2.植物の世界
(11)おいしい植物の世界
(13)植物で健康シリーズ! 薬の世界
(451)チョコレートのお話 2
「うわあー! これは本物のカカオの実ですね。」
「これはモンタ博士の宝物なんだよ。この実の中は果肉と綿のようなものと種からできているんだ。」
「チョコレートの原料は,この種であるカカオ豆なんですね。」
「下の写真がカカオ豆なんだよ。昔は果肉と綿の部分を食べていて,種は捨てていたんだ。ところがある時,山火事でカカオ豆が焼けた時に,いいかおりと味がしたので,種も食べるようになったというわけさ。」
「なーるほど。そういうわけですか。よく分かりました。」
「今から数百年前のメキシコのある王国では,カカオ豆をくだいて,どろどろにしたものを飲んでいたそうよ。」
「え! 飲んでいた? ということは,チョコレートは初めは飲み物だったの。」
「そうよ。その後,大航海時代というのがあって,ヨーロッパのいろいろな国があちこちに出かけて,このカカオ豆を持ち帰り,そして,広まったというわけなんです。ちなみにそのころは,チョコレートではなく,ショコラトルとよばれていたそうよ。」
「その後,ヨーロッパのあちこちで,ナッツやバニラを入れたり,砂糖を入れたりして飲んだらしいよ。」
「このショコラトルという飲み物は,不老不死の薬にもなり,疲労回復やいろいろな病気にもよく効くといわれていたんだよ。」
「何にでもよく効く健康食品として,人々からとても貴重で価値あるものだといわれていたんだ。」
「それで,金や銀と同じように,カカオ豆はコインとして使われていたこともあるそうなんだ。ある資料によると,トマト1個=カカオ1つぶ,カボチャ1個=カカオ4つぶ,ウサギ一羽=カカオ10つぶと交換したとあったよ。」
「ふーん,そうなんだ。ところで,板チョコとして食べたのはいつからなの。」
「オー君。いいこと聞いてくれたわね。ここで,チョコレートの4大発明というのがあるんです。下にまとめたので見てください。」
発明のいろいろ |
国の名前 |
年代 |
発明の内容など |
ココア |
オランダ |
1828 |
カカオバターを取り除き,ココアを誕生させた。 |
固形チョコレート |
イギリス |
1847 |
カカオバターを加えペースト状にし,食べるチョコレートにした。 |
ミルクチョコレート |
スイス |
1875 |
ミルクを入れることにより,まろやかなチョコレートに変身させた。 |
コンチング |
スイス |
1880 |
カカオ豆を完全にすりつぶし,なめらかにクリームのように変身させた。 |
「さらに,チョコレートは,健康にとてもいい食べ物なんだよ。それを下にまとめたので見てください。」
ストレスをやわらげる |
カカオマス・ポリフェノールはイライラ感を抑え,疲労回復にとてもいい。 |
プレッシャーに打ち勝つ |
チョコレートを食べると,元気や意欲が出て仕事や勉強がはかどる。 |
アレルギーを防ぐ |
カカオマス・ポリフェノールは,いろいろなアレルギーを抑える働きがある。 |
若さを保つ |
体の酸化現象を抑え,老化を遅らせる働きがある。 |
美しさを保つ |
チョコレートに含まれる成分は,血管の若さを保つのによい。 |
便秘を防ぐ |
カカオ豆は15~20%が食物繊維なので,おなかにやさしい。 |
胃潰瘍を予防する |
胃の粘膜を守り,おなかの病気も予防してくれる働きがある。 |
コレステロール値を下げる |
血管をかたくしてしまうことなく,コレステロール値を下げる。 |
「いいことばっかりのチョコレート! いっぱい食べるぞ!」
「食べ過ぎはだめよ。では次回は,チョコレートのクイズをしましょう。」