【事例9】ウイルス感染(かんせん)

■コンピュータウイルスとは?

 コンピュータウイルスとは,あなたの知らない間にあなたのコンピュータに入りこんで悪さをするプログラムです。コンピュータウイルスがコンピュータに入りこむことを「感染(かんせん)する」といいます。コンピュータウイルスは,あなたが受け取った電子メールや,あなたが見たサイトに仕組まれていることがあります。
 コンピュータに感染したコンピュータウイルスは,あなたの知らないうちにコンピュータの中にある大事な情報を流出させたり,重要なファイルを消してコンピュータを動かなくしたり,ほかの人にコンピュータウイルスを送りつけたりといった「症状(しょうじょう)」を引きおこします。最近の調査では,コンピュータウイルスは,お金や情報をぬすむことを目的として作られていることが多いと報告されているようです。

■問題事例

 ある日のこと,A君は学校から帰ってきてパソコンの電源を入れました。すると,友達のB君からゲームの画像が入った電子メールが来ていました。
「なんだかおかしいなあ。どうして,Bはこんな画像をぼくに送ってきたのかな? まあ,いいか。」
 A君は,気にしないでそのままパソコンを使い続けました。
 しばらくして,家の電話が鳴りました。
「はい,もしもし?」
「Aさんのお(たく)ですか? こちらはインターネット接続会社(せつぞくかいしゃ)の○○です。少し前から,そちらのパソコンから,最近流行(りゅうこう)しているコンピュータウイルスが送信(そうしん)され続けています。できるだけ早く対応してください。」
「ええっ?」
 A君のパソコンは,知らないうちにコンピュータウイルスに感染してしまっていたようです。どうしてこんなことがおこってしまったんだろう?

■問題への対応

 落ち着いて,できるだけ早く対応することがかぎになります。パソコンからネットワークケーブルをぬいたり,モデムやルーターのスイッチを切ったりして,パソコンとインターネットとの接続を完全に切りましょう。その後,ウイルス対策ソフトを利用して,コンピュータウイルスを消しましょう。うっかりしていてウイルス対策ソフトを利用していない場合は,別のコンピュータで最新のウイルス対策ソフトをダウンロードして利用してもよいでしょう。最近は無料で利用できるウイルス対策ソフトもあるようです。
 対応策(たいおうさく)がよくわからない場合には,必ず大人(おとな)に相談しましょう。
 コンピュータから完全にコンピュータウイルスがいなくなるまでは,インターネットを使ってはいけません。

■あなたの対応

 まず,落ち着きましょう。感染してしまったことは仕方がありません。犯人(はんにん)さがしをしても無意味ですよ。それよりも,これ以上コンピュータウイルスを広めないために,ウイルス対策ソフトを使って,コンピュータウイルスを消してしまう方がはるかに重要です。もし,どうしたらいいかわからない場合は,必ず家の人や学校の先生に相談して対策を取りましょう。
 また,コンピュータを動かす基本的なソフトやウイルス対策ソフトは日々修正(ひびしゅうせい)され新しくなっています。これを常に最新版にしておくことが重要です。メールソフトなどのアプリケーションを,より安全性の高いといわれるものを利用することもよいでしょう。

■明日への対策

  • ウェブページからダウンロードしたファイルや,電子メールで送られてきたファイルは,ウイルス対策ソフトでコンピュータウイルスがかくれていないか(たし)かめてから開きましょう。
  • インターネット接続会社がウイルスチェックサービスを行っている場合もあります。利用を検討してもいいでしょう。
  • ソフトウェアやウイルス対策ソフトは常に最新版にしておきましょう。
  • 万が一のため,DVD-RやCD-Rなどに,データのバックアップ(データが消えてしまった時のための予備のデータをコピーすること)を定期的に取るようにしましょう。
<参考になるサイト>
小学生のための情報セキュリティ対策 ウイルスって何?(総務省(そうむしょう)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/security/enduser/shogaku04.htm
ウイルス対策7箇条(かじょう)
http://www.ipa.go.jp/security/antivirus/7kajonew.html
トレンドマイクロ インターネット脅威(きょうい) レポート
http://jp.trendmicro.com/jp/threat/monthlyreport/index.html
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