NO.214

水鳥はどうして水に浮くのか?

「ねえねえ、オー君。わたし、とてもふしぎに思うんだけど、どうしてカモって、水の中にいるんだろうね。」
「ふーむ。そりゃ、むずかしい問題だ。水の中にいるから水鳥なんだけど……。」
「二人ともいいところに気がついたね。水の中にいるから水鳥ってかんたんに決めつけないで、『なぜか? どうしてか?』と考えることはとても大切なことだね。しっかりとじっくりと、カモたちの動きをよく見ていてごらん。観察(かんさつ)してごらん。そのうちにそのひみつが分かると思うよ。」
「えっ! どうして、どうしてだろう?」
「えっ! どうして、どうしてだろう? モンタ博士がよくカモの動きを見てごらんと言ったよね。さあ! 花ちゃん。ふしぎ大発見にチャレンジしよう!」
「そうね。ふしぎ大発見にチャレンジしましょう!」
「モンタ博士がしっかりとじっくりと見てごらん、と言ったよね。」
「そうね。何か発見できるわよ。よーくよーく観察してみましょう。」
「二人とも、水鳥がなぜ水の中にいるか、ということにぎもんをもったことは、とても大切なことなんだ。単純(たんじゅん)なことでも、あたりまえのことでも、どうしてかとふしぎに思う心が大切なんだ。そこから、科学は進歩するのさ。」
「あれ! 今、マガモがくちばしを体の後ろの方に持っていったぞ。」
「そうね。首の運動でもしているのかな。あ! また同じことをやったよ。」
「二人とも、よくそこまで観察したね。あれはね、羽づくろいといって、羽を整えているのさ。そして、水鳥はとくにその時に、尾っぽのところから出ているあぶらを体にぬっているんだよ。もう、答えは分かっただろう。」
「なぞはすべてとけた。そーだったのか。あぶらを羽にぬれば……。」
「分かった。あぶらを羽にぬれば、水にうきやすくなるんだわ。水鳥はそうやって、水の中で生活しやすいようにしているんだわ。」
「むずかしい言葉でね、尾脂腺(びしせん)というんだけど、そこから、あぶらを体の羽のあちこちにぬっているんだよ。水鳥は尾脂腺というのがとくによく発達(はったつ)しているのさ。ふつうの鳥は水の中でおぼれちゃうかもね。カルガモの羽を拾ったんだけど、水をつけてごらん。おもしろいよ。」
「あ!!! この羽、水をはじいているわ。おもしろい。」
「あたりまえのことでも、観察や実験(じっけん)をすることが大切だね。よーくよーく考えるとおもしろいね。これからもいろいろな観察や実験にチャレンジしよう。」

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