NO.211

サワガニのお話−きれいな水と自然

「見て見て、モンタ博士! こんなカニがいたんだよ!」
「かわいいカニだね!【写真をパチリ】それでは、カニのお話については、フッタ博士よろしく!」
「はい。これはサワガニだね。きれいな水の流れる小川や山の中にいるよ。」
「ゆでる前から赤いけれど、食べられるの?
「寄生虫(きせいちゅう)がいることがあるので、なまで食べてはいけないのよ。からあげ料理が有名ね。それから、サワガニは、すんでいるちいきによって、体の色がちがうことがあるんだ。こうらが青っぽくて足が白いサワガニを伊豆(いず)で見たことがあるよ。
「図鑑(ずかん)に『雑食性(ざっしょくせい)』って書いてあるけど、何を食べるんですか?」
「飼(か)うときには金魚のえさでだいじょうぶ。野菜(やさい)くずやごはんつぶも食べるよ。水のよごれに弱いから、食べのこしはそうじして、まめに水をかえましょう。山の中では歩きながらミミズを食べたりしているね。」
「えっ! 水からはなれて歩くんですか? このあいだ『真水にすむサワガニはたまごの中で育って、いきなり親のミニチュアで生まれてくる。』って言ってましたけど、たまごはどこにうむのかな? 水の中? 土の中?」
「子ガニがかえるまでメスが自分のおなかにかかえているんだ。おなかといっても、エビのしっぽにあたる部分をおり曲げたところで、『カニのふんどし』とよぶ。大きさ2mmくらいのイクラのようなきれいなたまごを数十こ。しばらく親子でくらすようだよ。」
「女もつらいよ……。それにふんどしって、昔の下着でしょ!? やだぁ!」
「サワガニのオス・メスは、はさみの大きさで見分けるというけれど、カニをうら返して見るとふんどしの形で区別(くべつ)できる。たまごをかかえるためにメスの方が大きい。」
「カニをつかまえたとき、足がとれてしまったことがあるけれど、また生えてくるのかな?」
「脱皮(だっぴ−からをぬいで大きくなる)するときに生えてくるみたいだよ。トカゲのしっぽみたいに、敵(てき)におそわれると自分から足を切るらしいんだ。」
「図鑑には『カワセミやサギなどの鳥、イノシシやイタチなどに食べられる』と書いてあるわ。」
「生き物はそうやって食べたり食べられたりしながら自然の中でくらしている。ふつうのカニは海にた〜くさんのたまごをばらまいて、あとはほったらかし。サワガニは、少なくうんで大切に育てるタイプなんだ。サワガニはきれいな水とゆたかな自然のシンボル。みんなも大切にしようね!」
「は〜い。分かりました。」
「はーい。ありがとうございました。」

戻る    【てくてく自然散歩シリーズ】 トップへ戻る
copyrights