1.身近な自然の観察
(6)天文現象・自然現象・暦
(472)皆既月食
「え! 皆既月食?」
「3時間くらいの間に,月が細くなったり,太っちょになったりするって,本当ですか。」
「モンタ博士はウソつかないよ! 今日はお天気もいいみたいだし,最高の天体ショーが見られるだろうね。モンタ博士は,今からわくわくドキドキなんだよ。」
「ところで,皆既月食って,何ですか。」
「まずね,月は地球のまわりを回っているけど,地球と月と太陽が一直線にならんで,月が地球のかげにすっぽり入ると,皆既月食がおこるということなんだ。」
「つまり,絵をかくと,下のようになるということですか。」
「それぞれの大きさは,だいぶちがうけど,まあいいか。なお,日食は,月が太陽と地球の間に来て,太陽の光をさえぎってしまうことなんだよ。」
「皆既月食というのは,そんなにめずらしいことなんですか。」
「そうだね。この前の皆既月食は,2011年12月だったといわれているし,この次の皆既月食は,2015年4月4日,さらにその後は,2017年1月31日なんだ。」
「へえー,そうなんですか。でも,どうして,そんなにめずらしいのですか。」
「いろいろと理由はあると思うけど,太陽・地球・月のそれぞれの大きさや,それぞれの距離と関係していると思うよ。」
「具体的にどういうことですか。」
「まず,距離は地球と太陽では,1億5000万km,地球と月では,39万km離れているんだ。大きさでは,太陽を運動会で使った大玉とした場合,地球はビー玉くらいの大きさになるんだ。それから,バスケットボールを地球とした場合,月はテニスボールくらいの大きさだということさ。つまり,それだけ宇宙はめちゃくちゃに広くて大きいということなんだよ。」
「それじゃ,今夜は,何が何でも皆既月食を観察しなくちゃいけないですね。」
「それで,月食は今夜いつごろおこるのですか。」
「6時すぎから欠け始め,7時半から8時半ごろに皆既月食するんだよ。」
「その後は,どうなるのですか。」
「9時半ごろには,元のまん丸のお月様にもどるということさ。」
「ぼくたちもわくわくドキドキしてきたね。今夜は絶対に月を観察しよう。」
「そうしましょう。そうしましょう。」
「みんなが観察しやすいように,皆既月食観察メモを作ってみたよ。目じるしになるものをかいて,スケッチするといいね。」
「それから,これはおまけのお話だけど,皆既月食中の右側に天王星を見ることができるかもしれないよ。双眼鏡があればバッチリさ。」
「天王星?」