１．身近 な自然 の観察
（4）生物 と日本人 のかかわり
４．自然界 のつりあい・環境保全 ・地質 と地形 の世界
（4）自然 のめぐみ
（4）
４．
（4）
（551）森林浴 のすすめ(ボーっと生 きてんじゃねーよ！）
「きのうの山 登 りは，気 持 ちよかったわ。お天 気 も最 高 だったし。」
「ぼくも，山 登 りが大 好 きさ。頂 上 めざすのも楽 しいし，お昼 ご飯 がうまいし，ただ歩 くだけでもほんとうに気 持 ちいいよね。」
「山 の空気 は街 とはちがうわね。澄 んでいて深呼吸 すると気持 ちいいね。」
「山 はとても気持 ちいいけど，それはどうしてなのかな。」
「こんなときには，モンタ博士 に聞 けばいいけども，今日 はいないし･･･，あ！ そうだ。あの子 に聞いてみようか。」
「あの子 って，だあれ？」
「ほら，テレビに出 ている子 で，分 からないことや疑問 に思 ったことをすぐに教 えてくれる，あの子よ。」
「あ！ 
「でも，『ボーっと生 きてんじゃねーよ！』としかられないかな。」
「大丈夫 だよ。テレビでは大人 に聞 いているだろう。子供 が聞くのなら，そんなことは言 わないと思 うけどね。チコちゃんに連絡 してみるね。」
ということで，花 ちゃんとオー君 は，チコちゃんに電話 をして，遊 びに来 てもらったそうな･･･。
「あ！ チコちゃん！ 遊 びに来 てくれてどうもありがとう。」
「本物 のチコちゃんですね。うれしい！」
「はーい。チコちゃんでーす。私 も，二人 に会 えてとってもうれしいわ。ところで，今日 はモンタ博士 はいないのかしら。会いたかったな，残念 。いつもモンタ博士の『てくてく自然 散歩 』を楽 しく見 ていると伝 えといてくださいね。ところで，今日はどうしたの。何 でもお話 をお聞 きしますよ。」
「ねえねえ，チコちゃん！ どうして山 登 りをすると，気持 ちいいのですか。」
「とってもいい質問 ね。山 に登 ったり，森 に入 ったりすると，なぜ気持 ちよくなるかというとね，それはね，森のにおいがいいからよ。」
「森 のにおいって，何 ですか。」
「森 のにおいってね，木 ，草 ，コケ，土 ，水 などだけど，人間 がほっとするような気持 ちいいにおいは，みんな植物 が出 しているのよ。」
「植物 が出 しているにおい？ どういうことですか。」
「トーキン博士 （旧 ソ連）
「フィトンチッド？ それは何語 ですか。」
「ロシア語 で фитон цидным（フィトンチッド）と名前 を付 けたのよ。」
「どういう意味 ですか。」
「フィトンは植物 ，チッドは殺 す･･･という意味 で，つまり毒 のことよ。」
「え！ 毒 なんですか。恐 いお話 ですね。」
「そうではなくて，植物 は，毒 を出 して自分 の体 を守 っているのよ。」
「植物 が自分 の体 を守 るということは，何 か悪 いやつがいるんですか。」
「そうよ。自然 の世界 には，植物 の敵 である細菌 やバクテリアなどの微生物 がいるのね，そういう敵に感染 されると，光合成 のじゃまになるし，木 が枯 れたりするのね。」
「つまり，フィトンチッドを出 して，悪 いやつらを毒 で攻撃 しているのですね。」
「ピンポーン。そのとおりね。」
「でも，そんな毒 を人間 が吸 っても大丈夫 なのですか。」
「濃度 の高 いフィトンチッドは毒 だけど，森 にただよっているフィトンチッドは，とても少 ないので，人 間 にとってはむしろ良 い作 用 があるのよ。」
「へえー。すごいんですね。フィトンチッドって。」
「つまり，むずかしくいうとね，脳 の活動 が活性化 され，ストレスホルモンと呼 ばれるアドレナリンの分 泌 が減 るのね，要 するに，ストレスがなくなり，リラックスできるというわけね。さらに，がん細胞 やウイルスを攻撃 するナチュラルキラー細胞 がふえて，免疫力 もアップするわけね。」
「へえー。チコちゃんは５歳 なのに，とてもくわしく何 でも知 っているんだね。」
「まあ，それほどでもありませんが，モンタ博士 がよくビールを飲 むけど，それとフィトンチッドは同 じということね。」
「それって，どういうことですか。」
「お酒 もフィトンチッドも大量 だど，毒 になるけど，ほどほどの量 ならば，つかれを取 ったり，リラックスできたりするということね。」
「そうですね。モンタ博士 にもよく伝 えておきますね。」
「ともかく，フィトンチッドだけでなく，川 のせせらぎの音 とか，落 ち葉 の感 触 や木 もれ日 のようすとか，山 や森 には，五 感 を通 してリラックスできるものがいっぱいあるのね，だから，山 登 りは気 持 ちいいのね。」
モンタ博士 お薦 め，東京 のフィトンチッドいっぱいの山 や森 やお散 歩 コース一 覧
