3.動物の世界
(2)動物の体のつくりとはたらき
6.その他
(4)実験・観察・調査から
(671)アメンボの不思議・その1
「あっ! アメンボの写真ですね。水の上をスイスイと泳いでいるみたいですね。」
「アメンボって、どうしてしずまないのかな。とても不思議ね。」
「そうだね。不思議に思うことがいっぱいあるって、それはそれは、いいことだよ。」
「アメンボはとても軽いんじゃないかな。アメンボ1ぴきの重さってどのくらいかな。」
「だいたいだけど、1ぴきで0.02gらしいよ。50ぴきで1gになるから、50ぴき集まって、やっと1円玉と同じくらいになるんだね。」
「でも、軽いだけで浮くようになるのかな。何か『しくみ』があるのかな。」
「それではね、上の写真のやじるし(⇒)のあたりをよく見てごらん。何か気がつかないかな。」
「線のような、波のようなものがあるね。」
「何か足の先にひみつがあるのかもね。」
「そうなんだ。アメンボの足の先を顕微鏡で見ると、やわらかい毛がいっぱいなんだ。顕微鏡で見えるようすを写真で撮影することができたんだ。見てごらん。」
![写真3](newpic/671-3.jpg)
【顕微鏡写真】
「すごいですね。これはスクープですね。」
「毛がいっぱい生えているようすが、とてもよく分かります。」
「そうか、毛があって水をはじくおかげで、足がぬれないのですね。」
「たくさんの毛が生えているだろう。この毛は、ワックス、つまり『ろう』におおわれているために、水にぬれにくくなっているんだよ。『ろう』というのは、油と考えていいね。油は水をはじくでしょ。それと同じなんだ。」
「でも、ツメには毛がないみたいよ。」
「アメンボの足のツメはね、曲がっていて、動き回っても水の表面のまくをやぶらないんだよ。」
「アメンボの足は、たくさんの毛と、ろうにおおわれているので、アメンボは水の上でも歩けるんですね。」
「つまりね、水の表面張力でできる水面のまくの上に、足を広げて、スイスイと歩けるということなんだね。」
「そういうことですか。初めの写真のようすは、アメンボが体の重さで水がへこんで、それで細かい線のようになったり、波のようになったりするんですね。」
「表面張力って、今いち分かりにくいのですが、もう一度説明してください。」
「そうだね。オー君は、コップのふちのぎりぎりまで、水を静かに入れて、横から見たことがあるかな。」
「あります。水面がコップのふちからもり上がるようになります。」
「そうだろう。ちょっとむずかしいけど、水にはね、表面をできるだけ小さくしようとする働きがあってね、それを表面張力と言うんだよ。水面がまくのように見えるのは、表面張力で引っぱられるためなんだよ。」
「なるほど、そういうことですか。」
「わたしも、表面張力について、よく分かりました。」
「それでは、表面張力が分かったところで、ある実験をしてみよう。これはみんなでもすぐにできるし、マジックにも応用できるかもね。」
「どんな実験なんですか。何か実験に必要なものはありますか。」
「1円玉とせんめんき、それから石けんがあればOKさ。」
「どうやるのですか。」
「まず、せんめんきに水を入れて、それに1円玉をそっと乗せるんだ。すると、表面張力により、1円玉は浮くよ。そして、次に、石けん水をたらすと、たちまちしずんでしまう。つまり、石けん水は表面張力を弱める働きがあるということさ。」
「おもしろそうな実験ですね。おうちでもやってみます。」
「アメンボについて、いろいろと知れば知るほど、アメンボって、不思議でおもしろい生き物なんですね。」
「もっともっとアメンボについて、知りたくなりました。いろいろと観察したくなりました。」
「みんなの好奇心が高まったので、これからも、もっともっとくわしく観察しよう。」
「わーい、わーい。楽しいな。」
「わーい、わーい。うれしいな。」
安価な顕微鏡でも十分楽しめる!
顕微鏡というと、とても
高価なものであると
思われますが、
小学生がお
小遣い
程度で
買えるくらいに
安価で
操作も
非常に
簡単なものが
販売されています。
価格は2000~3000
円ほどで買えます。ゲームのソフトよりも
安いし、
興味・
関心を
高め、
好奇心の
向上にもなること、
間違いなしです。
倍率は100~200
倍もあれば
十分です。アメンボの
足の
先の
毛を
観察できたときには、とても
感動しました。まず、顕微鏡で
確認。その
後、スマホをあれこれと操作しながら
撮影したものです。
何度も
失敗の
繰り
返しでしたが、アメンボの足の先の
写真が
撮れたときには、とてもうれしくて
飛び
上がるばかりでした。
参考までに、
右にその顕微鏡を写真で、
紹介します。