3.動物の世界
(4)鳥のなかま
(631)鳥講座3(鳥の体の中)
「待ってよー! オー君。どこに行くのよ。」
「いいからついて来て、いいとこ、おもしろいとこ、勉強になる所に行くんだ。大事件だ!」
「待ってよー! どこに行くの。モンタ博士のおうちは反対だよ。大事件って、いったいどうしたの。」
「よーし。着いたぞ。花ちゃん! ピンポーンしてちょうだいよ。」
「あっ! ここは、わたしのおじさんちですよ。オー君どうしたの。」
「それが、大事件なんだ。それでおじさんに聞こうと思って、走って飛んで来たんだよ。あっ! おじさん! この前はありがとうございました。」
「どうしたの。そんなにあわてて、何かあったのかな。」
「大事件なんです。この前、おうちでフライドチキンを食べていて、とってもおいしいので、骨までガブリとやったら、骨がくだけて中を見たら⋯⋯大事件だったんです。」
「分かった、分かったよ。だから落ち着いてお話ししてごらん。」
「骨の中が、スポンジだったんです。」
「えっ! スポンジ? どういうことなの。」
「骨の中を見たのは初めてで、よく見たら、スカスカな感じで、これって、鳥の何か秘密かなと思って、それで、おじさんの所に走って飛んで来たわけです。」
「そういうことか。それにしても、オー君の好奇心というか、探求心はすばらしいね。感心だね。ところで、まず、問題だけど、人間の骨の重さは、体重の何パーセントくらいか知っているかな。」
「はい! まったく分かりません。」
「わたし知っています。体重の15~18パーセントくらいとか、きのう本で読んだばかりです。」
「よく知ってるね。感心だね。それでね、鳥の場合はわずか5%くらいなんだよ。翼や頭の骨には空気が入っていてね、むずかしい言葉で『含気骨』と呼ばれているんだ。中身は、オー君が言ったようにスポンジのようになっているんだよ。」
「スポンジのようになっているって、どういうことですか?」
「下の写真を見てごらん。これは、とても大きな鳥の足の部分の骨なんだ。どんな感じか分かるかな。」
「ほんとうにスカスカって感じですね。これなら、骨であっても重くない感じですね。」
「牛や豚の骨は中がぎっしりとつまっているんだよ。」
「つまり、鳥は骨も軽くして飛びやすくしているということですね。」
「そのとおりだね。それから、フライドチキンのお話にもどるけど、オー君はフライドチキンのどこが好きなの。」
「もちろんお肉です。皮もおいしいけど、やっぱり肉の部分が最高です。」
「その肉の部分だけど、少ないよりも多い方がうれしいでしょ。」
「もちろんそうですけど、それが何か意味があるのですか。」
「鳥はね、お肉、つまり筋肉が他のものよりもたくさんあるんだよ。」
「えっ! それって、どういうことですか。」
「それはね、鳥が空を飛ぶためには、翼を動かすでしょ。その翼を動かすために、鳥は胸の筋肉がとても発達していてね、体重の20%も肉がしめているそうだよ。」
「鳥は、骨も肉も飛ぶために、いろいろとよくできているということですね。」
「そういうことだね。これからフライドチキンを食べる時には、今日のお話もちょっと思い出してね。」
「はーい。分かりました。またまたお勉強できて楽しかったです。」
「ありがとうございました。またまたフライドチキンが食べたくなりました。」
KFCを食べて、鳥の骨格標本づくり!
ネット販売はもちろん、科学博物館の売店には、昆虫標本作りのキットなどがよく置いてあるもので
すが、その中に必ずといっていいくらい販売しているものに「フライドチキンの骨格標本」というものがあります。また、それらの作成方法や動画なども多数アップされているので、とても簡単に鳥の骨の構造などについて学べます。一度試してみてはいかがでしょうか。鳥の骨格標本の他に、子供のお小遣い程度で買える安価なものも多数あります。