NO.50

花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ

□スイカズラの花のにおい(自然のかおりをキャッチしよう)

オー君 「あーあ,つまんねえな……。」
花ちゃん 「あーあ,雨がふっちゃった……。」
オー君 「運動会が中止になっちゃった。」
花ちゃん 「楽しみにしていたのにな……。」
モンタ博士 「まあまあ,そんなに落ちこむことはないよ。晴れの日もあれば,雨の日もあるさ。そういう時は,インターネットで東京書籍の『花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩』でも見るといいよ。」
オー君 「といってもな ……。」
花ちゃん 「モンタ博士,何かお話しして。」
モンタ博士 「それでは,今からはてなふくろ遊びをしようか。」
オー君 「はてなふくろ遊び?」
モンタ博士 「この前,ブラックボックスという,手を箱に入れて,何かを当てる遊びをしたよね。今日は,ふくろの中に鼻をつっこんで,においをかいで中のものを当てる遊びだよ。さて,どんなものが中に入っているのかな。」
オー君 「なるほど,それは楽しそうだ。おいらからにおいをかいでみるね。クンクン。何だか犬になったみたいだな。ありゃ,こりゃ,何のにおいだ。」
花ちゃん 「私もにおいをかいでみるわ……。クンクン。あ! これはスイカズラだわ。」
モンタ博士 「そのとおり。大当たり。」
  くず
スイカズラ
オー君 「え! 何? スイカとカツラがどうしたって。」
花ちゃん 「ちがうわよ。スイカズラよ。スイカズラのスイはにおいをすうという意味で,カズラというのは,からみつく植物という意味ですよね。」
モンタ博士 「さすがだね。そのとおりだね。」
オー君 「もう一度においをかいでみよう。クンクン。なかなかいいにおいだな。」
モンタ博士 「花のにおいや草のかおり,そういう物を敏感(びんかん)に感じとれることが大切なんだよ。季節を花のかおりで感じとれるなんてステキなことだと思うよ。カレンダーで季節を知るのではなく,光や風の様子,その他,自然の発するいろいろなシグナルに反応できる子になってほしいね。」
花ちゃん 「モンタ博士,学校の近くにもまだまだたくさんのスイカズラがありますよね。」
モンタ博士 「もちろんあるさ。見つけたら,モンタ博士に教えてほしいね。」
オー君 「ところで,モンタ博士。どうして花はにおいがするのか,おいら一生懸命に考えたんだけど,それは,やっぱり虫と何か関係あるんでしょ。」
モンタ博士 「そのとおりだね。これからの季節は,においの強い植物が多くの花をさかせるね。」
花ちゃん 「え! モンタ博士,今,何て言ったの。これからの季節?」
オー君 「これからの季節に,どうしてそんなににおいのする花が多くなるの。」
モンタ博士 「それはね,どうしてかというとね。ヒントは夏と雨だね。」
オー君 「えー! それってどういうこと?」
モンタ博士 「それは,夏になると気温がどうなるか。雨が降ると湿度がどうなるかを考えればいいのさ。」
花ちゃん 「そうか,においというのは,高い温度のほうがよくにおうということだわ。」
オー君 「そうか,においというのは,湿り気が高いほうがよくにおうということだ。そうか,これからいよいよ虫たちの季節になるぞ。さあ,昆虫採集するぞ。」
  スイカズラ
スイカズラ

▼スイカズラのつぶやき

 私はスイカズラよ。葉っぱのつけねに花を二つずつつけるのよ。私は,とっても変わっ た特徴(とくちょう)を持っているのよ。どういうことかというと,花の色がさき始めと終わりではちがうの。初めは白だけど,だんだん黄色っぽくなるの。それで,私のことを金銀花(きんぎんか)という人もいるのよ。花の色が変化するなんて,アジサイにちょっと似ているでしょ。花どきにあまいかおりを辺りに漂(ただよ)わすのよ。それも夜の方がよくかおるわ。花を一つとって口にふくんでみて。あまいみつの味がするでしょ。それで,スイカズラともいわれるのよ。私は別名を忍冬(にんどう)ともいうの。なぜかというとね,冬も半常緑で葉を丸めて冬を越すからなのよ。私の友達にツキヌキニンドウという園芸植物があるけれど,美しさや気品あるかおりは私のほうが,そりゃ,ずっと勝っているんですからね。


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