1.身近な自然の観察
(4)生物と日本人のかかわり
2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(9)わあ、楽しい! 草花あそびの世界
(547)ホオノキ
「あ! きれいな花ですね。何というお花ですか。」
「これはね,ホオノキという花ですね。モンタ博士。」
「そのとおり。ホオノキだね。すてきな花で,モンタ博士も大好きな植物だね。ホオノキについて,花ちゃん! どんなことを知っているかな。」
「そうですね。まず,ホオノキは初夏のころに大きな白っぽいクリーム色の花を咲かせる植物です。ふつう,山にありますが,公園などでも見かけますね。」
「大きな花というけど,どのくらいの花なの。」
「そうね,花の直径は20cmくらいあるかな。」
「え! そんなに大きな花なの。とすると,上の写真を見ると,葉っぱもとてもビッグででかくて,ものすごく大きいということかな。」
「さすがは,オー君。上の写真からすぐに葉の大きさに気がつくとは,感心だね。さすがだね。よいところに気づいたね。」
「いやー,それほどでもありませんが・・・。ともかく,大きな葉っぱのようですが,どのくらいあるのかな・・・。花が20cmくらいとすると,葉っぱは,30cmはあるかな?」
「もっと大きいのもあるわよ。40cmを超えるものもあるわ。」
「えー,すごいなあ。そんなに大きな葉っぱということは,木もビッグということかな。」
「さすがは,オー君。葉っぱの大きさからすぐに木の高さを想像するとは,これまた感心だね。さすがだね。」
「いやー,それほどでもありませんが・・・。そんなにほめられちゃって,ぼく,とってもうれしいです。」
「ホオノキは,大きいものでは,木の高さが30mを超すもの,それから,木の直径が1mになるものもあるんだよ。」
「高さ30m!,直径1m!,すごく大きいですね。」
「あのね,オー君。ホオノキは葉が大きいから,いろいろと遊べるのよ。」
「え! 遊べる? どんなふうに遊ぶの。教えて! 教えて!」
「まずは,飛行機が作れるのよ。上の絵のように葉っぱを切ってね,飛ばすだけよ。かなり遠くまで飛ぶこともあるわね。」
「そうだね。切り方もいろいろとやってみるのもいいね。」
「それから,大きな葉の特徴を生かして,お面もできるわよ。」
「そうだね。プラタナスなんかでもできるね。昔,プラタナスの葉でお面を作って,見せに来てくれた子もいたんだよ。」
「よーし。いろいろな遊びにチャレンジするぞ。早く遊びたいなー。」
「昔は,今みたいにゲームもなかったし,野山にある木や草でいろいろと遊んだんだよ。それから,ホオノキは,遊びだけではなくて,お料理にも使っていたんだよ。」
「お料理? え! どういうことですか。」
「下の写真にもあるように,ホオノキの葉はとても大きいので,お皿として利用したんだよ。『朴葉みそ』といってね,お店などでも食べられるよ。」
「ホオノキの葉っぱをアルミホイルのようにして使っていたということですね。それにしても,お肉と野菜もあって,おいしそうですね。」
「そうだよ。みそ味がとってもいいね。朴葉みそを食べながら,ビールなんて最高の幸せだね。」
「おいしいのはいいですけど,飲みすぎはいけませんよ。奥様にまた注意されますよ。」
「はいはい。分かりました。飲みすぎには気をつけます。」
ホオノキのつぶやき
私は,ホオノキです。落葉広葉樹の一種でモクレン科。コブシやモクレンと同じモクレン属です。白い花は初夏の野山にぴったりで,その白と緑の葉のコントラストがさわやかで素敵との声があちこちからあって,うれしいやらちょいと恥ずかしいやらという感じですね。花や葉っぱも大きいということは,冬の芽もビッグで見ごたえがあるので,ぜひ一度目にとめてほしいところです。
もともと,私には葉に芳香があり,殺菌作用もあるので,食材を包んだりもするし朴葉寿司なんていうのもあるんです。それから,材はとても固くて軽いので,ゲタにしたり,まな板などにしたりと,大変利用価値が高いんです。さらに樹皮には薬効があり,生薬としても使われ,アイヌの人々は,種を煎じてお茶のようにして飲んでいたというから,昔から,私は人々と深い深い関係があったというわけなんです。