水素を爆発させるために地球から酸素（液体（えきたい）や固体（こたい）にして）を運び，それを使って燃料（ねんりょう）を爆発させ，その反動（はんどう）（反作用）で飛ぶのです。その証拠（しょうこ）に，ロケットが飛（と）び上がるときに白煙（はくえん）が見えるのは，燃料の水素と酸素が燃焼（ねんしょう）するときにできる水（みず）が水滴（すいてき）になって噴出（ふんしゅつ）しているからです。また，宇宙空間には真空（しんくう）（空気がない空間）で摩擦（まさつ）がないので，ロケットは一度（いちど）動（うご）いたら燃料なしで飛（と）び続（つづ）けることができますが，地球（ちきゅう）にもどるときには，ロケットの向（む）きを変（か）えたりするために，あらためて燃料を爆発（ばくはつ）させて，推力（すいりょく）（作用反作用の力）を得（え）る必要（ひつよう）があります。

おし相撲（ずもう）で，大（おお）きなお相撲（すもう）さんと小（ちい）さな子（こ）どもではどちらが勝（か）つでしょうか（6学年）

豆事典（まめじてん）【水ロケットを飛（と）ばしてみよう】

（１）水を入れたペットボトルに空気をおし込むためのゴムせんを取（と）り付（つ）ける。
　　　・水はペットボトルに三分の一ほどを入れる。
（２）空気入れで空気をおしこむ。
（３）空気の圧力（あつりょく）が大きくなるとゴムせんがはずれてペットボトルが飛び上（あ）がる。

　　　注意：水ロケットは広い場所で，人のいない方に飛ばすこと。

・ペットボトルが飛び上がったときにはたらく力（ちから）の向（む）きを→（矢じるし）で図（ず）にえがいてみよう。
・そのときはたらく力のことを，それぞれ何（なん）といいますか。

　答えを見る。

　力の作用（さよう），力の反作用（はんさよう）

Q14

赤（あか）や青（あお）のスポットライトのように黒（くろ）のスポットライトはあるの（6学年）

　舞台（ぶたい）をはなやかに照（て）らし出すのに，七色（なないろ）に変化（へんか）する光（ひかり）（スポットライト）があります。この中（なか）に黒（くろ）い光（スポットライト）があるでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）太陽（たいよう）や星（ほし）が光（ひか）っているのに，そのまわりの宇宙（うちゅう）は暗黒（あんこく）の世界（せかい）です。それは，宇宙から黒（くろ）い光（ひかり）が放出（ほうしゅつ）されているからだと思（おも）う。
（ロ）黒い物体（ぶったい）は当（あ）たった光が吸収（きゅうしゅう）されて，私（わたし）たちの目（め）に反射（はんしゃ）してこない（もどってこない）ためで，黒い光が放出（ほうしゅつ）されているわけではないと思う。
（ハ）黒い絵（え）は赤（あか）い色（いろ），青（あお）い色，黄（き）色（いろ）を混（ま）ぜるとえがけるので，光の場合（ばあい）もさまざまな色の光を混ぜると黒い光をつくることができると思う。

正解

（ロ）

理由

（イ）夜空（よぞら）の月（つき）が光（ひか）って見えるのは，月に当（あ）たった太陽（たいよう）の光が反射（はんしゃ）しているからであり，一方（いっぽう），月のまわりの空間（くうかん）が真黒（まっくろ）なのは空気（くうき）＊がなく（真空（しんくう）のため），光を反射するものがないためです。したがって，黒（くろ）い光（黒いスポットライト）が太陽や星（ほし）などから放出されているため宇宙（うちゅう）空間（くうかん）が黒いわけではないのです。
＊空気は窒素（ちっそ）や酸素（さんそ）などのつぶ（原子（げんし）・分子（ぶんし））からできています。
（ロ）空（そら）が明（あか）るく見（み）えたりするのは，太陽の光が地球（ちきゅう）を取（と）り巻（ま）く空気に散乱（さんらん）して，私（わたし）たちの目（め）にとどくためです。夜が暗（くら）い（暗黒（あんこく）な）のは，太陽の光が目にとどかないためで，黒い光があって，それが目にとどいているためではありません。したがって，光で照（て）らし出（だ）された舞台（ぶたい）の一部（いちぶ）を「黒いスポットライト」で照（て）らし出（だ）すには，たとえば，地球の影（かげ）で月食（げっしょく）を引（ひ）き起（お）こすように光をさえぎったときにできる「影（かげ）」をつくるしかありません。
（ハ）物（もの）の色（いろ）は，それ自身（じしん）の色ではなく，その物（もの）に反射（はんしゃ）する光の色を見（み）ているのです。光がつくり出（だ）す色の世界（せかい）は，「赤（あか），緑（みどり），青（あお）」の光（光の三原色（さんげんしょく））がさまざまに重（かさ）なることによって生（う）まれ，たとえば三つの光が重（かさ）なると白色（はくしょく）になり，「黒い光」をつくりだすことはないのです。

