東書キッズ

２．植物（しょくぶつ）の世界（せかい）
　（11）おいしい植物（しょくぶつ）の世界（せかい）
　（13）植物（しょくぶつ）で健康（けんこう）シリーズ！薬（くすり）の世界（せかい）

（452）チョコレートのお話（はなし）３

「かつて，『神様（かみさま）の飲（の）み物（もの）』とうたわれたチョコレートは，今（いま）も健康（けんこう）によいお菓子（かし）として，世界中（せかいじゅう）で愛（あい）されている食（た）べ物（もの）なんですね。」

「分（わ）かったよ。今日（きょう）はチョコレートクイズでしょ。早（はや）くやろうよ。」

「では，第（だい）１問（もん）。チョコレートを食（た）べると虫歯（むしば）になる？さあ，どうでしょう。」

「そうだね，当（あ）たっているかもしれないので，〇かな。」

「ブブー。正解（せいかい）は✕です。食（た）べたのがチョコレートだから虫歯（むしば）になったというのは，大（おお）きな誤解（ごかい）なのです。チョコレートの成分（せいぶん）には，虫歯を防（ふせ）ぐ働（はたら）きもあるんです。でも，食べ終（お）わったら，必（かなら）ず歯（は）をみがきましょう。どんな食べ物（もの）でも不衛生（ふえいせい）は虫歯の一番（いちばん）の原因（げんいん）です。」

「そうなんだ。なーるほど。では，第（だい）２問（もん）をよろしく。」

「チョコレートを食（た）べると太（ふと）る。〇か✕か。」

「チョコレートはあまいし，脂肪（しぼう）が多（おお）いから太（ふと）ると思（おも）います。」

「ブブー。これも✕です。さまざまな実験（じっけん）から，チョコレートに含（ふく）まれる脂肪（しぼう）成分（せいぶん）は，吸収（きゅうしゅう）されにくく，低（てい）カロリーでヘルシーだといわれています。」

「へえー，そうなんだ。それじゃ，朝（あさ）昼（ひる）晩（ばん）と３食（しょく）チョコレートもいいね。」

「こまったオー君（くん）ですね。食（た）べ物（もの）は何（なん）でも適量（てきりょう）にバランスよくがいいんです。第（だい）３問（もん）は，チョコレートを食べると鼻血（はなぢ）が出（で）る。〇か✕か。」

「よくいわれるもんな。だから，〇かな。」

「これも✕です。昔（むかし）からうわさのようにいわれていますが，何（なん）ら科学的（かがくてき）な根拠（こんきょ）はありません。だから✕です。第（だい）４問（もん）は，チョコレートを食（た）べると，にきびができるか。」

「それもよく聞（き）くので，〇かな。」

「ブブー。これもうわさだけのことのようで，科学的（かがくてき）な根拠（こんきょ）はありません。なので，答（こた）えは✕です。それでは最後（さいご）のクイズです。夜（よる）にチョコレートを食（た）べると眠（ねむ）れなくなる。〇でしょうか。✕でしょうか。」

「そうだ。聞（き）いたことあるぞ。これは✕だ。寝（ね）る前（まえ）には食（た）べてはいけないんです。」

「そうね。よく夜（よる）にコーヒーやお茶（ちゃ）を飲（の）むと眠（ねむ）れなくなったりしますが，これは，『カフェイン』という物質（ぶっしつ）が神経（しんけい）を興奮（こうふん）させるからです。チョコレートにも少量（しょうりょう）の『カフェイン』は含（ふく）まれていますが，反対（はんたい）に，気持（きも）ちを和（やわ）らげたり，神経を安定（あんてい）させたりする『テオブロミン』という物質がたくさん含まれているんです。ヨーロッパには寝（ね）る前（まえ）にチョコレートを食（た）べたり飲む習慣（しゅうかん）があるそうです。また，近年（きんねん）の研究（けんきゅう）では，チョコレートやココアが老人（ろうじん）のボケ予防（よぼう）を手助（てだす）けするという報告（ほうこく）もあるくらいなんです。」

清涼（せいりょう）飲料水（いんりょうすい）の原料（げんりょう）コラについて

　カカオノキと同（おな）じアオギリ科（か）にコラノキという有用（ゆうよう）植物（しょくぶつ）がある。コラノキは西（にし）アフリカ原産（げんさん）の常緑樹（じょうりょくじゅ）。幹（みき）はまっすぐに伸（の）び，高（たか）さが20メートルにもなる。果（か）実（じつ）は星（ほし）形（がた）で，中（なか）に８個（こ）のかたい扁（へん）球（きゅう）形（けい）の種（しゅ）子（し）がある。この生（なま）の種子を，原住民（げんじゅうみん）たちは古（ふる）くから咀嚼（そしゃく）嗜好品（しこうひん）として愛用（あいよう）していた。この種子にはカフェインの他（ほか）にコラニンというものを含（ふく）み，清（せい）涼（りょう）飲（いん）料（りょう）水（すい）の原（げん）料（りょう）に用（もち）いられている。正（ただ）しくはコーラではなくコラである。