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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (1)はなのつくりとはたらき
 (3)被子植物ひししょくぶつ双子葉類そうしようるい)のなかま
(618)ロウバイのタコウインナー
写真1・2・3
オーくん
「あれあれ? タコさんウインナーのがあるぞ。それから、ちょっとたようなかんじのがあるぞ。」

花ちゃん
「なんだろうね。わたしもなんだかからないわ。」

オーくん
「そうだ。このは、タコウインナーの実ということにしよう。」

花ちゃん
「そうね。そうえば、そのようにもえるね。でも、本当ほんとう名前なまえなんというのかな。」

本当ほんとう名前なまえは、ロウバイだね。オレンジいろ今年ことしだね。すこしよごれたようなちゃいろっぽいのは、去年きょねんの実だろうね。」
モンタ博士

花ちゃん
「あっ! そうか。ロウバイでしたね。」

「ロウバイのであることにまちがいないけどね、でもね⋯⋯。」
モンタ博士

花ちゃん
「でもねって、どうしたんですか。モンタ博士はかせ。」

正式せいしき名前なまえは、もちろんロウバイでいいけどね、オーくんのように、ある植物しょくぶつて、その特徴とくちょうをつかんで、たのしい名前なまえをつけることもわるくはないね。いや、どちらかとえば、むしろ小学生しょうがくせいなどにとっては、とてもいい観察かんさつ方法ほうほうだとおもうよ。」
モンタ博士

オーくん
「いやー。ほめられちゃうと、植物しょくぶつきになっちゃうな。」

小学生しょうがくせいにとって身近みぢかなものにたとえて、〇〇みたいだとか、△△のようだとか、とても意味いみのあることだとおもうよ。大切たいせつなことは、植物しょくぶつかんさつすることをたのしむということなんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「いやー、ほめられちゃうと、なんかうれしくなっちゃうな。」

花ちゃん
「なるほど、われてみればそのとおりですね。」

オーくん
「つまり、あだなをつけるというか、ニックネームみたいなものですね。」

「そうだね。植物しょくぶつには、いろいろな別名べつめいというものがあるんだ。それに、地域ちいきによっていろいろな名前なまえばれているものもあるんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「あっ! わたしおもしました。ヒガンバナというのは、いろいろながあるんですよね。モンタ博士はかせ!」

「そうだね。はなちゃんはヒガンバナの別名べつめいで、なにっているものがあるかな。」
モンタ博士

花ちゃん
「えーっと、マンジュシャゲ、ハミズハナミズ、ユウレイバナとか。」

「そうだね。そのほかでは、アカハナ、イカリバナ、ウマノベロ、オイランバナ、オマンジュウバナ、カジバナ、シビトバナ、シビレバナ、ソーシキバナ、チンチロリンなどなど、まだまだたくさんあるんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「へえー。すごいな。ぜんぶでいくつあるんですか。」

「あるほんによると、1,000をえるといてあったよ。」
モンタ博士

オーくん
「ひえー。すごーい。おぼえきれないな。」

おぼえるひつようなんてないさ。たくさんの名前なまえがあるということは、それだけ、ひととのつながりがあるということだし、それだけ、ヒガンバナが身近みぢかしたしみのあるものだったということだね。」
モンタ博士

花ちゃん
「つまり、大切たいせつなことは、自然しぜんどう植物しょくぶつなどのものたいして、興味きょうみ関心かんしんつづけるということですね。」

「そのとおりだね。それからね、何事なにごとにもどうしてかなとか、なぜかなとか、好奇心こうきしんつことが大切たいせつだとおもうよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「でも、またかんがえるのですが、正式せいしき名前なまえというのも重要じゅうようですよね。」

「そうだね。あのはな、あんなこんな花ではかりにくいけど、正式せいしき名前なまえなど、みんながすぐに理解りかいできるということでもあるからね。」
モンタ博士

オーくん
「よくかりました。その植物しょくぶつのあだ・ニックネームをかんがえてしたしみをって観察かんさつするとともに、正式名せいしきめいもなるべくっておくことですね。」

「そうだね。それじゃ、いまからふつうに『ロウバイ』とわれているものが2種類しゅるいあるんだけど、そのちがいをつけてみよう。」
モンタ博士

写真4・5
オーくん
「ちょっとって。いま、モンタ博士はかせは『ロウバイ』とったでしょ。それって、『ろう細工ざいく』みたいということ、それから、バイは、ひょっとして『うめ』ということですか。」

「そのとおりだ。ただしい名前なまえにもきちんとした理由りゆうがあるんだね。正式名せいしきめいもいっしょにおぼえちゃえばいいんだよ。オーくん。」
モンタ博士

オーくん
かりました。ますますやるてきちゃいました。がんばります。」

「それは、すばらしいね。ところで、うえの2種類しゅるいのロウバイだけど、ふつう、おにわ公園こうえんえてあるのは、ほとんどがソシンロウバイというしゅでね、すべてのはなおないろをしているね。」
モンタ博士

花ちゃん
「でも、ロウバイというのは、なかいろがちがってあかくなっていますね。」

「そうだね。くらべてみると、いろいろとかるね。ついでだけど、この2種類しゅるいのロウバイは、どちらも元々もともと中国ちゅうごくなんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「えっ! 日本にほんにあるなのに、中国ちゅうごくまれなの。」

花ちゃん
帰化きか植物しょくぶつともちがうんですね。どういうことかな。」

日本にほんまれ、中国ちゅうごく生まれ、などなど、そのおはなしはまた今度こんどね。」
モンタ博士

ロウバイのひとごと
 わたしはロウバイといいます。中国ちゅうごく原産げんさん江戸えど時代じだいのはじめころ日本にほんにやってきました。漢字かんじくと蠟梅ろうばいとなりますが、それは、オーくん発見はっけんしてくれたように、はないろ蜜蠟みつろうていてうめの花のようだからです。花の時期じきは1がつから2月のいちばんさむときです。学名がくめいではChimonanthusチモナンサス praecoxプラエコックスといいます。Chimonanthus はふゆの花という意味いみで、praecoxは早咲はやざきのという意味なんです。私はとてもかおりがあり内側うちがわの花はあん褐色かっしょくです。私の友達ともだちのソシンロウバイも中国原産ですが、すこし花がおおきくて内側うちがわ花弁かべん外側そとがわおなじなんです。とおところにいるともだちでアメリカロウバイというのもありますが、花の時期が5~6月なんです。あまりかけないかもしれませんね。花弁がせき褐色かっしょくなので、ちょっと雰囲気ふんいきちがいます。
 さて、オー君がっていたタコさんウインナーですが、なかなかいいネーミングで、うれしくなっちゃいます。花がわると花床かしょうというところが大きくなってながらんけいというものになります。偽果のまわりは木質化もくしつかしてなかにそうという果実かじつになります。種子しゅしではありません。なお、このそう果はゴキブリのらんかいにそっくりなんですよ。でもね、オー君。ゴキブリのなんてわないでね。おねがいね!
   てくてく自然散歩シリーズ
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