2.植物の世界
(2)葉・茎・根のつくりとはたらき
6.その他
(5)その他
(654)トピアリーって何?
「あれ? ゾウがいっぱいいるみたいだね。」
「そうね。どう見てもゾウだけど、ちょっと変だぞう!」
「みんな緑色のゾウだね。あっ! これは本物ではないみたいだ。何だろう。」
「何かに気がつきませんか。よく見れば分かるぞう!」
「これは、木だ。木をかりこんでゾウの形にしているんだ。」
「そうよ。これはね、外国の写真ですが、これはトピアリーという名のものだぞう。さっきから、『ぞう』と言っているのに気づいてくれないんだぞう。」
「ほほー。今日はトピアリーについてのお話だね。それにしても上手にゾウの形に作ってあるね。すごいね。それでは、今日はトピアリーについて、みんなで考えてみようよ。」
「トピアリーなんて、初めて聞く名前です。」
「そうだね。でも、あちこちでこれによく似たものを見たことがあると思うよ。」
「公園やテーマパークにもありますね。ふつうのおうちの庭にもあるわ。」
「動物の形以外にも、文字やもようなど、いろいろな形にしてあるんだよ。」
(1)一般的なトピアリー (2)文字のトピアリー(「立」という漢字)
「写真(1)は、あるお庭の木だよ、写真(2)は、ある学校にあるものだよ。」
「本当にいろいろとあるんですね。」
「姿や形はちがっていますが、みんな木をかりこんであるのですね。」
「そうだね。それでは、ここで考えてみようか。どんな植物の木が使われているだろうね。」
「人がハサミでかるんでしょ。それじゃ、あまり背の高い木だと大変ですね。つまり、低木が多いのかもしれません。」
「それから、葉っぱが小さい方がいいですね。大きな葉っぱをもつ木ではうまくできないと思います。」
「そうだね。それからまだ何か思い付かないかな。」
「いろいろとかりこんでも、枯れないようなじょうぶな木がいいね。」
「枝が細い方がいいと思います。太いとハサミで切るのが大変だからです。」
「それから、1年中葉っぱがある木がいいと思います。」
「そうね。葉っぱがたくさん集まっていた方がいいから、落葉樹よりも常緑樹の方がいいですね。」
「いろいろと意見があったね。花ちゃん、オー君の言ったとおりだね。それらの条件に合う植物、つまり、この場合に草はだめだね。木がいいね。木と言ってもいろいろあるけど、イヌツゲ、イヌマキ、イチイ、ゲッケイジュ、ピラカンサなんかがいいと思うよ。」
「いろいろな木が向いているんですね。」
「そうだ。花ちゃん、おうちの近くや公園でどんな木で、トピアリーを作ってあるかを調べてみるのもおもしろそうだね。」
「なるほど、それはおもしろいね。また、何が一番使われているかが分かるね。」
「オー君、いっしょにあちこち探して調べましょう。」
「でも、一つ困ったことがあるよ。それは、ぼくたちだけじゃ、その木の名前とか分かんないなあ。」
「だいじょうぶ。モンタ博士もいっしょに行くよ。そして、片っぱしから正しい木の名前を教えてあげるよ。」
「よし、たくさん見つけるぞ。」
「そうね。それをまとめてグラフにしたら楽しいね。『私の街のトピアリー一覧』ができるね。」
「これはすごく楽しみだね。みんなでさあ! レッツ・ゴー!」
トピアリーとは
トピアリーは植物を人間が刈り込んで仕立てる一つの方法で、樹木を立体的に作った自然造形物のことを指します。庭や公園、さらにテーマパークなどの木々を、丸や四角などの幾何学的な形や動物を模した形をしたものがいろいろあります。トピアリーの起源は、古代ローマ時代にまで遡ります。当時の庭師が、生け垣に自分のイニシャルを刈り込んだのが始まりだとか言われています。トピアリーは西洋庭園でよく見られる手法ですが、日本庭園でも、マツを刈り込んで鶴や船を象ったものを見たことがあると思います。植物を用いたこのような造形物を総称して、トピアリーと呼んでいます。