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(596)カシ・シイの葉のけんさく
「モンタ博士,あの・・・,この前のドングリのけんさく表は,とても役立ちそうですが,でも,私,スダジイとか,アラカシとか,どんな葉っぱだか今一よく分からないんですが・・・。」
「そうそう,ぼくなんか,『花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩』のおかげで,このごろは少しは,植物おんちじゃなくなったけど,でも,どうも分かりにくいですね。」
「なるほど。二人ともそれでいいんだよ。よく分かっていないということが分かっただけでも,すごいことなんだよ。」
「なんだか,ほめられたような気もするし,そうじゃないような気もするな。」
「まあ,いいじゃないの。ところで,モンタ博士。身近に見られるシイやカシの葉っぱを見分けるのはむずかしいですね。」
「そうだね。植物を調べるには,まず花を見ればいいけど,花はいつも咲いているわけではないね。だから,植物を調べる方法として,まず,葉っぱを見ることが大切なんだよ。」
「葉っぱですか? どれもこれもみんな同じように見えますが・・・。」
「まず,葉っぱの形から見てみよう。どんな形をしているかだ。植物学では,針のように細長いものを『針葉樹』というんだよ。」
「針葉樹? 初めて聞く名前ですが,どんなものがあるのですか。」
「マツやスギ,ヒノキやモミなどがその代表でもあるかな。」
「針葉樹の他には,どんなものがあるのですか。」
「葉の幅がせまいので『針葉樹』。それに対して,葉っぱの幅が広いものを『広葉樹』というんだよ。」
「広葉樹? これも初めて聞く名前ですが,どんなものがあるのですか。」
「この広葉樹というのは,たくさんあるんだよ。ほとんどの木が広葉樹といってもいいだろうね。」
「植物を調べる方法として,他にまだありますか。」
「広葉樹ということが分かったら,次の段階では,葉っぱが常緑樹か落葉樹かということを見ていくことも大切だよ。」
「『常緑樹』と『落葉樹』・・・これも初めて聞く名前ですが・・・。」
「つまりね,常緑樹というのはね,一度葉っぱを広げると,そのまま何年も緑のままで,枯れずにある木だよ。」
「どのくらい葉っぱを落とさないのですか。」
「ある資料によると,タラヨウは5年,スダジイ・シロダモは4年,マテバシイやツバキやアオキは3年とか葉が緑のままなんだよ。」
「ということは,落葉樹というのは,何年も葉っぱがないの・・・。」
「分かった! 春,若葉となり,秋に紅葉して落ちるのが落葉樹ですね。」
「そのとおりだね。落葉樹は,それはそれはたくさんあるからね。」
「常緑樹と落葉樹はどんな所に生えているのですか。」
「いい質問だね。だいたいだけど,常緑樹(照葉樹と呼ぶ木もある)は主に南や西日本や海岸近くだね。落葉樹というのは,北日本ややや標高の高い山地なんだよ。ともかく,一応は住み分けをしているということだね。」
「今日はいろいろなことが勉強になりました。ありがとうございました。」
「葉っぱの研究はむずかしいから,これからもチャレンジしてみることが大切だね。葉っぱというのはね,よーく見ていると,大きさや形,それからふちにギザギザがある・なしなどいろいろあるよ。では,野山や公園でふつうに見られる,『カシやシイの葉っぱけんさく表』を作ったから見てごらん。」
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葉っぱの観察を始めれば,あなたも植物博士!
この花はなんという名前の植物かを知るには,花を見ればいいのは当然です。どの植物図鑑でも花を中心に絵でかいてあり,きれいな色の写真が載っています。しかし,花は1年のうちのほんのわずかな期間しか咲いていません。名前が分かったころには,花がしぼんでしまいます。そこで,大切なことは,葉っぱの観察ということです。どの葉っぱも緑色をしているのですが,じっくりとながめていると,葉っぱの長さや大きさや厚さ,葉っぱのふちのぎざぎざや,葉脈の走り方,葉の裏の色や毛の有無など,特に葉裏にはたくさんの情報があります。花を見て観察するのもいいのですが,葉っぱの観察までするようになれば,もう,あなたは立派な植物博士ということです。