• （イ） 炎心の温度は300℃で，炎の中で最（もっと）も温度が低（ひく）くなります。
  
• （ロ） 内炎の温度は600℃で，外炎より温度は低いが炭素（たんそ）の粒（つぶ）が多（おお）く，最も明（あか）るくかがやきます。
  
• （ハ） 外炎は，炭素の粒が空気中（くうきちゅう）の酸素（さんそ）と結（むす）びつき（化合（かごう））やすく，激（はげ）しく燃（も）えるので最も高い温度になります。温度は1400℃です。
  

豆事典（まめじてん）【ろうそくの不思議（ふしぎ）】

　炎の先（さき）（外炎）ほど空気とたくさんふれるので，炭素が酸素と結びついて二酸化炭素（にさんかたんそ）になり，その部分（ぶぶん）が欠（か）けて見（み）えるので炎の先が細（ほそ）くなって見えるのです。
　また，炎の中（なか）ほど（内炎）は，ろうの気体（きたい）（炭素の粒）が光（ひか）りかがやいて，明（あか）るくなるのです。クリスマスの夜（よる）には，ろうそくの炎がどうなっているのかを，友達（ともだち）と話（はなし）をすると楽（たの）しいよ。

• （イ） 石灰（せっかい）水（すい）などの中性（ちゅうせい）の液を，たらしたときは変化（へんか）しません。
  
• （ロ） アンモニア水（すい）などのアルカリ性（せい）の液を混（ま）ぜると，黄色になります。
  
• （ハ） レモンじるは，酸性（さんせい）なので赤くなります。 ムラサキキャベツの葉（は）には，アントシアニンという物質（ぶっしつ）がふくまれていて，それが酸性，アルカリ性の物質に反応（はんのう）して赤（酸性），青（アルカリ性）の色に変化するのです。理科（りか）の実験（じっけん）で使（つか）うリトマス試験紙（しけんし）と同（おな）じです。
  

豆事典（まめじてん）【試験（しけん）液（えき）】

　リトマス試験紙（しけんし）はリトマスゴケから作（つく）られたもので，赤いリトマス紙はアルカリ性の物質に対（たい）して青くなるように作られています。青いリトマス紙はその逆（ぎゃく）で，酸性の物質に対して赤くなるように作られています。身近（みぢか）なところでは，果物（くだもの）の「ブドウ」などの皮（かわ）から試験液を作ることができます。ブドウの皮には，やはり「アントシアニン」と呼（よ）ばれる成分（せいぶん）が，ふくまれているのです。

☆☆☆　ムラサキキャベツの試験液を作って試（ため）してみよう
（作り方）
(1) ムラサキキャベツを細（こま）かくきざみ，ボウルに入（い）れる。
(2) (1)に，製氷（せいひょう）用（よう）の水（みず）を加（くわ）える。
(3) 電子（でんし）レンジに10分ほど入れて，熱（ねつ）を加える。
(4) うわずみ液をろ過（か）して，ペットボトルに保管（ほかん）する。

• （イ） 花火（はなび）の中（なか）の金属片（きんぞくへん）が，光（ひかり）の反射（はんしゃ）による色（いろ）の変化（へんか）だとするなら，花火が消（き）えたあとには，元（もと）の金属（きんぞく）が残（のこ）っているはずですが，実際（じっさい）には燃（も）えて気体（きたい）になったり，ちがった物質（ぶっしつ）になったりしています。
  
• （ロ） 花火の爆発（ばくはつ）によって，内部（ないぶ）の金属片が高温（こうおん）になり，電熱器（でんねつき）（ニクロム線（せん））のように金属片の色がいろいろに変化するのだとしたら，花火が消（き）えたあとには，元（もと）の金属が残っているはずです。実際には燃えて気体になったり，違（ちが）った物質になったりしています。
  
• （ハ） 金属を燃やすと，物質によってさまざまな色になって燃えるのが観察（かんさつ）できます。たとえば，食塩（しょくえん）や銅（どう）などはそれぞれオレンジ色，緑色（みどりいろ）になって燃えるのが観察できます。 打（う）ち上（あ）げ花火には，このような金属の性質（せいしつ）を利用（りよう）して，火薬（かやく）にいろいろな金属をまぜて燃やしているのです。
  

