NO.230

マンサクの花っておもしろい!

「あたたかくなったり・・・・・・。」
「寒くなったり・・・・・・、いそがしいね。」
「こういうのを三寒四温(さんかんしおん)というんだよ。」
「一週間のうち、三日寒くて、四日あたたかいということですね。」
「啓蟄(けいちつ)も終わって、いよいよ春になるんですね。」
「てくてくの楽しい季節(きせつ)になりますね。」
「ところで、上の花は何ていうのかな。」
「黄色い花びらが、黄色いリボンや紙テープのようですね。」
「これはね、マンサクというお花なんだよ。」
「え! これが、マンサクというお花ですか。わたし、名前だけは聞いたことはあるんです。」
「モンタ博士のおうちの近くにね、高尾山(たかおさん)ほど有名ではないけど、今熊山(いまくまさん)という低(ひく)い山があるんだ。そこには、たくさんのマンサクがあってね、毎年見に行くんだよ。」
「え! モンタ博士、また一人で行っちゃって、ずるいよ。おいらも行きたかったな。」
「ごめん、ごめん。また今度つれてってあげるよ。」
「マンサクのお花・・・・・・、見たかったなあ。」
「マンサクなんて、おもしろい名前だなー。」
「いろいろ言われているけどね。山の木がまだかたい冬芽(ふゆめ)をもっているのに、春一番に早くさく木の花で、『まずさく』という言葉からきているらしいよ。」
「何だよ、だじゃれみたいだ。」
「黄色の花びらは4枚で、ほんとうにリボンみたいな花びらでかわいいのよ。」
「あざやかできれいな黄色の花か。おいら気に入った。見てみたいなー。」
「それから、とてもきれいにさくので、満開(まんかい−花が最高にさくこと)のようすを秋の田んぼの豊年満作(ほうねんまんさく―ゆたかに実ること)にたとえて、それで、満作とも言われているんだよ。」
「おいら、今熊山に登って、マンサクを見に行きたくなっちゃった。」
「今熊山という山はマンサクがとても多い山なんだ。他にもみんなのおうちの近くの山に登ってごらん。きっと、マンサクの花もさいているよ。」

今熊山(いまくまさん)

 高尾山・陣場山に比べると、それほど有名な山ではないが、武州今熊山と言われ、山麓と頂上に神社があり、山岳信仰として歴史の古い山である。南ルートはスギやヒノキなどの植林地が多く、北ルートは山麓から落葉広葉樹林が広がっており、樹種も多様性に富んでいる。マンサクが多く見られるのは北ルート。途中に金剛の滝に下りる道があり、滝周辺は夏などに涼を楽しめる。また、近くには五日市の名刹広徳寺もあり、秋には大きなイチョウが色づきみごと。山麓周辺は江戸時代からの経済林としてのコナラ・クヌギ林が広がっている。頂上付近は神社の聖地にふさわしく、照葉樹林が見られ、幹回り50cmを超えるツクバネガシなどが林立している。最近、頂上付近の木を伐採し、見晴らしもよくなり、遠く新宿の高層ビルやスカイツリーも眼下に見下ろせる。春・秋などハイキングとしては手ごろな山である。標高は505メートル。


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