NO.49

花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ

□タンポポの不思議

花ちゃん 「うーん,わかんない。どうしてかな。なぜだろう。私の目がおかしいのかな。」
オー君 「花ちゃん,どうしたの。何をそんなに悩んでいるの。考えているの。」
花ちゃん 「あのね,私ね,不思議というか,わかんないんだけど。この前ね,タンポポの花がたくさん咲いていたでしょ。その後ね,綿毛になったでしょ。そこでね,疑問に思ったことがあるの。」
オー君 「だから,どうしたというの。」
花ちゃん 「タンポポの花がさいていた時は,タンポポがとっても地面に近くにさいていたでしょ。ところが,綿毛になったら,何だか,タンポポの背が伸びたみたいなの。」
モンタ博士 何でだろう「何,何,今なんと言ったの。タンポポの背が伸びたことに気がついたのか。それはすばらしいね。すごい発見だよ。さらに,それが,どうしてなのか。♪何でだろう,何でだろう,何でだ,何でだろう♪と考えなやんだことはもっとすばらしいことなんど。」
花ちゃん 「だって,本当にそう思ったんだもん。」
モンタ博士 「どこにでもあるタンポポ。幼稚園(ようちえん)の子だってみんな知ってるタンポポ。ありふれた平凡(へいぼん)なタンポポ。それをあたりまえと見てやめてしまうのではなく,よく目をこらしてじっくりと観察したね。花ちゃんもモンタ博士といっしょにいろいろなことをお勉強しているうちに,観察力がどんどんついてきたね。モンタ博士は,もうなみだが出るくらいうれしいな。」
  と,突然(とつぜん),オー君がダッシュして校庭にある綿毛のタンポポをひっこぬいてきて一言。
オー君 「本当だ。この前,みんなで笛をふいたけど,その時とくらべると,たしかに少し背が伸びているな。♪何でだろう,何でだろう,何でだ,何でだろう♪」
  たんぽぽ
モンタ博士 「それはね,つまり上の絵を見れば分かるけど,まず,タンポポのAのつぼみからBのつぼみへと伸びるんだ。そして,さらに,くきを伸ばしてCの位置で花を咲かせるんだ。タンポポは2〜3日,花を閉じたり開いたりするんだ。その後,花が終わると一度は地面にたおれるんだよ。それからが秘密なんだ。たおれたタンポポはくきを伸ばして,また起き上がってDの位置まで伸びるんだ。だから,背が伸びたように見えるんだよ。ところで,ここで大切なことなんだけど,どうしてそんなことをタンポポはするんだろうね。」
オー君 「きっと背を伸ばした方が,何か都合がいいんじゃないかな。」
モンタ博士 「そのとおりだね。だんだんいいところに気がついてきたようだね。」
花ちゃん 「花はなぜさくのかと言えば,人を喜ばせるためではないわ。子孫を増やすためよね。それと,何か関係がありそうですね。」
オー君 「そうか,分かったぞ。背を高くした方が,種をより遠くへ飛ばせるからだ。」
  カントウタンポポ
カントウタンポポ

セイヨウタンポポ
セイヨウタンポポ

▼タンポポの綿毛高さチャンピオンを作るには・・・

 タンポポの綿毛をより遠くへ飛ばすために,より高く花の茎(くき)を伸ばすことが必要である。長い花茎探(かけいさが)しなどの活動を行う場合もあるが,ここで注意してほしいことは,花茎の長さは,周りの環境(かんきょう)との関係からより高く伸びるということである。周りに背の高い雑草やへいがある場合には,必ず高くなるであろう。その反対に周りがよく刈り込まれている所などは,それほどの高さにはならない。また,背の高いタンポポの出現は,その地域の自然度とはまったく関係がないということを付記しておく。


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