2.植物の世界
(10)あら、不思議? 植物マジックの世界
(12)野菜・果物も植物だ! おどろきの世界
6.その他
(1)動画で楽しむ世界
(4)実験・観察・調査から
(545)キュウリのシャボン玉
「うわあー! おいしそうなキュウリね。」
「いいだろう。おうちで育てたんだ。夏はやっぱり,冷やしたキュウリにお味噌をつけて食べるのが,最高だね。」
「冷やしたトマトもありますが,それも自分で育てたの。」
「もちろんさ。トマトは塩をちょっとつけて食べると,またまたうまいんだ。」
「夏野菜は最高ですね。私にも食べさせてちょうだい。」
「オーケー。いっしょに食べよう。ところでさ。キュウリで超おもしろいシャボン玉の実験というか,遊びができるんだけど,花ちゃんは知っているかな。」
「シャボン玉って,石鹸水でよく遊ぶけど,あれかな。」
「ところがどっこい。ちがうんだ。キュウリのシャボン玉さ。」
「キュウリのシャボン玉? 初めて聞いたわ。そんなのがあるの。」
「とってもかんたんだよ。でも,これにはね,自分で育てているキュウリでないとできないんだ。キュウリの畑なんかでやったら,農家のおじさんにおこられちゃうよ。」
「え! 自分で育てているキュウリでないと,できないの。」
「そうだよ。キュウリの柄や枝をちょっと切ったりするからね。」
「え! 柄や枝を切るの。どうやるの,どうやるの。知りたい,知りたい。オー君,お願い,私に『キュウリのシャボン玉』を教えて!」
「これはね,キュウリの育っているところでないとできないんだ。」
「オー君は,おうちの家庭菜園でやったのね。」
「そうだよ。まず,キュウリのつるをハサミで切るんだけど,キュウリの葉の柄が一番いいかな。」
「どうしてなの。キュウリのつるではいけないの。」
「だって,キュウリはつるをのばしながら大きくなるでしょ。それに実がなるんだから,枝を切ることはないんだよ。キュウリの葉の柄がポイント1だね。」
「はい,分かりました。キュウリの葉の柄ですね。ポイント1というのは分かったけど,他にまだポイントがあるの。」
「ハサミで切るといったけど,切ってから少し待つんだよ。」
「待つって,何を待つの。」
「ハサミで切ってみると,キュウリのつる(葉の柄)の切り口から,じわっと透明な液が出てくるんだ。それを少し待つんだよ。これがポイント2だね。」
「へえー。なかなか大変なんですね。」
「大変だからこそ,プワーっとシャボン玉がふくらんだ時には感動なんだよ。」
「なるほど,分かりました。それでは,その出てきた液というか,汁のようなものにストローを近づけて,静かにふけばいいのね。」
「ところがどっこい。まだまだ,そうはいかないんだ。下の絵を見れば,だいたいのやり方は分かるよね。でも,ちょっとまたここで問題があるんだ。」
「絵を見ると,だいたいの雰囲気は分かるけど,何が問題なの。」
「絵は分かりやすいように少しオーバーにえがいてあるけど,実際のキュウリの茎を花ちゃんは見たことあるかな。」
「そうね,見たことあるようなないような・・・それがどうしたの。」
「キュウリのつる(葉の柄)というのは,幅が3ミリくらいしかないんだよ。」
「それが,どうしたの。」
「3ミリしかないということは,キュウリの液はとても少ないということなんだよ。つまり,そんなものにふつうのストローを使ってもだめなんだ。」
「そうね。ふつうのストローでは,大きすぎるというか,太すぎるわね。」
「これが,ポイント3だね。そこで,オー君は,自分で特別に細いストローを作ったんだよ。下の写真を見てごらん。使わないビニールファイルを1ミリ幅に切って,それをテープでつけたんだ。超細いストローなんだ。」
「うわあー,すごく細いストローね。作るのが大変だったでしょ。」
「大変だったからこそ,プワーっとシャボン玉がふくらんだ時には,超感動したよ。キュウリのシャボン玉づくりについては,くわしく動画をとってあるから,それを見るといいよ。」
キュウリのシャボン玉のできる訳
キュウリの茎か葉の柄をカッターナイフなどで切断すると,切り口から弱アルカリ性の液が溢れ出してくる。この液を細めのストローの先につけて,静かに吹くと美しい小さなシャボン玉が完成するのである。ムクロジの果皮が一番大きくて見事なものができるとある本に書いてあったが,まだ実験はしていない。さらに,サイカチでもやってみるとおもしろいそうだ。エゴノキも泡立ての実験はしてみたが,シャボン玉実験はしていないのが残念。そのうちいつかあれこれとチャレンジしたいものである。