2.植物の世界
(11)おいしい植物の世界
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(450)チョコレートのお話 1
「うわあー! おいしそうなチョコレートだ。いただきまーす。」
「あ! ちょっと待って! 食べる前にお勉強よ。」
「え? お勉強! 食べたいよー。」
「ちょっとがまん! いま,あちこちのコンビニ・駅やデパートでチョコレートが売られているのを知っていますか。」
「知ってるよ。バレンタインデーとかいうんでしょ。食べたいよー。」
「そうよ。日本中のチョコレートの半分がこの時期に売られるそうよ。」
「さすがは物知り花ちゃんだ。よく知ってるね。では,バレンタインって何のことかも知っているのかな。」
「もちろんですよ。バレンタインというのは人の名前で,ローマ時代の人で,その人が亡くなられた日なの。昔は亡くなられた2月14日のその日は死を悼む行事だったのですが,14世紀ごろから若い人たちが愛の告白をする日になったとか,春になり小鳥のさえずりも始まるので,愛の日にふさわしいといわれ,おくり物などをする日になったそうなんです。」
「なるほど。くわしいね。感心だね。でも,なぜチョコレートなの。」
「1958年2月にあるチョコレート会社がデパートで,『バレンタインセール』と手書きの看板を出したそうよ。その後,多くのことが関係して,『バレンタインデーにはチョコレート』ということになったそうよ。」
「へえー,そうなんだ。食べたいよー。」
「ところでオー君。チョコレートは何からできているか知ってる。」
「チョコレートはチョコレートでしょ。食べたいよー。」
「チョコレートはね,カカオの木の実から作るのよ。」
「へえー。物知り花ちゃんは,チョコレート博士みたいだね。」
「エッヘン,まかせてください。今から花ちゃん博士のお話のはじまりはじまりよ。カカオの木は学名で Theobroma cacao というのよ。テオブロマとは『神様の食べ物』という意味で,王様や貴族,お金持ちの人しか食べられなかった貴重な食べ物だったのよ。」
「ぼくはお金持ちじゃないけど,食べたいよー。」
「もう少し待ってね。カカオの木というのは,日本にはないのよ。」
「日本にはないの。それじゃどうするの。」
「カカオの木がどこで生産されているかも調べたんだね。感心だね。」
「もちろんです。まかせてください。カカオは,中南米や西アフリカ,東南アジアなど熱帯というあったかい所にある木なんです。」
「ふーん。熱帯の植物なんだ。」
「食べる前にここでクイズです。日本にはないカカオ豆は,もちろん外国から輸入していますが,日本がカカオの83%を輸入している国はどこでしょう。」
「うーん。分からない。」
「答えは,ガーナという国です。」
「ガーナ? そんな名前のチョコレートあったよね。食べたいよー,と思うけど,チョコレートのことが少しずつ分かってきたら楽しくなってきた。ところで,カカオの実と教えてくれたけど,どんな実なんですか。」
「カカオの実というのは,大きさが20センチくらいで・・・。」
「カカオの実なら,モンタ博士が本物を持っているから見せてあげるよ。」