トウショキッズ 東書KIDS

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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (1)はなのつくりとはたらき
6.その
 (4)実験じっけん観察かんさつ調査ちょうさから
(636)ツバキの花の解剖報告かいぼうほうこく私失敗わたししっぱいしないので)
写真1
花ちゃん
「これはツバキのはなですね。あかくてとてもきれいなお花ですね。」

オーくん
「ツバキについては、ぼくもっているよ。モンタ博士はかせおしえてもらったもん。」

「ほほー。そうだったかね。それでどんなおはなしをしたかな。」
モンタ博士

オーくん
「まず、漢字かんじで『椿つばき』つまり、へんのとなりにはるは、はな季節きせつあらわしているんですね。ツバキの語源ごげんは、てかてかと『つや』があるからとか、『つやき』(つや)とか、あつっぱなので、『あつばき』(あつ)とうんですね。」

花ちゃん
「うわあー。すごいね! オーくん。よくおぼえているわね。」

オーくん
「それから、ツバキはっぱのひょうめんにクチクラそうというワックス層があり、かんそうさむさからまもってくれるんだ。クチクラ(Cuticula)というのはラテンで、英語えいごみすると、『キューティクル』といって、シャンプーやリンスのCMシーエムでも使つかわれているんだ。」

「すばらしい。ブラボー。そんなにしっかりとおぼえていてくれて、モンタ博士はかせなみだがでるくらい感激かんげき感動かんどうだよ。」
モンタ博士

オーくん
「それから、ツバキは虫媒花ちゅうばいかむし花粉かふんはこぶ)でも風媒花ふうばいかかぜが花粉を運ぶ)でもなく、『鳥媒花ちょうばいか』(とりが花粉を運ぶ)とうんですよね。ところで、そこで疑問ぎもんというか、からないというか、こまったというか、『鳥媒花』はそのつくりががんじょうというか、しっかりしているそうですが、どんなかんじなのか、どのくらいがんじょうなのか分からないんです。」

「そうか、いい質問しつもんというか、いい疑問ぎもんだね。がんじょうというけど、本当ほんとうかどうか。たことあるじゃなくて、さわったこと、それから、はなをくわしくにとってみたことがないかもしれないね。そうだ。今日きょうは、みんなでツバキのはな解剖かいぼうをしてみよう。」
モンタ博士

オーくん
はなびら、おしべ、めしべなど、1つ1つていねいにていくんですね。」

「そうだよ。二人ふたりにはお手伝てつだいしてもらうよ。助手じょしゅになってほしいね。」
モンタ博士

花ちゃん
「はい。かりました。モンタ博士はかせ解剖かいぼう先生せんせい。ドクターモンタに変身へんしんですね。」

写真2
「では、ツバキの解剖かいぼうはじめよう。では、助手じょしゅさん! メス!」
モンタ博士

花ちゃん
「はい! メスではなかった。カッターをどうぞ。」

オーくん
解剖かいぼう、だいじょうぶでしょうか。」

「だいじょうぶ。わたし、失敗しっぱいしないので! ドクターモンタの登場とうじょうです。」         
モンタ博士

花ちゃん
「テレビの『ドクターXエックス』みたいですね。」

「まず、カッターをれるまえに、はなうらがわかんさつしよう。なにかあるね。」
モンタ博士

花ちゃん
「これは、ガクですか。はなびらよりすこちいさいようで、何枚なんまいもあります。」

オーくん
「1・2・3⋯⋯全部ぜんぶで10まいちかくあります。」

写真3
「たくさんあるということは、がんじょうでつよかんじだね。では、つぎはなびらをいちまいいちまいっていこう。」
モンタ博士

花ちゃん
はなびらは、ちょっとあつかんじがします。」

オーくん
「それにはなした部分ぶぶんはくっついてます。」

「バラバラにならないんだね。これもつよくがんじょうなかんじだね。つぎに、そのはな全部ぜんぶりのぞいてみよう。」
モンタ博士

オーくん
はながスポッとれました。花びらといっしょにおしべもつつのように取れました。つぎはどうするのですか。」

写真4
「ゆっくりとていねいにあかはなびらだけをることにしよう。」
モンタ博士

花ちゃん
のこったのはおしべですね。いっぱいついていますね。いくつあるんでしょうか。」

写真5
オーくん
「それじゃ、かぞえてみよう。1・2・3⋯⋯うわあー。150ぽんもあるぞ。」

花ちゃん
「たくさんあるね。それから、このおしべって、ちょっとわっています。」

写真6
「どんなふうにわっているの。」
モンタ博士

花ちゃん
はなびらのようにうえはバラバラですが、したがくっついています。」

オーくん
「それから、したのほうはなんだかかたかんじがします。なかはどうなっているのかな。」

「それでは、おしべのかたまりがどうなっているか。ひらいてみよう。」
モンタ博士

オーくん
「けっこうかたかんじです。あっ! そうか。この固さがあるからがんじょうなんですね。つよいんですね。おしべのしたほううえよりもあついみたいですね。」

「それでは、りにしてみるぞ。」
モンタ博士

花ちゃん
解剖かいぼうしてみて、かなりしっかりしていることがかったね。」

写真7
オーくん
「ガクもいっぱいあるし、はなびらもあつくてしたがくっついていて、おしべも下ががっちりしている。だから、とりくちばしをれたくらいなら、びくともしない。がんじょうなんですね。」

「いろいろなことがかったね。よかってね。これにて、手術しゅじゅつ・オペ終了しゅうりょう! なお、ツバキについて『てくてく自然しぜん散歩さんぽ』のナンバー.51もぜひごらんください。」
モンタ博士

観察力を高めるために、ツバキ・サザンカの比較にチャレンジしよう!
 似たもの同士をよく見て観察することにより、観察力が高まることは知られている。ツバキやサザンカは花以外でもよく似ていて、形状も大きく扱いやすい。このような材料には、ムラサキシキブとヤブムラサキ、エノキとケヤキ、ツルマメとヤブマメ、ツユクサとムラサキツユクサ、スズメノエンドウとカラスノエンドウ(カスマグサは個体数がやや少ない)、アカマツとクロマツなどがある。
 なお、ツバキとサザンカの違いは以下の通りである。
葉枝
花弁
子房
落下様子
芳香
開花
ツバキ
大型
細毛あり
下部結合
毛なし
雄蕊同時
有る多い
2-4月
サザンカ
小型
無毛
完全離生
毛あり
雄蕊残る
有る少し
10-12月
   てくてく自然散歩シリーズ
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