2.植物の世界
(12)野菜・果物も植物だ! おどろきの世界
(526)ミカンのひみつ その2
「ミカンの葉っぱって,とてもいいにおいがしますね。」
「どれどれ,ぼくも葉っぱを一つ取って,ちぎってみると・・・。あ! 本当だ。いいにおいですね。」
「そうだろう。自分の鼻でかいでみると,そのいいにおいがよく分かるね。五感を使って観察することは,とても大切なことなんだよ。」
「モンタ博士! このにおいは,ユズのお風呂のにおいと同じですね。」
「そうだね。ミカンもユズも同じなかまなんだよ。それでは,今度は,その葉っぱをお日様や蛍光灯など,明るいものに透かして見てごらん。何か気がつかないかな。」
「え,どうすればいいのかな。こういう感じでやればいいのですか。」
「そうだよ。何か見えるものはないかな。」
「ぼくにも見せてよ。あ! 葉っぱにとてもちっちゃい点々があるよ。」
「気がついたみたいだね。葉っぱにこのように小さな点々があれば,その植物は,ミカン科の植物ということなんだよ。これをね,油点というのさ。レモンもグレープフルーツもキンカンもナツミカンも,みんな葉っぱに油点の点々があるよ。よーく見るために,虫メガネを使うともっとよく見えるよ。」
「本当によく見えますね。大発見ですね。」
「そうだろう。虫メガネはね,『科学の目』だよ。1つおうちにあると,いろいろな物が観察できて楽しいよ。」
「そうだ。今度おうちの人に買ってもらおうっと。」
「今まで気がつかなかったことに気づくことは楽しいね。ところで,次にミカンの実そのものをよーく見てごらん。とくにミカンの表面だ。何か分からないかな。何か発見できないかな。」
「モンタ博士! 表面を見ると,なんだか凹凸していますね。」
「あ! それから,ミカンの実の表面にも小さな点々がたくさんあります。」
「モンタ博士! これも油点ですか。」
「ピンポーン。そのとおり。油点といったけど,正しくは精油のたまった油室という,油のお部屋みたいなものなんだ。」
「え! 油のお部屋ですか。」
「つまり,ミカンの皮をむくと,特有のかおりがするのは,この油のお部屋がやぶれてこわれるからなんだよ。それでいいにおいがするということさ。」
「へえー。そうなんですか。」
「モンタ博士! ちょっと待って。」
「ちゃんと待ってるよ。モンタ博士はどこにも行かないよ。」
「今,油点といったけど,『あぶら』の点ということは,もし,ひょっとして,油だったら・・・。」
「油だったら・・・。どうなるの。」
「油だったら,ひょっとして燃えるのではないですか。」
「ほほー。すばらしいことに気がついたね。その答えはまた今度ね。」