NO.67

女王バチってどんなハチ

花ちゃん 「うわあー! こわい。」
オー君 「ごめん,ごめん。おどかすつもりはなかったんだ。ごめんね。本当にごめんなさい。」
モンタ博士 「どうしたの? 何をそんなに大さわぎしているのかな? あれ,オオスズメバチだね。それも,これは女王バチだね。」
オー君 「すごいだろう。この前の日曜日にとったんだ。」
花ちゃん 「え! オー君がとったの。」
オー君 「おいらじゃないさ。榎田(えのきた)さんという人がいるんだけど,その人にとってもらったんだ。そうだよね,榎田さん!」
モンタ博士 「そうだよ。ぼくは,モンタ博士のお弟子さんでね,今年,小学校の先生になったんだ。よろしくね。みんなといっしょにてくてくできるので,もう,ちょう,うれしいのさ。イケメンの榎田さんとでもよんでもらおうかな。」
花ちゃん 「ふーん,そうなんだ。でもね,スズメバチはこわいハチなんでしょ。むやみやたらにとったりしないほうがいいんでしょ。けがしたらたいへんだわ。」
モンタ博士 「そうだね。ほんとうに注意しないといけないよ。気をつけようね。」
花ちゃん 「ところで,モンタ博士。女王バチって,どういうハチですか。」
モンタ博士 「今の季節,見られるアシナガバチやスズメバチは,ほとんどが女王バチなんだ。寒さから目を覚まし,巣をつくる場所をさがしているんだよ。」
花ちゃん 「それから,どうするんですか。」
モンタ博士 「まず,巣の場所を決めたら,巣をつくって,たまごを産む。それから,幼虫を育てるんだ。この幼虫がはたらきバチになるのさ。そして,次から次へとタマゴを産みつづける。そうやって,たくさんのはたらきバチがいろいろなはたらきをするんだよ。」
スズメバチ
オー君 「どんなはたらきをするんですか。」
モンタ博士 「そうだな。幼虫の えさをとってきた り,てきとたたか ったり,それから, 巣をつくったり, そうじもするね。 つまり,いろいろ な仕事を分け合っ てやっているそうなんだ。」
オー君 「ふーん。ハチって,みんな協力しているんですね。」

▼最も危険な野生動物

 ヒグマが人をおそったり,毒蛇のハブにかまれたりと,野外には危険な野生動物がいっぱいいます。その中でも最も怖いのがスズメバチです。スズメバチを見かけたら,無闇やたらと追いかけたりしてはいけません。じっとしていて,通り過ぎるのを待ちましょう。  ハチに刺されるととても痛いのは,針により蟻酸という酸が体に注入されるからです。そのため,弱アルカリ性の薄いアンモニア水をつけて中和させることが大切です。しかし,スズメバチなどの仲間は,タンパク質系の毒を持っているので,抗原抗体反応によりショック死する場合もあります。これは,人の体では,自分の体内で作られた以外のタンパク質が入ってくると,「異物」として拒否反応を示すからです。スズメバチに刺されても,それほどの痛みはありませんが,早めにお医者さんに行き,適切な治療をしてもらうことが大切です。

□

戻る    【てくてく自然散歩シリーズ】 トップへ戻る
copyrights