NO.149

カナムグラもくっつき葉っぱ

「花ちゃん。ぼくのTシャツ見て、見て見て。」
「あれ? 何かついているわ。」
「かっこいいだろう。葉っぱのワッペンなんだ。」
「うわあー、いいなあ。私もつけたいなー。ところで、何の葉っぱなの、見せて。」
「え! 名前なんか知らないよ。ただ、葉っぱをとって、Tシャツにつけたら、よくくっついたんだ。」
「どれどれ、見せてちょうだい。あ! これは、ひょっとしてカナムグラの葉っぱかしら。モンタ博士、どうですか。」
「そうだね。カナムグラの葉っぱでまちがいないね。今、あちこちの林のまわりや、やぶなどによく見られる葉っぱだね。」
「カナモグラ? モグラがどうかしたの?」
「カナモグラではありません。カナムグラです。」
「カナムグラ? はじめて聞く名前だな。」
「カナムグラのカナとは、漢字で金(かね)という意味で、つるがじょうぶなのよ。」
「ムグラっていうのは何なの。」
「ムグラって、漢字で葎(むぐら)と書くの。雑草(ざっそう)などがおいしげったようすを言うのよ。」
「葉っぱや茎(くき)に小さなトゲトゲがあって、あちこちにからみついて、のびていく草なんだ。雑草ということで、いやがられる草だけど、植物の名前には、それなりの意味がちゃんとあるんだね。さあ、みんなでカナムグラの葉っぱのワッペンをくっつけて遊ぼう。」

カナムグラとビールの関係

 アサ科の植物。花といっても地味な緑色で、道端や荒れ地などに生えるつる植物としてその存在はあまり歓迎されないようである。おまけに、茎や葉には、下向きのトゲがあり他の木や草にからみついてしまう。しかし、同じ仲間のホップ(セイヨウカラハナソウ)は、ビールの香りや苦みなどのもととなり、古くから利用されており、日本でも、北海道や東北地方などで栽培されている。


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