2.植物の世界
(1)花のつくりとはたらき
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
6.その他
(4)実験・観察・調査から
(677)ブルーベリーの花のひみつ
![写真1](newpic/677-1.jpg)
【ブルーベリー畑】
「ここは、ブルーベリー畑ですね。お花がいっぱい咲いているね。」
「わたし、ブルーベリー大好き。あまずっぱくて最高の味でしょ。それから、花がベルみたいな形でかわいいわね。」
「もう少し近くで、ブルーベリーの花を観察しようよ。」
「そうだね。それじゃ、観察には科学の目を使って見ることにしよう。」
「科学の目、つまり、ルーペも使って見るということですね。」
「そうだね。ルーペがあれば、新しい発見があるかしれませんね。」
「そうだね。では、上から下から、それから、花も分解して中がどんなふうになっているかを見ると、また新しい発見があるかもしれないよ。」
「あれあれ? 花を割ってみたら、めしべやおしべのようすがよく分かるね。」
「そうだね。真ん中がめしべ、それから、たくさんのおしべもあるね。他に何か気がつくことはないかな。」
「花の下を見ると、何かきらきらと光っているよ。これは、蜜かな。」
「そうだね。蜜にまちがいないね。」
「でも、変だな。ブルーべリーの花はいつも下向きでしょ。蜜があるのは、下ではなくて、花の上になるね。だから不思議だな。」
「何がどう不思議なのかな。」
「だって、蜜が上にあるということは、ふつうなら蜜は下に落ちちゃうでしょ。でも、ブルーベリーの花の蜜は落ちてこないよ。」
「そのとおりだね。よく気がついたね。感心だ。写真をもう一度よく見てごらん。」
「あっ! よく見ると、毛みたいなのがあるよ。」
「そうだ。その毛があるおかげで、蜜は下に落ちてこないんだよ。」
「へえー。すごいな。小さな花なのに、いろいろと工夫しているんですね。」
「新しい発見があってよかったね。当たり前のように見えていても、よく見ると発見があるんだね。ところで、花ちゃんはどうかな。」
「わたしは、花の形に注目してみたのですが、ベルというか、つりがねのような形だと思ったら、花の先は少し曲がっているんですね。それで、どうして曲がっているのかなと不思議に思ったんです。」
「ほほー。花ちゃんも良いところに気がついたね。何でかな? と思うことが大切だね。その曲がっていることについては、(1)の写真を見ると、よく分かると思うよ。写真が今いちでごめんね。」
「あっ! 虫が足を伸ばしています。あっ! 分かった。つまり、花の先がちょっと曲がっているのは、虫がつかまるためなんですね。」
「そのとおりだよ。この虫は、マルハナバチの仲間でね、下向きの花にも上手に止まることができるんだ。その足場として、ブルーベリーの花の先が曲がっているんだね。」
「初めは『おまけ』みたいに、先が曲がっているだけかと思ったけど、ちがうんですね。植物の形には理由があるんですね。むだが無いということですね。」
「二人ともいろいろなことに気づいてえらいよ。感心したよ。これからも、なぜそうなるのか、どうしてなのかと、いつも好奇心を大切にね。」
ブルーべリーのその後と、同じような形の花いろいろ
花が咲いた後には実ができますが、(2)の写真を見ればその姿がよく分かることでしょう。(3)の写真は、花が枯れて筒状の花が落ちてめしべだけが残り、その後の変化の様子を写したものです。また、ブルーベリーと同じような形状の花は、(4)、(5)といろいろとありますが、どれも、先が曲がっています。こうして、植物だけでなく、他の生き物との関係性について考えることは、とても意味あることだと思います。言葉で表現するよりも、まずは写真をよく見てください。