日（ひ）の出（で）の空（そら）が赤（あか）いのはどうして（6学年）

晴（は）れた空（そら）が青（あお）いのはなぜ（3学年）

月食（げっしょく）はどうして起（お）きるの（6学年）

LED（エルイーディー）電球（でんきゅう）とは（6学年）

Q15

地球（ちきゅう）の中心（ちゅうしん）を通（とお）るトンネルがあったら（3,6学年）

　地球（ちきゅう）の中心（ちゅうしん）を通（とお）るトンネルがあるとしたら,地上（ちじょう）からトンネルに落（お）とした物（もの）はどうなるでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）地球の中心で止（と）まる。
（ロ）地球の反対側（はんたいがわ）まで行（い）ってもどってくる。
（ハ）地球の外（そと）に飛（と）び出（だ）す。

注；地球の自転やトンネルの中での空気の抵抗（ていこう）がないものとする。

正解

（ロ）

理由

（イ）地球（ちきゅう）の中心（ちゅうしん）に落下（らっか）する物（もの）（物体（ぶったい））は，地球の引力（いんりょく）（重力（じゅうりょく））によって中心（ちゅうしん）に向（む）かって引（ひ）っぱり続（つづ）けられ，中心に近（ちか）づくほど速（はや）さが大（おお）きくなるため，地球の中心を越（こ）えて，さらに反対側（はんたいがわ）に進（すす）むと考（かんが）えられます。
（ロ）物体（ぶったい）は，地球の引力（いんりょく）によって中心にとどくころには最高（さいこう）速度（そくど）に達（たっ）し，そこから反対側（はんたいがわ）の地表（ちひょう）に近（ちか）づくにつれスピードが落（お）ち地表で速度（そくど）０（ゼロ）になります。しかし，速度０になった物体は，今度（こんど）は逆（ぎゃく）に地球の中心からの引力によって地球の中心にもどってきて，また，最（さい）高速度（こうそくど）になるので，ふたたびはじめに落（お）とした地点（ちてん）にもどってくるので，結局のところ，物体は行（い）ったりもどったりすること（往復（おうふく）運動（うんどう））がくり返（かえ）されると考（かんが）えられます。この予想（よそう）される物体の動（うご）きが，ふりこの往復運動とよく似（に）ているのは，地球の引力（いんりょく）（重力（じゅうりょく））が同（おな）じようにはたらいているからなのです。
（ハ）地球の反対側（はんたいがわ）にとどいた物体は，地球の引力（いんりょく）（重力（じゅうりょく））によって止められ，ふたたび中心（ちゅうしん）方向（ほうこう）に引（ひ）きもどされるはずです。

質量（しつりょう）と重（おも）さ（重量（じゅうりょう）ともいう）のちがいは（3,6学年）

ロープの長（なが）さが長いブランコと短（みじか）いブランコでは一往復（いちおうふく）する時間（じかん）は変（か）わるかな（5学年）

Q16

高（たか）いビルの屋上（おくじょう）から水平（すいへい）に投（な）げたボールと真下（ました）に落（お）としたボールとではどちらが早（はや）く地面（じめん）にとどくかな（6学年）

　高（たか）いビルの屋上（おくじょう）から水平（すいへい）に投（な）げたボールと真下（ました）に落（お）としたボールとではどちらが早（はや）く地面（じめん）にとどくでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）水平に投げたほうが真下に落としたときよりも地面に早く落ちる。
（ロ）水平に投げたほうが真下に落としたときよりも地面におそく落ちる。
（ハ）水平に投げたものと真下に落としたものとは地面に同時（どうじ）に落ちる。

