3.動物の世界
(4)鳥のなかま
6.その他
(4)実験・観察・調査から
(680)ニワトリの豆知識いろいろ
「ねえねえ、モンタ博士! お元気ですか。今日はクイズを作ったので、答えてくださいね。えーっと、学校給食で一番の人気メニューは何でしょう。」
「そうだな。一番はあげパンかな。いや、カレーライスでしょ。」
「ブブー。残念でした。答えは『鳥のからあげ』だそうですよ。」
「ねえねえ、モンタ博士! ぼくもクイズを作りました。子供が一番喜ぶ『お弁当のおかず』は何でしょう。さあ! よく考えてください。」
「そうだな。一番は⋯⋯分かった! 『たまご焼き』だね。」
「大正解です。よく分かりましたね。すごいです。」
「花ちゃんのクイズで『鳥のからあげ』があったから、それで思いついたんだよ。ところで、どうして『鳥』なのかな。」
「それはですね⋯⋯今日は何日でしょう⋯⋯。」
「昨日が27日で、今日は28日だね。それがどうかしたの。」
「それで、2と8だから、つまり、28日は、ニワ(28)トリの日です。」
「それで、花ちゃんとニワトリについて、いろいろと調べていたら、おもしろいことがいっぱい分かって、それで『鳥クイズ』を作ったんです。」
「それはすばらしいね。どんなことが分かったのかな。今日は、二人が先生になって、モンタ博士にいろいろと教えてほしいね。」
「わたしは、ニワトリのお肉について調べました。牛や豚に比べると、脂肪分が少なくてヘルシーで、お値段もお手ごろで人気があり、いろいろなお料理の主役や脇役にもなれるんです。」
「そうだね。からあげもいいけど、焼き鳥が好きだね。チキンカツもうまいね。」
「そうですね。おいしいですね。でも、昔はあまり食用にはされていなかったみたいです。」
「ほほー。それはどういうことかな。」
「ニワトリは数千年前から家畜として使われ、夜明け前に鳴くので目ざまし代わりにしたそうです。また、なわばり意識が高く闘争心も強いので競技として戦わせたり、うらないなどにも使ったりしていたそうです。」
「なるほど。そうなんだ。では、今よく食べる鳥肉ってどんな鳥なのかな。」
「ちょっと、その前にまた質問ですが、ふつう、お店などで売られている若鳥と呼ばれるとり肉は、どのくらいに育った鳥なのでしょうか。これはちょっとむずかしいかもしれません。」
「若鳥とかよく聞くね。ニワトリは、ふつう、寿命はだいたい6~7年くらいだったと思うから、そうだな。半年とか1年くらいまでのものかな。」
「ブブ―! 残念でした。お肉をとるためのニワトリは、孵化してから50日か2か月くらいのものを若鳥というそうです。」
「えっ! そんなに短いの。知らなかったな。」
「おいしい鳥肉を、短時間に出荷するために飼われているものは、ブロイラーと呼ばれています。白色コーニッシュと白色プリマスロックという鳥を交配させたものだそうです。」
「へえー。すごいね。専門的なことも勉強したんだ。すごい!」
「ところで、ぼくは、ニワトリのたまごについても、いろいろと調べました。」
「ニワトリのたまごもおいしいね。たきたてご飯にたまご・おしょう油を入れた『たまごかけご飯』は最高だね。」
「でも、今のようにたまごを産ませるニワトリは、人間が長い年月をかけて研究してきたもので、努力と工夫と挑戦があったそうです。」
「それはすごいね。ところで、ニワトリはどのくらいのたまごを産むのかな。」
「世界で最も飼われているニワトリは、1年間に280個も産むと言われている白色レグホンというもので、白いたまごの80%はこの種だそうです。」
「へえー。そんなに産むんだ。おどろきだね。」
「それに、国内では1億3000万羽もいるそうで、日本の人口と同じくらいいるそうです。」
「へえー。そんなにたくさんいるとはこれまたおどろきだ。ところで、たまごと言うと、白いものと赤茶色のものがあるけど、それはどうしてなのかな。」
「白いものを白玉、赤茶色のものを赤玉と言ったりします。品種によって色がちがうんです。からは白玉が厚いけれど、中身の成分や栄養素はどちらも変わらないそうです。」
「なるほど、そういうことなんだね。」
「それから、ここでちょっとおもしろ実験をしたいと思います。ここに、ウズラのたまごとピンポン玉があります。それらをテーブルの上で転がすとどうなるでしょうか。さあ! 考えてください。」
「どちらも丸いけど、形がちょっとちがうんだね、ふーむ。どうなるかな。」
「それでは、正解は、ピンポン玉は下に落ちるけど、ウズラのたまごは下には落ちないんです。」
「それはなぜかな。」
「つまり、鳥のたまごの多くは片方がしぼんだ形をしているため、円を描くように転がります。この形は、産卵しやすいためだけでなく、巣から落ちにくくなる働きもあると言われているんです。」
「ふーむ。なるほど。それにしても二人ともよく調べたね。感心・感心だね。」
タマゴは、医療や美容に役立つ!
卵は、私たちの体に必要な栄養をバランスよく含む完全食品で、野菜等と一緒に食べればすべての栄養がとれます。卵は、食用以外にも広く利用されています。卵全体は細胞が生きているので、ワクチンを作る工場にもなります。卵殻は、カルシウムが豊富なので、餌や肥料、チョークなどにもなります。また、卵白はリゾチームがたくさんあり、殺菌作用があるので、風邪薬や点眼薬などが作られます。さらに、卵黄はレシチンが多くあり、認知症の予防や動脈硬化予防や美しい肌を保つことにも有効です。なお、卵殻膜は特殊なアミノ酸がたくさんあるので、美容液の原料にもなります。この卵殻膜は、昔は絆創膏の代わりに使い、とても効果があったそうです。今度、切り傷でもしたら、やってみようかと考えています。
おいしい地鶏!
地鶏という日本に昔からいた品種をもとにしたニワトリです。地鶏にはニワトリ本来のうまみとコ
クがあると言われています。またのいい方として、地鶏とは、日本在来種の血を半分以上受けついでいるニワトリのことです。三大地鶏というのは、比内地鶏、薩摩地鶏、名古屋コーチンなどの名前で言われているように、とても有名です。なお、一番出荷量が多く、よく食べられている地鶏は、阿波尾鶏で、出荷量では日本一です。