トウショキッズ 東書KIDS

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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (4)とりのなかま
(629)鳥講座とりこうざ1(鳥のはね
写真1
オーくん
「いいなあ! 気持きもちいいだろうな。」

花ちゃん
「どうしたの? オーくんそら見上みあげて⋯⋯。」

オーくん
てごらんよ。とてもゆうゆうとんでいるよ。あんなふうに自由じゆうにあちこちへ飛べたらいいよな。でも、どうしてとりそらが飛べるんだろうな。」

花ちゃん
「それはかんたんです。とりにあって、オーくんにないものはなんでしょう。」

オーくん
「えっ! とつぜんクイズですか。まいったなあー。かりません。」

花ちゃん
とりがなぜべるか、かんたんです。鳥にははねがあるからです。」

オーくん
「まあ、そうだろうけど、とりはねって、どうやってできているのかな。」

花ちゃん
「そうね、どうやってできているか、どのようになっているか、かんがえればからないことばかりかも、こまったわ。そうだ。とり先生せんせいぼう。」

オーくん
とり先生せんせい? そんなひといるの。」

花ちゃん
「わたしのんでいるところに、『カワセミかい』という野鳥やちょう観察かんさつ調査ちょうさしている会があって、その会に親戚しんせきのおじさんがはいっているからきにこう!」

オーくん
「えっ! そんなひといるの。それじゃこう、行こう!」

 ⋯⋯ということで、『カワセミかい』のおじさんのところにったそうな⋯⋯
花ちゃん
「おじさん、こんにちは! とりについておしえてもらいたいことがあるんですが、いまでもおじさんは、『カワセミかい』で活動かつどうをされているんですか。」

「もちろんだよ。かいほうねんに2かいしているし、あちこちで定点ていてん観察会かんさつかいもやっているんだよ。それからね、日本にほん野鳥やちょうかいという全国ぜんこく組織そしきがあるんだけど、それにも入会にゅうかいしていてね、毎日まいにちそれはそれは大忙おおいそがしだよ。」
カワセミのおじさん

花ちゃん
「わたしの友達ともだちのオーくんといっしょに、とりがなぜそらべるかをりたくてたんです。」

「そういうことだね。とりそらぶ、それはね、はねがあるからだね、そして、その羽にはいろいろな役割やくわりがあるんだよ。それでは、今日きょうは『鳥の羽のはたらき講座こうざ』をしてあげよう。」
カワセミのおじさん

オーくん
「わーい、わーい。ヤッター!」

花ちゃん
「よかったね、オーくん。ところで、本題ほんだいとりはねについてですが⋯⋯。」

「そうだね。そのまえに、この写真しゃしんとりなんだかかるかな。」
カワセミのおじさん

写真2
花ちゃん
「あっ! おやどりがこどもにエサをあげているところですね。すてきな写真しゃしんですね。なんかていて、こころがほっこりしてきます。」

「いやー、ほめられちゃうとうれしいね。このとりはみんなもよくかけるツバメだよ。ところで、このツバメの体重たいじゅうはどのくらいだとおもう。」
カワセミのおじさん

オーくん
「うーん、⋯⋯かりません。」

「このツバメはね、20グラムくらいしかないんだよ。20gとったらかりにくいけど、ちょうどイチゴ1個分こぶんくらいだよ。」
カワセミのおじさん

オーくん
「イチゴ1個分こぶん! そんなにツバメってかるいんですか。」

ほかとりも、のわりにはとてもかるいんだよ。まず、そらぶためには、体重たいじゅうの軽さがポイントだね。それから、はねというのはね、いろいろあってね。しっかりとした羽軸うじくのある『正羽せいう』と、やわらかくフワフワした『綿羽めんう』があるんだ。」
カワセミのおじさん

           
写真3
花ちゃん
はねといってもいろいろあるんですね。」

綿羽めんうは、羽毛うもう布団ふとんにつまっているものだね。ふつうダウンというね。はねじくがほとんどいんだ。かるいのにとてもあたたかいよ。保温ほおん役目やくめもあるけど、皮膚ひふまもったり、防水ぼうすいの役目もあったりするすぐれものなのさ。つまり、軽いのにいろいろな役目をする綿羽のおかげで、とり体重たいじゅうを軽くできているんだよ。」
カワセミのおじさん

オーくん
「へえー。すごいんですね。」

「それからね、そらぶときに必要ひつようなのは、なんといってもつばさだね。」
カワセミのおじさん

花ちゃん
つばさって、とりはねひろげたときのものですね。」

「まあそうだね。つばさえているはねを『かざ切羽きりばね』というんだけど、これがとても大切たいせつ役目やくめをしているんだ。」
カワセミのおじさん

オーくん
大切たいせつ役目やくめって、なんですか。」

したてごらん。かざ切羽きりばねは、外側そとがわから初列風しょれつかざ切羽きりばね次列風じれつかざ切羽きりばね三列風さんれつかざ切羽きりばねかれているんだ。」
カワセミのおじさん

写真4
花ちゃん
「それぞれかれている意味いみはあるのですか?」

「もちろんだよ。初列しょれつかざ切羽きりばねは、とりばたいたときまえすすちからしていてね、飛行機ひこうきえばプロペラのようなものさ。推力すいりょくというんだ。」
カワセミのおじさん

オーくん
「なるほど、そういうものですか。」

次列じれつかざ切羽きりばねは、とりそらかぶちからみ、三列さんれつかざ切羽きりばね空気くうき抵抗ていこうすくなくしてくための力をやしているんだよ。これを揚力ようりょくぶんだ。」
カワセミのおじさん

オーくん
「へえー、すごいんですね。かざ切羽きりばねって!」

「それから、小翼羽しょうよくうと、尾羽おばねというのもあるんだ。」
カワセミのおじさん

オーくん
「それって、どんなはたらきをするのですか。」

小翼羽しょうよくうは、着陸ちゃくりくとき失速しっそくふせぐためさ。飛行機ひこうき前縁ぜんえん間隙かんげきフラップの役目やくめおなじだし、尾羽おばねとは、んでいるとき安定性あんていせいや、方向ほうこう転換てんかん役目やくめもあるんだよ。」
カワセミのおじさん

オーくん
「へえー。すごいんですね。」

花ちゃん
「よかったね。オーくん。いろいろと勉強べんきょうになったね。」

オーくん
「ありがとうございました。また、おはなしきにていいですか。」

「もちろんだよ。また、おいで。おじさんもたのしみにっているからね。」
カワセミのおじさん

いろいろなつばさくらべてみよう!
 そら名人めいじんとり、コウモリ、昆虫こんちゅうると、いずれもつばさ使つかって飛んでいます。しかし、それらはすべておなじというわけではないようです。コウモリと昆虫の翼はうすまくのようになっていますが、コウモリはゴムのようにやわらかであり、昆虫はポリプロピレンのような膜で、コウモリよりもかたく透明とうめい半透明はんとうめいです。これに比べると、鳥の翼というものはだいぶちがうようです。たくさんのかずはねとそれぞれが違ったかたちや羽があつまってできています。その仕組しくみもいろいろとすこしずつ違うようです。
   てくてく自然散歩シリーズ
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