トウショキッズ 東書KIDS

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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (13)植物しょくぶつ健康けんこうシリーズ! くすり世界せかい
6.その
 (4)実験じっけん観察かんさつ調査ちょうさから
(637)植物のかおり・ききめ実験その1 虫実験
「どうだろうかな。うまくいくかな。ぜひ、ためしてみたいな。」
モンタ博士

花ちゃん
「どうしたのですか。さっきからひとごとばかりですが⋯⋯。」

「あのね、節分せつぶんときに、ヒイラギのとイワシのあたまとを軒下のきしたなどにぶらげるとうよね。」
モンタ博士

花ちゃん
「でも、いまではそのようなおうちはすくないそうですが⋯⋯。」

オーくん
いまではあまりかけなくても、むかしからのつたえとかは、うそではないみたいですね。」

花ちゃん
「ヒイラギのやイワシのあたまなどは、オニがないようにトゲトゲや悪臭あくしゅうで、オニを退治たいじするためとかですよね。」

「それでね、あるほんには、節分せつぶんだけでなくニンニクをつるしておくと、びょうにんがでないというつたえがあるそうなんだ。」
モンタ博士

オーくん
「そうですね。吸血鬼きゅうけつきドラキュラもニンニクにはよわかったらしいですね。」

「それでね、迷信めいしんのようにおもえることにも、本当ほんとうはちゃんとした理由りゆうがあることをたしかめるために、ある実験じっけんをしだんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「どんな実験じっけんなんですか?」

「ビンのなかに、ニンニクをれたものと入れないものを用意よういして、それにセイヨウミツバチを入れたんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「その結果けっかはどうだったのですか。」

「そうだね。れてからずうっとていたんだけど、数分すうふんしたら、ニンニクを入れたものでは、セイヨウミツバチのうごきがゆっくりとにぶくなったんだ。なにも入れないビンでは、そのまま元気げんきにセイヨウミツバチは動きまわっていたよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「ニンニクには、すごいパワーがあるということですね。」

「それでね、かおりやにおいのあるものって、ニンニクだけじゃないでしょ。ながネギ、タマネギ、ノビル、ショウガ、それにワサビもあるよね。それらをれたときにどんな変化へんかがあるかを調しらべてみたらどうかなとおもってね。」
モンタ博士

写真1
オーくん
「それって、すごい実験じっけんですね。モンタ博士はかせ

花ちゃん
「わたしたちもいっしょにやりたいです。お手伝てつだいします。」

「それはうれしいよ。ところで、実験じっけんというのはね、なるべくおな条件じょうけんでないと正確せいかく結果けっかがでないこともあるんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
 「そうですね。れるものりょうとかがバラバラだといけないですね。」

オーくん
「でも、大学だいがくでの研究けんきゅうとかとはちがって、その傾向けいこうというか、だいたいのようすがりたいです。ともかくやってみたいです。」

「そうだね。この実験じっけんおこないそのデータをもとにして、科学かがく論文ろんぶんくわけではないから、まあいいか。それよりも、はなちゃんやオーくんたちが、興味きょうみ関心かんしんをもってもらいたいんだ。それでははじめよう!」
モンタ博士

オーくん
「まずは、たくさんのセイヨウミツバチをってきましょう。」

「その必要ひつようはないよ。きのうね、もう採集さいしゅうしてあるんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「うわあー。本当ほんとうですか。準備じゅんびいいですね。」

オーくん
ものはどうしますか。」

「それも心配しんぱいないよ。よくべるジャムがあって、そのビンが6こあるよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「それも準備じゅんびできているんですね。さあ! はじめましょう。」

「セイヨウミツバチのうごきがどうなるかをよくよう。まったく動かなくなるまでやるとかわいそうだから、動かなくなったところではなしてやろう。」
モンタ博士

 ⋯⋯そして、数十分すうじっぷんがたちました、さて、どうなったでしょう⋯⋯
オーくん
「それでは、セイヨウミツバチとしょくぶつかおり・においじっけんけっはっぴょうをします。」

 
ネギるいやそのかおり・においのつよ植物しょくぶつとセイヨウミツバチの関係かんけい
5分後
10分後
15分後
20分後
25分後
30分後
40分後
ニンニク
×
×
×
ショウガ
×
×
玉ネギ
×
×
ノビル
×
ワサビ
×
長ネギ
×
×
×
 
◎:とても活発かっぱつ 〇:上下じょうげ移動いどううごきあり △:上下じょうげ運動うんどうまる ×:ほとんどうごかない
「うーむ。どうだったのかな。はたしてただしいじっけんだったかな。しんぱいだ。いちおうわったけど、以下いか反省点はんせいてんをまとめたのでんでほしいなあ。」
モンタ博士

実験後じっけんごのモンタ博士はかせ失敗しっぱいのつぶやきいろいろ
 たくさんの反省はんせいがあるので、じょうきにしるす。①それぞれのりょう目分量めぶんりょうでありおもさやかたまり同一どういつではなかった。②セイヨウミツバチのきょうじゃくおおきさなどたいもかなりあった。③1ぴきずつれたのでせいかくさにだいあり。データがすくなすぎる。④ネギるいのアリシンのりょうしつなどを測定そくていできず考慮こうりょしていなかった。⑤昆虫こんちゅう呼吸量こきゅうりょうの少なさから小瓶こびんにしたが、もうすこおおきいほうかった。⑦1かいだけの実験じっけん結果けっかであり、やや統計的とうけいてき危険度きけんどおおいとかんじた。⑧ワサビはなま天然物てんねんものでなくチューブりを使用しようした。⑨ひょうのまとめかたは良かったのか等々とうとう、たくさんの反省点はんせいてんがあり、さらに精密せいみつな実験が必要ひつようであると感じた。
迷信めいしんではなく、科学的かがくてき根拠こんきょあり!
 いにしえよりつたえられていることには、ふるくからの人々ひとびとによる連綿れんめんとした試行しこう錯誤さくごがあり、それが科学かがく発達はったつさせてきたともえる。においについて、殺傷力さっしょうりょくをもつということは、むしなどにたいする様々さまざま植物しょくぶつ自衛じえい手段しゅだんであるとおもわれる。わたしたちの先祖せんぞは、それらの事を体験的たいけんてきっていて、ニンニクを使つかい、ユズやショウブなど日常にちじょう生活せいかつ工夫くふうをしてきたのである。また、美味おいしいマグロの刺身さしみべるのに、ワサビおろしやシソのえる知恵ちえにつけていったと思われる。このように、植物のかおり・においが人間にんげん生活せいかつやくっているれいは、これらのほかにいくらでもあるようにかんがえられる。今後こんごも香り・においの研究けんきゅうがさらにすすみ、より健康けんこうごせるようになってほしいと思う。
   てくてく自然散歩シリーズ
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