1.身近な自然の観察
(5)自然観察・実験のてびき
2.植物の世界
(1)花のつくりとはたらき
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
6.その他
(4)実験・観察・調査から
(566)カラスウリ開花のようす
「うわあー。カラスウリの花ですね。モンタ博士!」
「そうだね。夏の夜の花といえば,カラスウリとマツヨイグサのなかまだね。」
「とてもきれいなというか,変わった花というか,白いレースのようなものがすてきな花ですね。」
「そうですね。カラスウリのあの真っ白な花が夕やみせまるころに花を広げる姿は,とてもすばらしいですね。」
「カラスウリといえば,以前にも『てくてく自然散歩』にありましたね。」
「うれしいね。オー君はよく見ていてくれているんだね。」
「今回はね,カラスウリの花の開くようすについてのお話だよ。」
「花の開くようす・・・というと,どういうことですか。」
「カラスウリの花は,つぼみから花の全開まで20~30分ほどかかるんだけど,それを動画でと思ったけどね,ちょいと時間が長すぎるのでね・・・。」
「長すぎるので・・・どうしたのですか。・・・あ! 分かった! 写真だ。」
「ピンポーン。そのとおりだよ。カラスウリの花の変化していくようすを下のように写真にとって,時間の経過とともに示したので見てほしいのさ。」
「そうですね。動画もいいけど,写真もいいですね。動画には動画のよさがあり,写真には写真のよさがありますね。」
「そうだね。いろいろな植物が,種からどのように変化していくか,茎をどう伸ばしていくか,花はどのように咲いていくか,長い期間でみるのもいいけど,短い時間での変化を観察するということも必要だね。」
「継続観察ですね。継続観察というのは,とても大切な観察方法ですね。」
「分かりました。ともかく,早く写真が見たいです。」
2019年7月28日19時02分
2019年7月28日19時06分
2019年7月28日19時10分
2019年7月28日19時15分
「うわあー! 花の開くようすや変化がばっちりでよく分かりますね。」
「本当ですね。カラスウリってとてもすてきな花ですね。」
「何だか,ぼくはカラスウリのファンになったようです。ところで・・・。」
「ところで? どうしたの,オー君。」
「ふーむ。やればできるな・・・。やってみる価値はありそうだ・・・。」
「だから,何がどうしたの。カラスウリと関係あるの。」
「もちろんだよ。この写真を見て思ったんだけど,花が開く時のようすは分かったけど,花がしぼんでしまう時には,どうなるんだろう。どのように変化するんだろう。」
「なるほど,そのとおりだね。さすが,オー君だ。今度は花が閉じる時を写真でとってみるのもいいね。ぜひ,チャレンジしてごらん。そして,モンタ博士にぜひ教えてほしいね。」
カラスウリ
●その1 夏の夜の夢
夏の夕方,あたりがすっかりと暗くなると,人知れず花を開き,翌朝にはしぼんでしまう花。ラベンダーのような甘い香りを放ちつつ,多くの虫たちに美味しいディナーを用意して待っていてくれるカラスウリ。お客様のスズメガには,花筒の奥深くにお目当てのフルコースが用意されている。このてんこもりの晩餐会に招待されるのは,どの虫でもOKというわけではない。長い筒でも問題なく蜜を吸うことができる,口の長いスズメガ様の予約席であるようだ。お料理は目で見て愛でるだけではなく,芳醇な香りもセットされており,五感を刺激することも大切なポイントである。均整のとれた星型と美しく広げられたレースの花模様が目印となり,今宵もあちこちで,虫たちの饗宴の世界となる。
●その2 したたかな仕事師
夏まではつるは上に向かい,秋のつるは下に向かって伸びて根を下ろす仕事師・・・カラスウリ。この時,葉の柄は180度向きを変えて上に向くのがおもしろい。春のつるは上に向いて他の物に巻きつくが,夏の終わりごろから下に向かい,地上に降りてくる変化多彩の業師でもある。地面につくと,つるの先端が地中にもぐり,根を出して小さなイモを作るという苦労人。晩秋に地上部は枯れるが,根は冬を越し,翌春にそこから芽を出し,つるを伸ばし葉を広げるという優れ者。