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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (4)被子植物ひししょくぶつ単子葉類たんしようるい)のなかま
 (9)わあ、たのしい! 草花くさばなあそびの世界せかい
(650)弓矢ゆみやづくりにチャレンジ!
写真1
オーくん
「あれあれ? モンタ博士はかせが、写真しゃしんっているよ。」

花ちゃん
なんだろうね。ちかくにってせてもらおうよ。」

オーくん
「モンタ博士はかせなにをやっているんですか。」

「よくぞいてくれたね。モンタ博士はかせは、いま旧石器きゅうせっき時代じだい人間にんげん変身へんしんして、弓矢ゆみやつくったのさ。」
モンタ博士

オーくん
旧石器きゅうせっき時代じだい? って、いつのことですか。」

花ちゃん
「とてもむかしのことですね。でも、いつごろだろう。」

「そうだね。縄文じょうもん時代じだいのおはなしはしたとおもうけど、そのもっともっと、ずうっとむかしさ。そうだね。数万すうまんねんから数十万年すうじゅうまんねんくらいまえかな。」
モンタ博士

花ちゃん
「そんなにむかしなんですか。その旧石器きゅうせっき時代じだいというのは、どんな時代なんですか。」

「そうだね。まだとかなくて、いしきによってつくった石器せっき、これを打製だせい石器せっきうけど、そんなもの使つかって生活せいかつしていた時代じだいさ。」
モンタ博士

オーくん
「へえー。そんなむかしなんですか。そのころ、人間にんげんはどんな生活せいかつをしていたのですか。もうすこしくわしくおしえてください。」

石器せっきのほかに、動物どうぶつほねつのなどでつくられた骨角器こっかくき使つかい、りや採集さいしゅうをしていた時代じだいなんだ。ところで、ここで二人ふたり質問しつもんだけど、どうやって骨や角を使つかっていたとおもう。」
モンタ博士

オーくん
「そうですね。多分たぶんだけど、ほねつのぼうけて、それを獲物えものかってげていたんじゃないかな。」

花ちゃん
「つまり、ヤリのようなものだとおもいます。」

「そうだね。5~10メートル、20mくらいまでなら、なんとか人間にんげんげればとどいただろうね。でも、もっととおくの獲物えものをねらう場合ばあいには届かないでこまっちゃうね。」
モンタ博士

オーくん
「そうか。人間にんげんちからではとおくまでばないので、弓矢ゆみやにしたんですね。」

「そうだね。そうすれば、とおくまでぶね。ゆみにはたけのようにしなるけど丈夫じょうぶもの使つかったんだろうね。それから、には、かるくてもしっかりしていて、まっすぐに飛ぶような物を使うようにしたんだろうね。」
モンタ博士

花ちゃん
ゆみいと部分ぶぶんには、じょうぶでれないものにしたんでしょうね。」

「そうだね、そうやって、あれこれとさがしたんだろうね。どんなものがいいか、いろいろかんが工夫くふうしたんだろう。そうやって、1つ1つの道具どうぐつくり、よりいもの、より強力きょうりょくな物にしていったんだね。」
モンタ博士

オーくん
人間にんげん歴史れきしって、すごいんですね。」

人間にんげんはそうやって、道具どうぐつく生活せいかつゆたかにしてきたんだ。でも、ひとあつまり集団しゅうだんができると、集団しゅうだん同士どうし戦争せんそうこるね。そのときたたかう道具として弓矢ゆみやは、武器ぶきとしても使つかわれてきたことも事実じじつだね。」
モンタ博士

花ちゃん
武器ぶきとしての弓矢ゆみやはきらいです。弓矢は平和へいわのために利用りようしてほしいです。」

「そのとおりだね。でもいまは、弓矢ゆみや競技きょうぎスポーツとしてあるし、弓道きゅうどうとして心身しんしん鍛錬たんれんのためにもあるんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ところで、モンタ博士はかせ! どうしていま弓矢ゆみやなんですか。」

