NO.213

鳥の羽の形のちがいのあれこれ 2

「モンタ博士! 『てくてく自然散歩』のNo.212で、鳥の羽について、右の羽か左の羽かは、ひと目見れば分かるといったけど……、本当なんですか。おいら、そこが知りたいな。」
「そうそう。何でそんなことが分かるんですか。」
「それが分かるんだよね。下の写真を見てごらん。」
「えーと、この前のモンタ博士のお話からすると……、これは、羽のすじがまん中にはないから、尾(お)っぽの羽ではないな。」
「えーと、この前のモンタ博士のお話からすると……、これは、ふわふわの羽でないから、胸(むね)やおなかの羽ではないですね。」
「ということは、これは、風切り羽(かざきりばね)というつばさの羽だ。でも、どうして、右とか左とか分かるの。」
「写真の、左の羽は左のつばさについていたもの、右の羽は右のつばさについていたものなんだよ。つまり、せまいほうが前になるんだ。横から見ると分かりやすいかな……。」
「なるほど……。これって、飛行機(ひこうき)のつばさと同じだね。」
「え! オー君。どういうことなの。」
「つまりさ。横から見ると、少しふくらんだところが前になるようになっているんだよ。だから、飛行機と同じというわけさ。」
「それで、鳥や飛行機は空を飛べるようになっているのさ。」
「うーん。まだよく分からないわ。」
「ここからがちょいとむずかしいけど、絵をよく見てごらん。左は飛行機の絵で、点線のところのつばさをたてに切ったものが、右の図なんだ。つばさのまわりを空気が流れると、飛行機を持ち上げる力が生まれるのさ。」
「それって、どういうことですか。」
「つまり、つばさの上の方は、空気の流れが速くて、気圧(きあつ)というものが低(ひく)くなり、つばさをすい上げようとするのさ。」
「それで……。」
「それで、下の方は、空気の流れがおそく、気圧が高くなり、つばさをおし上げようとするのさ。それで、飛行機は飛ぶということなんだ。」
「むずかしいお話をしてごめんね。あ! そうだ。むずかしいお話よりも実験をしてみることが、みんなにはよく分かりやすいかな。あのさ、この前、お話しした3種類の羽をね、投げてみるといいよ。」
「なるほど、むずかしいお話より、自分の目で確かめほうがよく分かるぞ。」
「そうね。楽しそうですね。それで、どうやるんですか。」
「胸の羽、尾っぽの羽、つばさの羽を投げてみるんだよ。」
「風切り羽というのは、少しそっているだろう。だから、飛行機と同じだね。というようりも、飛行機は鳥の羽をよく観察して今の形になったんだね。自然界のすがたから、人間はいろいろなことに気づき、それを生活に生かし、文化や文明を発達(はったつ)させてきたというわけだね。」

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