NO.70
オトシブミってなんだ?
「あれ? これ,何だろう。葉っぱがまいてあるみたいだわ。」
「これは,落とし文(おとしぶみ)というんだよ。この前,4年生に見せてもらったんだ。」
「『落とし文?』何だか変わった名前ですね。」
「4年生にいろいろと聞いてみようよ。何か教えてくれるかもしれないよ。」
「えっへん! おいらは4年生だ。落とし文のことなら何でも聞いておくれ。」
「どこで拾ったんですか?」
「この前,上川町の釜の沢(かまのさわ)のおくの雑木林(ぞうきばやし)におうちの人と散歩に行ったんだ。そしたら,あちこちに落ちていたというわけさ。」
「『落とし文』というのは,虫の名前であることは知っているけど,どうしてそういう名前になったのか,おいら知らないんだ。教えておくれよ。」
「あのね,くるくるにまかれたこの葉の形が昔の巻き文(まきぶみー好きな人に目につきやすいようにそっと落としておくラブレター)ににているから『落とし文』という名前になったのさ。」
「何であちこちに落としているのかな。」
「よく聞いてくれたね。ありがとう。あのね,この落とし文の中に,な,な,なんと,タマゴを産みつけているというわけさ。」
「どうやって産みつけるんですか。」
「それが,また,すごいサプライズなんだよ。お母さん虫は,大きな葉っぱとか,かたさとか,どの葉っぱに産みつけるかをしっかりとさがすんだ。そして,葉っぱを切ったりして,タマゴを産み,最後には葉っぱを丸めたまま地面に落としてしまうというわけさ。」
「地面にまいた葉っぱのままにしておくことが,てきから自分の体を守ることにもなるんだね。」
「本当にそうだね。まったく感心してしまうね。かんたんに葉っぱが広がらないように,葉っぱのふちを内がわにたたみこんだりするんだから,本当にすごいね。」
「本当におどろきです。サプライズです。」
「自分の体の何倍もあるような葉っぱをだれの力もかりずに,まいたり切ったりして,赤ちゃん(この場合,幼虫)のおうちまでつくってしまうんだからすごいね。 あ! モンタ博士だ!」
「みんな,よくお勉強しているね。 この写真は,開いた葉っぱだよ。 小さなタマゴが分かるかな。 それから,落とし文は, 『小さな森の大工さん』だね。」
たぶん、エゴツルクビオトシブミのたまごでしょう。
葉っぱを調べて、そういう結論になりました。
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