正解

（ハ）

理由

　屋上（おくじょう）から水平に投（な）げられたボールにはたらく力（ちから）には，（１）投げられた方向（ほうこう）（水平（すいへい）方向（ほうこう））にはたらく力と（２）地面（じめん）に向（む）かって真（ま）っすぐに落（お）ちる方向（引力（いんりょく）［重力（じゅうりょく）］がはたらく方向）にはたらく力の２つがあります。そのため，水平に投げられたボールの落下（らっか）する向（む）きにはたらく力と，地面に向けて真下に落ちたときのボールにはたらく力と同じになるので，２つのボールは同じ速（はや）さで落下して，同時（どうじ）に着地（ちゃくち）することになります。

ゆれているブランコから真下（ました）に落下（らっか）するためには（5学年）

豆事典（まめじてん）【射撃（しゃげき）の名手（めいしゅ）になれるかな】

　落（お）ちてくる標的（ひょうてき）に目がけて発射（はっしゃ）台（だい）から弾（たま）を打（う）ち出（だ）すと，飛（と）び出した弾は必（かなら）ず標的に当（あ）たります。それはどうしてでしょうか。右（みぎ）の図（ず）を参考（さんこう）に説明（せつめい）してみよう。

Q17

包丁（ほうちょう）がよく切（き）れるのはどうして（6学年）

よく切（き）れる包丁（ほうちょう）（ナイフ）はどれでしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）刃先（はさき）が厚（あつ）い。
（ロ）刃先が中ぐらいの厚さ。
（ハ）刃先が薄（うす）い。

正解

（ハ）

理由

（イ）物（もの）をおし分（わ）ける力（ちから）（切（き）る力）は，包丁（ほうちょう）が下向（したむ）きにおす力に対（たい）して，刃先（はさき）が厚（あつ）いほど小（ちい）さくなります。したがって，刃先の薄（うす）い（ロ），（ハ）にくらべて，物の切れる程度（ていど）は一番劣（おと）ることになります。（包丁を下向きにおす力に対して，このように物を切りさく力は刃の向（む）きに対して垂直（すいちょく）な方向にはたらきます。この力を「分力（ぶんりょく）」といいます。）
（ロ）刃先の厚（あつ）さが（イ）と（ハ）の中間（ちゅうかん）なので，切れる程度も中（ちゅう）ぐらいになります。
（ハ）刃先（はさき）がとがっているほど，物（もの）をおし分（わ）ける（切（き）る）力（ちから）が大（おお）きくなるので，もっともよく切れるようになります。それでは，刃先がとがっているほど物を切る力が大きくなるのはどうしてでしょうか。それは包丁（ほうちょう）を下向（したむ）きにおした力の分力（ぶんりょく）は刃先がとがっている（刃先が薄（うす）くなっている）分（ぶん）だけ大きくなり，１つの物体を２つにおし分ける（切る）力が大きくなるからです。

豆事典（まめじてん）【力の分力（ぶんりょく）と合力（ごうりょく）とは】

　たとえば，買（か）い物（もの）かご（荷物（にもつ））を２人で持（も）ち上（あ）げると1人で持（も）ち上（あ）げるよりも楽（らく）になるのは，右（みぎ）の図（ず）のように，１人の力を2つに分けるからです。このとき，分けたそれぞれの力を「力（ちから）の分力（ぶんりょく）」といいます。また，分けた力（分力）を元の１つの力にもどすことを「力の合成（ごうせい）」といい，合成された力を「合力（ごうりょく）」といいます。

力の分力と合力　図中の矢じるし（→）の長さは，力の大きさを表しています。

お手伝（てつだ）いで大人（おとな）を助（たす）けられるかな（6学年）

Q18

お手伝（てつだ）いで大人（おとな）を助（たす）けられるかな（6学年）

　買（か）い物（もの）かごを大人（おとな）１人で持（も）つときと子（こ）どもが手伝（てつだ）って２人で持つときでは，どちらが楽（らく）でしょうか。次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）持（も）ち上（あ）げるのに必要（ひつよう）な力（ちから）を２人（ふたり）で分（わ）け合（あ）うのだから，１人より必（かなら）ず楽（らく）になる。
（ロ）もう一方（いっぽう）は子どもで力が弱（よわ）いので，大人１人で持つときと変（か）わらない。
（ハ）子どもが引っぱる高さが水平（ぶら下（さ）がるちょっと前）だとかえって重（おも）くなり，楽にならない。

