2.植物の世界
(12)野菜・果物も植物だ! おどろきの世界
(443)くだもののお話 その4
「あ! 花ちゃん! その手に持っているのはミカンだ。ぼくにちょうだい。」
「だめです。これはお勉強のためのミカンです。」
「そんなことをいわないで。ミカンをいっしょに食べようよ。植物の観察には五感を使うことが大切だとモンタ博士も言ってるよ。」
「もう,まったくこまったオー君ね。何とかいってください。モンタ博士。」
「まあまあ,二人とも仲良くするんだよ。ところで,おいしいミカンかどうかを見分ける方法を知っているかな。」
「ハイ,分かります。みかんをむいてお口に入れて,うーん。こりゃあまいな,うまいな,こりゃもうちょっとだなといえばいいんでしょ。」
「そうじゃないよ。食べる前においしいミカンかどうかを見つける方法だよ。」
「そんな方法があるんですか。ぜひ知りたいです。ねえ,オー君。」
「そうだ,そうだ。そのとおり。食べる実験ならぼくにまかせとけ。」
「そうだね。おいしいミカンを見つける方法には,いくつかのポイントがあるんだ。まず,温州ミカンの場合,実が少し平べったいのがいいんだ。それに,もちろん色つやもよくないといけないね。」
「それから,それから。」
「次に,ミカンのまわりにボツボツの点があるだろう。これを油点とかいうけど,これが小さくてたくさんあるものがいいんだ。もちろん,皮はうすいものがうまいんだ。」
「それから,それから。」
「ふさの数も少なすぎずに,10~12個くらいあるのがいいらしい。そして,果肉,果汁が多くてあまく,程よくすっぱさがあるものがおいしいんだね。」
「いいことを聞いたわ。これからミカンを選ぶときの参考にします。ところで,私,疑問に思っていることがあるんです。それは,どうして,そんなにおいしいミカンなのに,昔から食べられていなかったのかということです。」
「そういえば温州ミカンは,明治時代から栽培されるようになったと教えてくれましたね。」
「それはね,温州ミカンは大きさ,味,皮のむきやすさなど,すぐれた点も多いけど,なぜか武士からはきらわれて,なかなか広まらなかったんだよ。しかし,武士の社会が終わり,明治時代になると品種改良も進み,よりおいしくなって,栽培する農家も増えたのさ。」
「なるほど。くだものの人気というのも,その時代を反映しているということですね。」
「温州ミカンは,日本国内生産第1位のくだもので,日本で最もたくさん食べられているんだ。また,温州ミカンは,原産地の名前をとって,『サツマオレンジ』といわれ,外国にも輸出されているほどなんだよ。」
ミカンについてのいろいろ雑学2・・・朝こそ果物を食べよう!
果物には,吸収しやすい成分でエネルギーのもとになる果糖,ブドウ糖がたくさん含まれています。朝起きてすぐに果物を食べることで,寝ている間に失われたエネルギーを効率よく補うことができます。果物のよい香りと甘酸っぱい味で,食欲が出るので,朝食もおいしく食べられます。また,果物には食物繊維が多く,腸の活動を促して便秘を解消する効果もあります。さらに,口臭を予防するカテキンなどの成分も入っていて,エチケットにも効果的と,朝の果物はいいことばかり。瑞々しい果物を食べて,元気よく一日をスタートしましょう。