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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
1.身近みぢか自然しぜん観察かんさつ
 (2)とり植物しょくぶつ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (4)とりのなかま
(613)鳥のおしっこ・ウンチのひみつ
写真1
オーくん
「ふーむ。これはなんだろうなあ。」

花ちゃん
「どうしたの、オーくん。そんなにむずかしいかおをして?」

オーくん
「あのね、ぼくがよくどうかんまえどうに、なんだかわけのからないしろ点々てんてんがたくさんあるんだよ。写真しゃしんっておいたんだけど、はなちゃん分かる?」

花ちゃん
「あっ! これはね、とりのウンチとおしっこよ。」

オーくん
「えっ! とりのウンチとおしっこ。」

花ちゃん
「はい、そうよ。たぶんまちがいはないとおもうよ。」

オーくん
「どうしてそんなことがかるの。」

花ちゃん
「それはね、けっこうまえだけど、わたしみちたことあるの。そのとき、モンタ博士はかせおしえてくれたわ。そして、うえげてごらんとわれたの。」

オーくん
うえ見上みあげる? それって、どういうことなのかな。」

花ちゃん
うえると、電線でんせんがたくさんあったのよ。その電線にとりがいっぱいまっていて、その鳥たちがウンチとおしっこをいっしょに、した道路どうろとしたということなのよ。」

オーくん
「へえー! そうなのか。でも、ぼくがうえ写真しゃしんったところちかくには、でんせんなんか1ぽんもなかったし、まわりにもあまり電線はられなかったよ。」

花ちゃん
「ふーん、そうなの。それは不思議ふしぎね。」

オーくん
「それにね、さっきからとりのウンチとおしっことっているけど、しろいペンキみたいなものにじってくろ点々てんてんみたいなものがすこしあるだけだよ。鳥のウンチとおしっこって、どうなっているのかな。」

花ちゃん
「ウンチとおしっこについては、わたしもくわしくはからないわ。それから、電線でんせんがないのに、とりのウンチとおしっこがあったんでしょ。なんかとってもミステリアスなかんじね。こまったわね。どうしようか。あっ! モンタ博士はかせがあっちからてくてくとあるいてくるわ。おきしましょう。」

「どうしたの。二人ふたりともこまったようなかおをしてさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「あのですね。道路どうろとりのウンチとおしっこがあったのですが、ちかくに電線でんせんもなかったんです。」

オーくん
「それに、とりのウンチとおしっこについて、からないことがあるんです。」

「ほほー。そういうことか。そうだね。おはなし写真しゃしんだけではからないから、その場所ばしょって、現場げんば検証けんしょうをしたほうがいいかもしれないよ。」
モンタ博士

オーくん
現場げんば検証けんしょうなんだか刑事けいじドラマみたいになってきましたね。」

花ちゃん
「そうね、なんだかワクワクドキドキしてきたね。それではレッツ・ゴーね。」

 ⋯⋯ということで、現場げんばればなぞけるということで、児童館前じどうかんまえ道路どうろったとさ⋯⋯。
「ふーむ。そうか、かった。なぞはすべてけたよ。」
モンタ博士

オーくん
「えっ! どういうことですか。」

「まわりをよくてみよう。たしかに電信柱でんしんばしら電線でんせんもないけど、ちかくになにがあるかな。」
モンタ博士

花ちゃん
ちかくとっても、どうかんのおにわが3ぼんほどっているだけですが。」

「そのなぞくカギになるんだ。3ぼんの木というのは、ドングリのなるクヌギだね。これはっているよね。それからそのとなりがカツラという木で、そのとなりが謎を解くナンキンハゼという木だよ。」
モンタ博士

 
ナンキンハゼの実
写真2
オーくん
「ナンキンハゼ? いたことがありませんが。」

「そうだね。ナンキンハゼというのは、もともとは中国ちゅうごくで、公園こうえんなどにえられているんだ。」
モンタ博士

オーくん
「そのナンキンハゼととりのウンチとおしっことどう関係かんけいがあるのですか。」

「つまりね、ナンキンハゼのには、ハゼノキというの実とおなじようにたくさんの脂肪分しぼうぶんあぶらのこと)があってね、かんたんにうと、鳥たちにとって栄養えいようになるものがあるんだよ。それで、鳥たちがナンキンハゼの実をついばむためにたくさんあつまって、そして、ときにウンチとおしっこをとして、写真しゃしんのようなしろのペンキのようなものがあるというわけなんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「なるほど、そういうことですか。」

オーくん
「ウンチとおしっこについては、どうなんですか。」

「そうだったね。とりそらぶためにからだかるくないとだめだね。ほ乳類にゅうるいのようにおしっこをためる膀胱ぼうこうというものがあるとおもくなるね。だから、ウンチとおしっこをいっしょにすということなんだ。むずかしいおはなしだけど、人間にんげん尿素にょうそというものをおしっこで出すけど、鳥は、尿酸にょうさんというものにえて出すんだ。もうすこおおきくなったら自分じぶん勉強べんきょうしてごらん。」
モンタ博士

花ちゃん
「どうもありがとうございました。よくわかりました。よかったね。オーくん。」

オーくん
「そうか、あきになりができるころにとりるんだ。そして、ナンキンハゼのちかくにいれば、鳥たちがウンチとおしっこのごちゃまぜの、しろいけどちょっと黒点こくてんのあるものをすんですね。よし! ぼくは、ナンキンハゼの番人ばんにんとして、現場げんばでその様子ようす観察かんさつするぞ!」

「えらいね。立派りっぱこころがまえだね。感心かんしんだね。そういうち、探究心たんきゅうしんうけど、それが大切たいせつだね。がんばれ! オーくん!」
モンタ博士

哺乳類と鳥の排泄はいせつの違い(尿素と尿酸のお話)
 植物は光合成によりエネルギーを自らのものにできますが、動物は、食べ物を食べて体の中に取り入れ消化・吸収しエネルギーとして生きています。その際、栄養分を摂取した後の要らないものや体にとって有害な物を便や尿として体の外に出します。人や犬などの動物は体内にある不要なものや害のあるものを水に溶かし尿にし、また、溶けにくいものは、ふんと一緒に体の外に出します。しかし、鳥は空を飛ぶために、なるべく体を軽くする必要があり、食べた後はすぐに排泄はいせつするような仕組みができています。
 タンパク質を取り入れて分解するとアンモニアというものができます。このアンモニアは体にとって害があり体にためておくことはできません。魚は水と一緒に出してしまうので問題はありませんが、陸上の動物がアンモニアを水と一緒に出していては水分が奪われて干からびてしまいます。そこで、哺乳類はアンモニアを害のない尿素という形に変え水に溶かし膀胱ぼうこうでためて出すようにしています。鳥の場合には水と一緒なので、アンモニアを尿酸という水に溶けにくいものを結晶とした形に変えています。 鳥のふんはよく見ると、茶や黒い部分と白い部分がありますが、茶黒がウンチで白がおしっこということです。なお、鳥には哺乳類と違い、総排泄腔そうはいせつこうという穴があり、ふんも尿も一緒に出しているのです。また、鳥は、ふんとは別に胃で消化できなかったものを「ペリット」として、口から吐き出しています。そのペリットを崩してみると、その鳥がどんなものを食べていたかがよく分かります。
   てくてく自然散歩シリーズ
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