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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (14)不思議ふしぎ植物しょくぶつシリーズ
(635)サボテン
写真1
オーくん
「いいだろう。このまえおうちのひと植物しょくぶつえんったとき写真しゃしんの『キンシャチ』(きんしゃち)のミニをってきたんだ。ぼくのおりのサボテンです。モンタ博士はかせはなちゃんにせたくて、ってきました。」

花ちゃん
「いいなあ。わたしもいっしょにきたかったな。それにしても、サボテンって、不思議ふしぎ植物しょくぶつね。」

オーくん
「そうなんだ。れば見るほどおもしろいかたちをしているし、見ていて本当ほんとうにあきないね。」

「サボテンも植物しょくぶつ仲間なかまだけど、どんなところがおもしろいかな。不思議ふしぎかな。」
モンタ博士

オーくん
「まず、ふつう植物しょくぶつというのは、くきからできているんでしょ。ところが、サボテンは茎も葉もないようだし、トゲばっかだよ。」

花ちゃん
「それから、かたちがまんまるもあるし、たかいノッポのようなサボテンもあるわ。」

写真2
       
「まんまるやノッポのところがサボテンのくきになるんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「えっ! わったくきですね。でも、茎はあるけど、はないのですか。」

「でも、注意ちゅういしてみると、からだ表面ひょうめんにトゲやこまかいのようなものがあるだろう。それらが、へんしたものだとかんがえられているんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「えっ! でも、なんでそんなかたちになったんだろう。不思議ふしぎだなあ。」

「トゲはね、動物どうぶつなどにべられないためとか、太陽たいようつよひかりから表面ひょうめんまもっているともわれているんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「でも、どうしてふつうの植物しょくぶつとちがうかたちになる必要ひつようがあったのかな。」

「それはね、サボテンがどんな場所ばしょきているかをかんがえるといいよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「サボテンというと、砂漠さばくとか、みずすくないところですね。」

「そうなんだ。つまり、サボテンはとてもきびしい環境かんきょうきているということでね、とてもつよしょくぶつなんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ねえねえ、モンタ博士はかせ植物しょくぶつにはみず必要ひつようですね。でも、サボテンは、水がなくてもきていけるのかな。」

砂漠さばくなどは、ほとんどあめがふらないかわいた環境かんきょうにあり、みずなしで2~3ねんきるとわれているよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「きびしい環境かんきょう温度おんど変化へんかがはげしい場所ばしょで、サボテンも苦労くろうしているということですね。」

「サボテンがまんまるだったり、ひらべったかったり、おもしろいかたちなのは、水分すいぶん養分ようぶんをためておくためなんだよ。サボテンの一部いちぶってみると、なかからみずがあふれてくるよ。」
モンタ博士

オーくん
「へえー。そうなんですか。それでからだなかにためたみずで、砂漠さばくでもきていけるんですね。」

「では、したをよくてごらん。」
モンタ博士

写真3
花ちゃん
「これは、サボテンの断面図ですね。」

「1は、サボテンが2年間ねんかんみずいってきもすえなかったサボテンで、ためた水を使つかいはたしてやせほそった状態じょうたいなんだ。そして、2は、あめがふり、すいげた水をくきにたくさんためてふくらんだ状態だよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「へえー。すごいんですね。おどろきです。」

「ところで、サボテンのというのはたことがあるかな。」
モンタ博士

花ちゃん
砂漠さばくきるから、きっとふかくてなんメートルもあるのでしょうね。」

「そうおもうよね。」
モンタ博士

オーくん
かった。それじゃ、10メートル以上いじょうもあるのですか。」

「ところがそうではないんだね。まったくぎゃくで、地下ちかすうセンチのふかさしかないんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「それじゃ、みずえないのではないですか。」

ふかさはすごくないけどね、とてもひろくあちこちにはっていて、たまにふるあめをしっかりといこんで、くきにたくさんためているんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ぼくのサボテンはこのあと、どうなるのでしょうか。どのくらいおおきくなるのでしょうか。」

「サボテンの成長せいちょうというのはね、とてもおそいんだ。これも植物しょくぶつにとってきびしい環境かんきょうきるためにはよいことなんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「よーし。あわてずあせらずじっくりしっかりと、観察かんさつしていくぞ。そして、はながさくまで大切たいせつそだてます。」

「そうだね。なかなかはなかないとおもうけど、花が咲いたらみんなでまた観察かんさつしよう。」
モンタ博士

 ⋯⋯ということで、モンタ博士はかせがあちこちテクテクしていると、あるおうちのにわにきれいなサボテンのおはながさいていたとさ⋯⋯
写真45
サボテンは特別な光合成:CAM植物
 サボテンは暑くて乾燥した気候に適した光合成を行うCAM植物である。普通、一般の植物は昼間に気孔を開いて光合成を行うが、蒸散により水分が失われやすい。そこで、サボテンなどのCAM植物は、夜間に気孔を開いて二酸化炭素を取りこみ、リンゴ酸に変えて細胞に貯え、昼間は気孔を閉じてリンゴ酸を分解することで二酸化炭素を発生させて炭水化物を作る。CAM植物は光合成の効率は低く成長は遅いが、水の損失は最小限に抑制されて乾燥に強いのである。
   てくてく自然散歩シリーズ
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