NO.128

不思議なもようは?

「これから,よいこの花ちゃんに,クイズを出すね。さあ,一生けんめいに考えておくれよな。」
「うわあー,楽しそうだわ。」
「さて,はじめのクイズだ。上のもようは何だか分かるかい。」
「何だろう? どっかで見たけどな。」
「ヒントだよ。上のもようはね,だれかの足あとみたいなものさ。」
「だれかの足あと?」
「あらら,まちがえた。足あとでなくて,食べあとさ。」
「食べあと? 何を食べたの。」
「あのね,草や葉っぱがすきなやつなんだ。これは,橋やガードレールなどにある緑色の『コケ』を食べたあとなのさ。おもしろい形をしているだろう。」
「ふーむ。そうなんだ。」
「次のクイズにいくよ。あのね,こいつはね,しめった場所が大すきだけど,もし,こいつを飼(か)うときに,ぜったい必要(ひつよう)なものって,なーんだ?」
「ぜったい必要なもの? 何だろう……。食べ物はもちろんだけど……。」
「それはね,たまごのからや貝なんだ。」
「たまごのから? 貝?」
「こいつらはね,からを持っているだろう。その栄養(えいよう)になるからさ。」
「ふーむ。そうなんだ。」
「次のクイズだぞ。この仲間(なかま)にナメクジがいるけど,大人のカタツムリと子どものカタツムリを見分けるのは,どうすればいいのだろう。こりゃ,むずかしいよ。」
「小さいのが子どものカタツムリ,ですか?」
「あのね,カタツムリの貝のはじっこをよく見てごらん。そこがめくれていれば,大人のカタツムリなのさ。」
「ふーむ,そうなんだ。それじゃ,どんなに小さくてもめくれていれば,それは大人のカタツムリというわけね。今度ゆっくりと見てみるわ。」
「そうなんだよ。カタツムリの仲間はね,昆虫(こんちゅう)と同じようにとても小さいもの,たとえば,数ミリ以下のものがたくさんいるんだよ。」
「へえー,そうなんだ。それじゃ,こんどわたし,小さいカタツムリをさがしてみよっと。」
「それじゃ,花ちゃんに最後のクイズだよ。カタツムリを見つけてくれたのは,雨の後だったよね。それじゃ,晴れている時は,どこにいるんだろう。」
「どこだろう。今度,晴れている時にもさがすわね。」
「そうだね。また,おいらたちを見つけてくれよ。それから,遊んだり,世話をしてくれたあとは,手をあらおうね。」

ナメクジのつぶやき

おいらたちナメクジはカタツムリの一種なんだ。最近はいなくなってしまったが,海岸で見るアメフラシやテレビに出てくるウミウシなどと同じ「殻を脱ぎ捨てた貝」なんだよ。クリオネも殻を持たず,海を泳いでいる貝の一種で,同じく大海を泳いでいる貝を食べているんだ。橋などにある「ナメクジがコケを食べた形跡」は,虫眼鏡でじっくり見ると,それはそれは感動・感激ものだよ。ナメクジもカタツムリもとてもりっぱな歯があって,朽ちたコケなど植物性のものをそぎとって食べています。今度,ゆっくりとその食べる様子を見てみてくれよ。よろしっく!


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