2.植物の世界
(9)わあ、楽しい! 草花あそびの世界
(633)ドングリのすてきなオブジェ
「いいだろう。かわいいだろう。すごいだろう。ステキだろう。ほしいだろう。すばらしいだろう。これは、ある人にもらったんだよ。いいだろう。」
「ドングリで作った虫ですね。いいですね。すばらしいです。ほしいです。」
「ドングリが可愛いく、ステキに変身ですね。わたしもほしいです」
「いいだろう。だれでもほしくなってしまうよね。ドングリで作った虫なので、『ドングリ虫』と名づけたんだ。そして、この3匹を『ドングリ虫三兄弟』とよぶんだよ。いいだろう。」
「『ドングリ虫三兄弟』という名前もいいですね。モンタ博士の大のお気に入りなのですね。それにしても、よくできていますね。」
「もっと近くでよく見たいよね。それではズームアップで、さあ! どうぞ。」
「いいですね。かわいいだけでなくて、とてもよくできていますね。」
「ドングリなんかも、いろいろなドングリを使っているのですね。」
「それから、木の小さな枝なども使っていて、とてもよく創意工夫されていますね。」
「ところで、モンタ博士! これらの『ドングリ虫』はどうしたのですか。自分で作ったものなんですか。」
「本当はね、これはね、写真だけのもらい物なんだよ。」
「なーんだ。そうなんですか。残念だな、本物がほしかったなあ。」
「話すと長くなるけど、モンタ博士が講義している日本女子大学の学生のKさんという人が、ある学校に教育実習に行ったお礼に、担当したクラスの子供たちにプレゼントしたものなんだそうだ。」
「ということは、子供たちの教室にあるということですね。」
「そうなんだ。それでね、お話を聞いて、『どんぐり虫』の写真データだけを、そのKさんからいただいたということなんだ。」
「教育実習の子供たちは、きっと喜んだでしょうね。とても幸せですね。」
「そうだね。教育実習での4週間が楽しく仲良く、ステキな時間であったということだと思うよ。Kさんの明るく元気にがんばっていた姿が想像できるようだよ。」
「子供たちにとってもすばらしいお姉さん先生だったんでしょうね。ところで、モンタ博士は、『ドングリ虫』とかおっしゃっていますが、こうなると、もう、何と言ったらいいのかな。芸術作品とかアートとか言っていいとわたしは思います。『森のステキなオブジェ』ですね。」
「何? そのオブジェって? 聞いたことないよ。」
「そうだね、オブジェというのはね、『かざることや見ることを目的とした置き物』と言ったら分かるかな。」
「何となく分かる感じがします。つまり、それが置いてあったら、いいなあ、かわいいなあ、すごいなあ、ステキだな、すばらしいなあ、ぼくもほしいなあと思う物ということですね。」
「そうそう。そのとおりだね。Kさんの思いがオブジェという形として残され、教室のかたすみから、子供たちの成長を見守っているように感じるね。」
「とっても心温まるお話ですね。わたしの学校にもそんなステキな教育実習の先生が来てくれないかな。」
「そうだね。そのとおりだね。」
「そうだね。そのうちにきっと来てくれると思うよ。それまで楽しみにしていようね。あっ! そうだ。忘れてた。」
「どうしたんですか。モンタ博士!」
「Kさんが作ってくれたオブジェは、まだまだあったんだよ。写真を見せるね。」
「これもすばらしいね。よくできていますね。ますますほしくなっちゃいます。」
「そうね。とても可愛くてすばらしいです。わたしもほしいです。」
「そうか、そんなに気に入ってくれたんだ。うれしいなあ。ではみんな集まってもらおうか。オブジェのみんな! 全員集合!」
はじめまして、ぼく! 新人です。よろしっく!
ドングリや木の実などのオブジェ
石油製品が世に溢れ、あれもこれも丈夫で腐敗することなく、半永久的に利用・使用できるものがあちこちに見られ、世の中全てが便利で快適になったように感じますが、その反面、ごみ問題や環境や景観の悪化が問題視されています。ドングリや木の実などを活用したオブジェには、心休まり心ほっこりさせられる、そんな一面があるように思います。自然による造形物のもつ温かさやぬくもり、そして、柔らかな感触にはほっとするものです。小学校の学習内容として、図画工作や生活科でも自然素材を生かした授業展開を数多くしてほしいと願っています。
なお、そのうち、てくてく自然散歩でも、花ちゃん・オー君と一緒に、「ドングリや木の実などでステキなオブジェ作り」の取組をしたいと思います。乞うご期待ください。