「それはね、旧石器きゅうせっき時代じだい人間にんげんって、どんなことをかんがえていたのか。弓矢ゆみやなどの道具どうぐをどうやってつくっていたかをりたくてね。それから、それから、はなちゃんやオーくんでも、かんたんに作れる弓矢はないかなとおもってね。」
モンタ博士

オーくん
「えっ! それって、弓矢ゆみやづくりをおしえてくれるということですか。」

「もちろん、そうだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「わたしたち、なにっていません。材料ざいりょうとか何を使つかえばいいか分かりません。」

「だいじょうぶだよ。それでは、いまから、現代版げんだいばん弓矢作ゆみやづくきょうしつ』のはじまり始まりだよ。まず、弓からつくろう。した写真しゃしんてごらん。」
モンタ博士

写真2
         
「まず、(1)は、たけってから、しばらく乾燥かんそうさせた竹だ。(2)は、それをナタでさいたものだよ。(3)は、竹をゆみふとさにさいたものだよ。そして、(4)が竹のかどがとがっているのであぶないので、すこし角をとしたものさ。」
モンタ博士

オーくん
かどがきれいになっています。これからどうするのですか。」

かみやすりでかどをもうすこしすべすべにしたほうが、さらにあぶなくないね。」
モンタ博士

花ちゃん
「こうやると、たけのかんしょくというか、ざわりがとてもいいかんじですね。」

つぎゆみいとをはるよ。たこ糸でいいけど、1ぽんでいいかな。」
モンタ博士

オーくん
「1ぽんだとすこよわかんじですね。でも、どうすればいいかな。つよいとにしたいです。どうしよう。」

「そうだね。2ほんより3ぼんがいいね。そこで、かんがえたんだけど、みにするといいんだよ。」
モンタ博士

オーくん
みって、なんだろう。」

花ちゃん
みって、かみをたばねるときにやるのよ。わたしは、くわしいからまかせて。」

写真3
「まず、3ぼんのたこいとゆみのハシにまいてから、みにしていこう。そのときに、写真しゃしん(5)にあるようにみぞをほっておいたから、そこにまくようにしようね。」
モンタ博士

写真4
オーくん
「みぞがあるから、まきやすいし、れにくいですね。」

ゆみになるたけをある程度ていどしならせたら、もう一方いっぽうのみぞにまきつけてむすぼう。つぎだけでも、これにもかみやすりできれいにするといいね。注意ちゅういするのは、矢のさきだよ。そのままだとあぶないから、発泡はっぽうスチロールやぬののかたまりをかならけるようにしよう。それで、できあがり。」
モンタ博士

弓矢の歴史
 弓矢の歴史は古く旧石器時代にまで遡り、飛び道具として投槍とうそうの次に発明されたものである。現代でも未開の国では狩猟具として使われている地域もあり、また古代から武具・武器としても尊重されて使われている。現存する最も古い弓矢は、南アフリカのシブドゥ洞窟で発見され、約64000年前のものだと言われている。アジアでは、スリランカの熱帯雨林の洞窟「ファ・ヒエン・レナ」から発見された弓矢の矢尻が約48000年前の物で最古である。大昔からその威力が人々からあがめられて崇拝の対象にもなっており、また宗教的儀式にも用いられている。日本では平安時代から神事で取り扱われ、弓術や弓道は武士のたしなみであり、日本の伝統文化としても根付いている。近代以降は競技スポーツの道具としても使われ、レクリエーション目的でも用いられる道具である。なお、弓はハープ(竪琴たてごと)の起源でもあり、世界各地にある弦楽器の発祥とも関連がある場合が多いと考えられている。また、一部の火起し器の起源でもある。文明が発達し人口も増えて、国や領土という社会構造ができることにより、世界中で大規模な戦争が起きてきた。そこで戦いを有利に進めるために、これまでの1対1の戦いから集団戦、遠距離の戦術などにより、弓矢は戦場において重要な役割を持つようになった。弓矢隊や弓兵・弓歩兵を生み出し、戦術も多様になり、馬も利用し、馬上から弓を使う弓騎兵きゅうきへいなども生まれ、短い弓がさらに改良されていったと考えられる。
   てくてく自然散歩シリーズ
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