正解

（ハ）

理由

（イ）２人だからといって，いつも楽（らく）ができるとは限（かぎ）りません。右（みぎ）の図（ず）（イ）のように手伝（てつだ）うのが子どもで引（ひ）っぱる向（む）きが水平（すいへい）だともう一方（いっぽう）の大人が１人で持（も）ち上（あ）げるときより大きな力が必要（ひつよう）になります。

→図中の→（矢じるし）の長さは，力の大きさを表しています。
（ロ）子どもでも荷物（にもつ）を引っぱるところが右の図（ロ）のように自分の手（て）の高さより低（ひく）ければ持（も）ち上げる力（ちから）になり，その分（ぶん），大人は一人で持ち上げるときより楽（らく）になります。
（ハ）買（か）い物（もの）かご（荷物（にもつ））を引っぱる子どもの手が水平になる前（まえ）までなら，大人は１人で持ち上げるときより引っぱり上げる力が少なくてすむので楽になります。

包丁（ほうちょう）がよく切（き）れるのはどうして（6学年）

Q19

車輪（しゃりん）を使（つか）って物（もの）を運（はこ）ぶと楽（らく）なのはどうして（6学年）

同（おな）じ重量（じゅうりょう）で大きさのちがう車輪ではどちらが楽（らく）に荷物（にもつ）を運（はこ）ぶことができるでしょうか。
次（つぎ）の答（こた）えから正（ただ）しいものを選（えら）びなさい。

（イ）車輪が小さいほど楽に荷物を運ぶことができる。
（ロ）車輪が大きいほど楽に荷物を運ぶことができる。
（ハ）小さい車輪も大きい車輪も荷物を運ぶ楽さは同じになる。

正解

（ロ）

理由

（イ）重さの同じ車輪（しゃりん）では，車輪（しゃりん）の大きさが小さいほど地面（じめん）との摩擦（まさつ）が大きくなるので，楽（らく）に運（はこ）ぶことができません。
（ロ）重さの同じ車輪では，車輪の大きさが大きいほど地面との摩擦が小さくなるので，楽に運ぶことができます。
（ハ）重さの同じ車輪では大きさによって，地面との摩擦が異（こと）なるので，運ぶときの楽さは異（こと）なります。

☆やってみよう

　同じ重（おも）さで，大きさの異（こと）なる車輪のおもちゃを作（つく）って，斜面（しゃめん）を転（ころ）がしてみよう。どちらが遠くまで転がっていくでしょうか。

参考：家庭（かてい）でできる科学（かがく）実験（じっけん）シリーズ（日本ガイシ株式会社）

豆事典（まめじてん）（1）【車輪（しゃりん）と摩擦（まさつ）】

　静止（せいし）している物体（ぶったい）が動（うご）きだすときに地面（じめん）からはたらく力を摩擦力（まさつりょく）といいます。とくに，静止しているときから動きだすときの摩擦力を「静止（せいし）摩擦力（まさつりょく）」，動きだしてからの摩擦力を「動（どう）摩擦力（まさつりょく）」といい，動摩擦力は静止摩擦力にくらべて小さく，また，車輪のように回転（かいてん）するときの動摩擦力はさらに小さくなります。とくに，回転（かいてん）するときには同じ重量（じゅうりょう）の車輪で大きさが２倍（ばい）になると摩擦の大きさが半分（はんぶん）になることがわかっています。

豆事典（まめじてん）（2）【車輪（しゃりん）が大（おお）きいと重量（じゅうりょう）も増（ふ）えるけど……。摩擦（まさつ）はどうなるの。】

　車輪の歴史は古く，発明は今から3,500年前といわれています。この発明によって，車輪が大きいと，小さい車輪にくらべて同じ１回転（かいてん）で長（なが）い距離（きょり）を運（はこ）ぶことができるので，物を運ぶ「仕事（しごと）」（エネルギー）でも得（とく）をすることができるようになりました。
　しかし，車輪が大きくなると，摩擦力は飛躍的（ひやくてき）に少なくなるのですが，重量が大きくなった分だけ逆（ぎゃく）に摩擦が大きくなるので，それを少なくするために自転車（じてんしゃ）の車輪のようにスポークを使（つか）って車輪を中空（ちゅうくう）にしたり，車輪（タイヤ）に空気（くうき）を入れたりして重量全体を軽（かる）くする工夫（くふう）がなされてきました。