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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (1)はなのつくりとはたらき
 (2)くきのつくりとはたらき
(645)サクラの花はなぜはやるのか
写真1
オーくん
はなちゃん! はるだね。うれしいね。」

花ちゃん
「そうね。たのしいね。いろとりどりのおはなでいっぱいになりますね。いろいろな木々きぎも花をかせ、ワクワクウキウキ気分きぶんになりますね。モンタ博士はかせ!」

「そうだね。なんってもサクラのはな最高さいこうだね。3がつみなみ地方ちほうからはじめ、4がつわりには北海道ほっかいどうでもられるし、日本にほん列島れっとうはしける『はるのランナー』だね。」
モンタ博士

花ちゃん
「『はるのランナー』いい言葉ことばですね。サクラといえば、開花かいか予想よそうとか、開花かいか宣言せんげんとかいますが、いまいちよくからないのですが、くわしくおしえてください。」

「そうだね。いい質問しつもんだね。開花かいか予想よそうというのはね、ソメイヨシノのつぼみ10おもさをはかって、その重さが1グラムになると、その10日後とうかごにははなひらくとみていいそうだよ。」
モンタ博士

オーくん
開花かいか宣言せんげんというのは、なんですか。」

各地かくち気象きしょうだいでは、標準ひょうじゅんになるめて毎日まいにち観測かんそくし、その木にすうりんはないた開花かいかとして、開花かいか宣言せんげんするんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「それから満開まんかいになるのはどのくらいですか。」

「そうだな。ふつうは、開花かいか宣言せんげんからやく5日いつか前後ぜんごわれるけど、そのとし天候てんこうにも左右さゆうされるね。」
モンタ博士

オーくん
「なるほど。そういうことですね。さらに質問しつもんですが、はなはどのくらいでるのですか。」

「そうだね。1つのはないてからやく7日なのかはじめるんだ。つまり、全体ぜんたいとしてはやくしゅうかんほどになるんだ。ところで、花を1つ1つれば、その花がいつ散るかがかるのをっているかな。」
モンタ博士

花ちゃん
「えっ! はな予想よそうできるのですか。」

した写真しゃしんてごらん。とくはな中心ちゅうしん注目ちゅうもくして見てごらん。」
モンタ博士

写真2
オーくん
「よくると、はなのまんなかいろがちがいますね。これはどういうことですか。」

「(1)は中心ちゅうしんがとてもあかいね、(2)はすこし赤い、そして、(3)はほとんど赤くないだろう。」
モンタ博士

花ちゃん
本当ほんとうにそうですね。こんなにくわしくたことはありませんでした。このあかさがなに意味いみがあるのですか。」

「このあかさで、はなびらがいつるかが分かるんだ。一番いちばん赤い(1)は明日あすにはかならず散るだろう。また、(2)は、あさってか、そのつぎくらいかな。」
モンタ博士

オーくん
「なるほど、そういうことですか。ところで、また質問しつもんなんですが、たいていのはなは、花びらがいろあせたりばんだり見苦みぐるしくなってからりますが、どうして、サクラはうつくしい花びらのまま散るのですか。」

「これまた、いい質問しつもんだね。オーきみうようにちてくるはなびらは、いろもそんなにあせることなくてうつくしいね。こんなにきれいなら、もうすこいていてほしいね。でもね、きれいなまま、いさぎよくっていくのもサクラの特長とくちょうでもあるんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「そのとおりですね。サクラってパッといて、パッとるっていいますね。でも、それってなに理由りゆうでもあるのですか。」

「そうなんだよ。それでね、モンタ博士はかせもあれこれとほんんで調しらべたらね。サクラは、『離層りそう発達はったつがいい』ということなんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「『離層りそう発達はったつ』? なんだかむずかしくなってきちゃいましたね。」

「まず、離層りそうとは、が『はなれるしくみ』ということなんだ。はなびらと葉は、もとただせばおなじで、花びらや葉がちるしくみは同じなんだ。あきになれば冬越ふゆごしのため葉が散り落ちるし、花びらもその役目やくめわれば、落ちるんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
ちるみ? というのがいまいち分かりにくいです。」

はなちるのは、その根元ねもとに『離層りそう』という養分ようぶんみずながれをめる仕切しきりができるためなんだ。そして、サクラは、その『離層』というものがよく発達はったつしているからなんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ということは、サクラは、ほかとくらべると、るのもはやいというわけですか。」

「ピンポーン。そのとおりさ。まだなつのうちからサクラはとしている姿すがたてね、モンタ博士はかせもずうっと不思議ふしぎおもっていたんだよ。でも、この『離層りそう』という説明せつめいがあって、はじめてなっとくしたんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「そうなんですか。それではオーくんなつわりに、またサクラの観察かんさつしようよ。」

オーくん
「うん、そうしましょう。またまたたのしみがふえちゃった。はなちゃん!」

                        
開花かいか予想よそう曲線きょくせんとサクラ前線ぜんせん
 開花かいか予想よそうについてですが、詳細しょうさいしめすと、つぼみ10おもさをはかり、それを開花かいか予想よそう曲線きょくせんというものがあり、それにてはめて開花する推測すいそくするものです。また、サクラ前線ぜんせんというものがあり、九州きゅうしゅうから南関東みなみかんとうまでは、普通ふつうは1にちに100kmキロメートルはやさで北上ほくじょうするといわれています。そのやく300kmのおびとなって1日に20kmというゆっくりとしたスピードで北上します。まさに「はる」という背番せばんごうけたマラソンランナーなのです。
   てくてく自然散歩シリーズ
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