1.身近な自然の観察
(4)生物と日本人のかかわり
2.植物の世界
(9)わあ、楽しい!草花あそびの世界
(21)草笛あそび・草花あそび(緑とやすらぎについて)
「モンタ博士,校庭はいろいろな緑の木や,色とりどりの花がさいているわ。いっしょに見に行きましょう。」
「いいよ,いいよ,OKだよ。身近な自然を見るための初めの一歩は,校庭を歩くことだね。でもね,ただ何もしないでてくてくしていてはだめだよね。しっかりと,じっくりと,ていねいに見てみようよ。」
「それじゃ,今から学校中をてくてくだ。あ,モンタ博士,紙とボールペンを持っているけど,どうするの。」
「ただ歩いてもしょうがないだろう。どんな草や木,虫や鳥がいるかを記録するのさ。1年間続ければ,生き物カレンダーができるだろう。」
「学校農園の方に行くと,いろいろな花がさいているのよね。オー君。」
「それじゃ,畑の方に行くことにするかな。」
そんなわけで,みんなでてくてくと歩いて行ったとさ。すると・・・。
「あれ,ここに細長い葉っぱがあるだろう。これを,こうやって,5ミリくらいのはばにしてと,親指の第一関節と第二関節の間にはさんで,それから, 口にあてて,さーて,上手にいい音が出るかな。」
矢印のところに葉をはさむ
すると,あれ不思議,とってもいい音がしたとさ・・・。
「私もやってみるわ。どうするのかな。あれ? うまくいかないよ。」
「そういうのは,ぼくにまかせとけ。あれ? なかなか音が出ないぞ。モンタ博士,どうやるの。どうやるの。」
「いろいろとやってごらん。そのうちにいい音が出るはずだよ。何事もチャレンジが大切なのさ。あれこれとためしてみてごらん。」
「こういうのを草笛とか,草花遊びというんでしょ。」
「モンタ博士は上手ですね。」
「私も上手に音が出るようにこれからも練習するわ。」
「ぼくもだ。それにしてもむずかしいな。」
「あれ,むこうでだれかが四つ葉のクローバーを見つけたと言っているわ。」
「よし,行ってみよう。四つ葉のクローバーは幸せのシンボルというからね。」
「友達が何人か四つ葉のクローバーを見つけたみたいだ。ぼくも探すぞ。」
「でも,どうして四つ葉のクローバーというのがあるのかな。不思議だわ。」
「うん,そうだな。かんたんに答えを言う前に,四つ葉のクローバーというのは,どんな所にあるかを考えることが大事だよ。ちょっとむずかしいかな。」
「四つ葉のクローバー。正しくはシロツメクサでしょ。そういうのは知ってるけど。それから,ふつうは3枚の葉っぱなのよね。それがどうして?」
「四つ葉のクローバーというのはね。植物の成長点,かんたんに言うと,茎などがのびるところなんだけど,そこがふみつけられてできるものなのさ。」
「そうか。ふみあらしたり,きずがついたりして,ちょっと変わった形になることなのか。」
「奇形という言葉があるんだけど。まあ,そういうことだね。」
「それじゃ,四つ葉のクローバーというのは,自分でも作ることができるということですね。モンタ博士。」
「そうだよ。かまでかったり,おもいきりふむとできるんだ。四つ葉だけでなくて,五つ葉,六つ葉もできるそうだよ。最高は11枚もあったそうだよ。」
「なんだかおもしろくなってきたぞ,花ちゃん! 探そうぜ。」
「四つ葉を見つけるために,緑の葉っぱを見ることは,目にもよいからね。」
緑とやすらぎについて・・・
人は自然にやすらぎを求めるものだ。品田穣氏の著書『人と緑の空間』によると,安らぎ感の主役は木や草の緑だという。視界に入る緑の量が多ければ多いほど,人々の安らぎ感が増すということが調査で確かめられている。四つ葉を探すために緑を見れば,目も休まり,視力も良くなり,結果的に幸せになるのだろう。「四つ葉のクローバーは幸せのシンボル」とは正鵠を得ている。