NO.63

クサノオウは黄色のマーカーペン(タンポポは白い液)

オー君 「あれ,この花,どこかで見たような気がするよ。」
花ちゃん 「この前の自然観察会の時に見たわ。」
オー君 「そうだ。思い出した。みんなで遊んだ草だ。」
花ちゃん 「そうね。みんなでサインペンみたいにして遊んだわ。とっても楽しかったわ。また,遊びたくなっちゃった。」
モンタ博士 「みんなはどんなことをして遊んだの?」
オー君 「ぼくは,へのへのもへじをかいたよ。マーカーペンのように,すらすらと書けるんだよね。」
花ちゃん 「私は,花の絵をかいたの。でも,不思議(ふしぎ)よね。茎(くき)を折っただけなのに,黄色いしるが出るなんて,とっても不思議。」
モンタ博士 「不思議だな。どうしてかな,と考えることが大切なことなんだよね。植物には,黄色いしるが出るものもあるし,白いしるが出る草もあちこちにあるよ。」
花ちゃん 「そうだ。私,思い出した。タンポポの笛をふこうとした時に, 葉っぱや茎を切ったら,白いしるが出たわ。」
オー君 「ふーん。おいらは虫が好きだけど,植物もけっこうおもしろいんだな。 植物って動かないからつまらないと思ったけど,いろいろとやってみると楽しいんだな。」
モンタ博士 「そうだよ。だから,植物はただ見るだけじゃなく,さわったり,折ったり,遊んだり,においをかいだりすると楽しいよ。」
花ちゃん 「ところで,モンタ博士。これは,何ていうお花。」
クサノオウ
クサノオウ
モンタ博士 「そうだね。みんななら,何という名前にする?」
オー君 「黄色いしるが出るし,ペンのようにかける から…,黄色サインペン草! なんてどうかな?」
モンタ博士 「いいね,おもしろいね。とくちょう をよくつかんでいていいね。」
花ちゃん 「白い毛ふわふわぺん草,なんてどうかしら?」
モンタ博士 「いいね,いいね!二人ともすばらしいよ。 大切なことは,名前を 覚えることではなくて, 植物と仲良しになることだよ。」
オー君 「植物は,無理して名前を覚えなくてもいいと聞いたら,おいら,気持ちが楽になっちゃった。ねえ,花ちゃん,いろいろなペン草を集めに行こうよ。」
花ちゃん 「うん! 行こう,行こう!」
てくてく

▼タンポポの白い汁は何のため?

 タンポポの茎や葉を切ると白い乳白色の液体が出る。これが指について,べとべとになったことのある人は多いと思う。しかし,これがなぜなのかはあまり知られていないようである。この乳液中には一種のゴム成分が含まれているせいである。では,この乳液がなぜ出るかというと,植物にとって,この成分は傷口を固めて保護すると同時に,葉を食べた小さい昆虫の口をべとつかせて防ぎ,さらなる摂食作用を妨げる防衛手段となっているのである。昔,ソビエトという国があり,この国の戦車のキャタピラには,タンポポの仲間の植物の乳液から作ったゴムが使われていたということである。

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