NO.88

コスモスのうす紅色の花

「あーあ、ヒガンバナのお花もお彼岸(ひがん)がすんだら、元気がなくなっちゃった感じね。」
「そう言えば、そうだね。」
「あーあ、つまんないな。もっとずっとさいていてほしかったのにな。」
「そう言えば、そうだね。」
「何よ、さっきから、そう言えば、そうだね、の連発でしょ。私のお話聞いてくれてるの。」
「そう言えば、そうだね。でもね、植物って、一年のうちで、とっても美しくさくというか、一番かがやくというか、そんな時が必ずあるんだね。」
「そう言えば、そうだね。オー君もなかなかいいことを言うね。そのとおりだ。ところで、ヒガンバナがさき終わって、次は、何がさき始めたかな。あちこちをきょろきょろ見回してごらん。きれいにさき始めたよ。」
「なんだろう。どんなお花かな?」
「きょろきょろと、てくてくしに行こうよ。」

「そうだね。てくてくもいいけど。ヒントはね、この歌さ。オンチだけど聞いて。

♪♪♪うすべにのコスモスが秋の日の 何気ないひだまりにゆれている
このごろ なみだもろくなった母が 庭先でひとつせきをする♪♪♪
「うわあー、ひでえオンチだ。もうやめて! やめて!」
「あんまり聞いたことのない歌ですね。だれの歌なんですか。」
「よく聞いてくれたね。この歌は、20世紀のちょう偉大(いだい)なスーパーアイドルの歌なんだよ。すばらしい歌だろう。」
「モンタ博士も、昔はアイドルにけっこうはまっていたんですね。でも、おいら、そのアイドルも知らないな。今でもテレビに出ているの。」
「残念ながら、もう引退(いんたい)してしまったんだけどね。それはそれはとってもステキな永遠のアイドルだったね。また会いたいねー。」
「モンタ博士、何だか、話がどんどんずれてしまうようですが……だいじょうぶ?」
「かんたんさ。コスモスの花をじっくりとよーく見てごらん。花びらは何まいかな。」
「おっといけない。それじゃ、今日は、コスモスの花を『科学』していこう。」
「科学するって、どうするの。」
「1,2,3,…8まいかな。あれ、真ん中に何かあるけど、何だ。」
「うすべに色の花びらと、真ん中に黄色い細かいのがあるわ。」
「二人に、タンポポの花のお話をしたことがあったっけ。」
「タンポポの花は、たくさんの花が集まっているというお話でしたね。」
「よくおぼえていたね。タンポポの花は黄色いベロみたいな花、これをむずかしい言葉で、舌(した)のようだから、舌状花(ぜつじょうか)というんだ。タンポポの場合は、舌状花ばかりでできているけど、コスモスはどうかな。」
「ちょっとちがうわ。コスモスは、キク科植物だけど、真ん中に何かあるわ。」
「そうだね。それじゃ、続きはまた次にしよう。」

キバナコスモス

 普通のコスモスとは別の種です。草の丈は低く、葉の切れ込みの幅が広いのが特徴。花は一重か舌状花が重なった半八重咲きです。名前はキバナコスモスだが、花の色は黄色、橙色、赤など変化に富みます。普通のコスモスにも黄色はありますが、これは、ピンクに黄色のすじが入った花から玉川大学農学部で改良されたものです。しかし、コスモスはやっぱり「うすべに色」が一番!だと思いますが……。


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