2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(59)赤勝て! 白勝て! アカツメクサとシロツメクサの運動会
「赤の勝ちよ!」
「白の勝ちだよ!」
「絶対に勝ちます。負けません。何といっても赤が一番です。」
「そんなことないよ。白の方が強いんだ。明日はおいらたちのものだ。」
「二人ともどうしたの。けんかはいけないよ。仲良くしなくちゃね。」
「モンタ博士,明日は赤組の応援をお願いしますね。」
「ちがうよ。モンタ博士は白組の応援に来てくれるんだよね。」
「まあまあ,二人ともがんばってほしいね。ところで,赤とか白とか言っているけど,今,野原でも赤と白が競争しているよ。野原の運動会だね。」
「野原で運動会?」
「野原で赤と白が・・・,どういうことですか。」
シロツメクサ
アカツメクサ
「二人とも四つ葉のクローバー探しをしたことがあるだろう。あの植物を正しくはシロツメクサというんだよ。また,よく似た草で花が赤っぽいものをアカツメクサというのさ。別名をムラサキツメクサともいうけどね。」
「シロツメクサとアカツメクサか・・・,なるほどなるほど。」
「本当に運動会のように,二つの植物が競って生えているんですね。」
「両方ともよく似ているね。どんなところが似ているかな。」
「両方とも葉っぱが3枚ですね。」
「それから,花もよく似ているよ。小さな花がたくさん集まって大きな花になっているよ。」
「咲き終わった花は下にたれて,少しきたない感じの色になってるわ。」
「二人ともよく見つけるね。それじゃ,次はちがう点はどうかな。」
「草の高さがアカツメクサの方が少し高いみたいだね。」
「それに,葉っぱも大きさとか,表面の感じも違うわ。」
「それに何といっても,名前がちがうじゃん・・・なんてね。」
「オー君,ふざけないでね。」
「まあまあ,いいよいいよ。ところで,植物を観察するときに,どんな共通点があるか,そして,ちがう点はどんなところなのかをよーく見ることが大切だね。比較して大きさとか長さを数字にしてみるともっといいかもしれないね。これからも,けんかをしないで仲良く観察しようね。」
「はーい,分かりました。ところで,四つ葉のクローバーは幸せのシンボルって言うんだよね?」
「そのとおりよ。だから,私は四つ葉探しが大好きだわ。でも,ところで,四つ葉ってどうしてあるのかな。ふつうは3枚ですよね。」
緑といやしと・・・
昔の人は,読書や針仕事などで目が疲れると,庭の木々や草などの緑を見ては,目の疲れをいやしたそうである。緑の量といやされ感は正比例したのであろう。街路樹の緑が多ければ多いほどいやされ感が増すというのはいろいろな研究報告にも詳しく載せられているそうである。なお,視界の中の緑の量が30%以下になると,さつばつとした雰囲気になるそうである。