（動画）打ち上げ花火

☆やってみよう

　身近（みぢか）にある食塩（しょくえん）やホウ酸（さん）などを，右の図のような方法で燃（も）やしてみよう。炎（ほのお）は，それぞれどんな色になるだろうか。
（準備）携帯用（けいたいよう）ガスこんろ，鉄線（てっせん），食塩，ホウ酸など
（安全に注意）ただし，火傷（やけど）をしないように注意してね！また，必（かなら）ずおうちの大人（おとな）の人といっしょにやって，絶対（ぜったい）一人ではやらないでください。

　日常（にちじょう）使われている物体の重さは，科学（かがく）の世界では「 重量（じゅうりょう）（重さ）」と「質量」で使い分けされています。重量は「バネばかり」で，質量は「上皿（うわざら）てんびん」ではかることができます。

• （イ） 物体（ぶったい）を水（みず）の中（なか）にぶら下（さ）げると，それを支（ささ）える力（ちから）（上（うえ）に引（ひ）っぱる力（ちから））が小（ちい）さくてすみます。それは水中（すいちゅう）からおされる力（浮力（ふりょく））の分（ぶん）だけ，引っぱり上げる力（地球（ちきゅう）が物体を引っぱっている力〈引力（いんりょく）〉の向（む）きと反対（はんたい）の力）が少（すく）なくてすむためです。水中で物体が軽（かる）くなるのは，物体のそのものの重さ（質量（しつりょう））が変（か）わったためではなく，外（そと）からはたらく力（引力から浮力を差（さ）し引（ひ）いた力）が変わったため，重さ（重量）が軽（かる）く（小さく）なったのです。物体にはたらく力の大きさで決（き）まる重さ（重量）は，「バネばかり」のバネが物体の重さ（重量）の大きさによってのびる大きさが異（こと）なるので，それを利用（りよう）してはかることができます。
  
• （ロ） （イ）で述（の）べたように，水中であっても「質量」は変わりませんが，「重さ」は物体にはたらく力（浮力による力）によって変わります。ここでは，浮力のはたらく水中を取り上げていますが，場所（ばしょ）を地球（ちきゅう）から宇宙（うちゅう）に変え，月（つき）の表面（ひょうめん）で上皿（うわざら）てんびんを使って物体の重さ（質量）をはかったとすると，地球上ではかったときの質量と同じになるけれども，バネばかりを使ってはかった「重さ（重量）」は，地球（ちきゅう）ではかったときにくらべておよそ六分（ぶん）の一になります。それは，月（つき）の質量が地球にくらべて小さいため，物体を引っぱる力（物体にはたらく力＝引力（いんりょく））が小さくなるからなのです。
  
• （ハ） 水中での浮力や月面（げつめん）での引力など物体の外からの力が変わると，物体それ自身（じしん）の「質量」は変わりませんが，物体にかかる力が変わり，「重さ」が変わることになります。また，地球上でも山頂など高い場所と，平地の低い場所では，地球の中心（ちゅうしん）からの距離（きょり）が異（こと）なるため，引力の大きさが異（こと）なってきます。そのため物体の「質量」は変わりませんが，場所によって「重さ」がちがってくることになるのです。
  

豆事典（まめじてん）【引力（いんりょく）（万有（ばんゆう）引力（いんりょく））とは】

　引力は，物体と物体の間（あいだ）にはたらく力で，物体の質量と距離（きょり）によってその大きさが決まります。質量が大きいと引力は大きく，また，距離が大きいと逆（ぎゃく）に引力は小さくなります。このようなすべての物体にはたらく引力を「万有引力」といいます。19世紀のイギリスの科学者（かがくしゃ），ニュートンによって発見（はっけん）されました。

• （イ） 砂糖（さとう）は水（みず）にとけると目（め）に見えないくらい小さくなるだけで，砂糖水を蒸発（じょうはつ）させると，元（もと）の砂糖がすがたをあらわし，目に見えるようになります。もし，気体になって水の外に出てしまうとしたら，砂糖水はあまくないはずです。
  
