NO.134

コオイムシとともに登場,フッタ博士

「かわった虫だったね。あんなのはじめて見たよ。」
「そうね。せなかに丸くて小さいものをいっぱいつけていたわ。」
「丸くて小さいものって,たまごじゃないのかな。」
「本当の名前を知りたいわね。あ! そうだ。こんな時は,モンタ博士に聞いてみましょう。モンタ博士なら何でも知ってるよ。」
  ということで,モンタ博士に聞きにいったのですが……。
「うーむ。なんて言ったかな? タガメの仲間(なかま)で,カメムシの仲間で……。」
「そういえば,ヤゴといっしょに入れておいたら,ヤゴの体液(たいえき)をすっていたよ。やっぱりカメムシの仲間だ。」
「でも,あんまりくさくなかったしな……。なんていう名前の虫なのかな?」
「こまったね。あ! そうだ。こんな時は,『フッタ博士』に相談(そうだん)しよう。」
「フッタ博士? だれですか。その人は……。」
「モンタ博士のお友だちさ。昆虫(こんちゅう)のことなら,何でも知っているんだ。すごい博士だよ。おーい,フッタ博士。教えてくださーい。」
「はーい,みなさん,こんにちは。はじめまして,フッタ博士といいます。」
「それで,せなかにたまごのある虫だって! それはたぶん……,コオイムシだよ。」
「コオイムシ? なんですか。それは……。」
「たまご,つまり,子どもをおんぶしているようなので,それで,背負い虫(せおいむし)というのさ。へえー,それにしてもめずらしい虫を見つけたね。さすがは上川だね。すごいね。1年生にも見せてあげようよ。」
「そうですね。みんなで見せに行きましょう。」
「1年生のみなさん。おもしろい虫を見せてあげるわね。自分たちで名前をつけてごらん。楽しいよ。」
「へえー,へんなの……。丸い小さなものがついているからプチプチ虫だ。」
「ちがうよ。タラコみたいだろう。だから,タラコ虫だ。」
「もっと,かわいいお名前にしようよ。丸いプチプチが少し光っているし,イクラみたいだから……,イクラチャン虫なんてどうかなあ。」
「ねえねえ,たまごがたくさんあるよ。みんなで数えてみようよ。」
「そうね。どうやって,数えようか。
「たくさんあるから,分かんなくなっちゃうよ……。」
「こまったな……。」
「そのために,写真にとって,大きくコピーしておいたよ。」
「10ずつまとめるといいんだな。せーの。1・2・3……。」
「わーい。みんなで65このたまごがありました。」

コオイムシのつぶやき

私はコオイムシのお母さんよ。私がお父さんの背中に卵を産みつけるというわけね。お父さんが卵を背負っているように見えるため,「子負い虫」という名前になったそうなの。また,お父さんが子守りをしているように見えるので,「子守り虫」ともいうそうです。4〜6月ごろに,50〜100個ほどの卵を産みつけます。私は,産卵が終わると泳ぎ去り,ちょいとお散歩などに出かけるんだけど,お父さんがえらいのよ。卵の呼吸の世話をしたり,外敵から守ったりしてくれるんです。だから,いつもお父さんには感謝しています。
どんな所に住んでいるかというと,田んぼのように浅く,植物の多く生える所が好きなの。でも,最近困ったことに,農薬がたくさん使われたり,水たまりの水草などがへってきているので,仲間が少なくなっているのが残念ね。


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