• （ロ） 砂糖はとけると目に見えないくらい小さいつぶになって水にまざっているだけで，ちがった物質になったりしません。それは，水（みず）を蒸発（じょうはつ）させると，一度（いちど）は見えなくなった砂糖が目に見えるようになってもどってきます。このようなものを「混合物（こんごうぶつ）」といい，性質（せいしつ）のちがう物質（ぶっしつ）になったものは「化合物（かごうぶつ）」といいます。
  
• （ハ） 砂糖がとけると目に見えないくらい小さいつぶ（これを分子（ぶんし）といいます）になりますが，それでも砂糖のつぶ（分子）は水（みず）の分子（ぶんし）の10倍（ばい）の大（おお）きさなので，とけるときに砂糖の分子がたくさん集まったこい部分（ぶぶん）が光（ひかり）に反射（はんしゃ）したりして見えるのです。しばらくして全部（ぜんぶ）とけると，砂糖の分子が湯（ゆ）全体にちらばり見えなくなります。
  

（動画）砂糖が湯にとけるようす

豆事典（まめじてん）【分子とはなに？】

　身（み）の回（まわ）りの物質（ぶっしつ）はすべて原子（げんし）や分子（ぶんし）からできています。分子は物質をつくる最小（さいしょう）単位（たんい）でいくつかの原子からできています。ちなみに１滴（てき）の水（直径（ちょっけい）2mm（ミリメートル））は14×10²⁰（10の20乗（じょう）という）個（こ）の分子からできています。

• （イ），（ロ） 鉄（てつ）が燃（もえ）えるためには，酸素（さんそ）と絶（た）え間（ま）なく結（むす）びつく（結（むす）びつくと「酸化（さんか）鉄（てつ）」という別（べつ）の物質（ぶっしつ）になります）必要（ひつよう）があります。鉄びんなど鉄のかたまりは，毛（け）糸状（いとじょう）に巻（ま）きついて内部がすき間（ま）だらけのスチールウールにくらべると，酸素（空気（くうき））とふれるところがはるかに少（すく）ないため，酸素と絶（た）え間（ま）なくふれることができず燃（も）えることができません。たとえば，厚（あつ）い本（ほん）を火にくべても表面（ひょうめん）がこげるだけでなかなか燃えません。これを燃やすためには，本のページの中に棒（ぼう）を差（さ）しこんだりして紙（かみ）の間（あいだ）に空気（酸素）を送（おく）りこんであげないかぎり，よく燃えないのと同（おな）じ理由（りゆう）なのです。
  
• （ハ） 鉄を毛糸状にすると，鉄はかたまり状（じょう）のときよりも空気にふれる表面積（ひょうめんせき）が増（ふ）えた分（ぶん）だけ酸素と多（おお）くふれることができるようになり，はげしく燃えるようになります。これと同じように，昔（むかし）からある線香（せんこう）花火（はなび）に火がつくとパチパチと激（はげ）しく燃えだすのは，線香花火が鉄の小さなつぶ（粉末（ふんまつ））を固（かた）めてかたまり状（じょう）にしたものであって，鉄が細（こま）かいつぶになった分（ぶん）だけ空気（酸素）とふれる表面の面積（めんせき）が増（ふ）えて，酸素と結（むす）びつきやすくなったためなのです。
  

（動画）スチールウールを燃やす

豆事典（まめじてん）【燃焼（ねんしょう）と化学（かがく）変化（へんか）】

　たきぎを燃（も）やすときに，空気（酸素（さんそ））をふきつけると勢（いきお）いよく燃える（これを燃焼（ねんしょう）といいます）ように，鉄を毛（け）糸状（いとじょう）にしたスチールウールに空気をふきつけると激（はげ）しく燃えるようになります。それは鉄が空気中（くうきちゅう）の酸素と結（むす）びつき（これを鉄と酸素の化合（かごう）といい，化合の結果，鉄は「酸化（さんか）鉄（てつ）」という物質になります）やすくなったためなのです。物質が熱と光を出しながら酸素と結びつく（化合する）ことを「化学変化」といいます。