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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
1.身近みぢか自然しぜん観察かんさつ
 (4)生物せいぶつ日本人にほんじんのかかわり
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (1)はなのつくりとはたらき
 (3)被子植物ひししょくぶつ双子葉類そうしようるい)のなかま
(543)日本にっぽんラグビーとヤマザクラ
オーくん
「ねえねえ,(はな)ちゃん。ラグビーワールドカップ()た?」

花ちゃん
()た見た! かっこよかったね。ノックオンとか,ノーサイドとか,ラグビーのルールもかってほんとうに(たの)しかったわ。」

オーくん
日本(にほん)代表(だいひょう)準々(じゅんじゅん)決勝(けっしょう)()しくも()けてしまったけど,それまでの4(れん)(しょう)はすごかったね。おみごとだったね。ラグビーの(たの)しさを(おし)えてくれたね。」

花ちゃん
日本中(にほんじゅう)がラグビーブームになったわね。」

オーくん
「ぼくは,今度(こんど),ラグビーのトップリーグの試合(しあい)()()くんだ。(たの)しみなんだ。それからさ,あの日本(にほん)チームの(あか)(しろ)のユニホームもよかったね。」

写真2
花ちゃん
「サクラのエンブレムもすてきでしたね。」

オーくん
「ブレイブ・ブロッサムズ,つまり,『勇敢(ゆうかん)(さくら)たち』という意味(いみ)なんでしょ。」

花ちゃん
「オー(くん)は,くわしいですね。」

オーくん
「サクラの()がかいてあったけど,あれはソメイヨシノなんでしょ。」

花ちゃん
「くわしくはからないけど・・・どうだったかな。(たし)かめてみればいいね。あ! これは,ソメイヨシノではないわ。ヤマザクラだわ。」

オーくん
「え! ソメイヨシノではないの。ヤマザクラというのもあるの。」

花ちゃん
「ヤマザクラというのは,(むかし)から日本(にほん)にあったサクラで,(はな)()くと同時(どうじ)に,()(ひら)種類(しゅるい)なのよ。くわしくはモンタ博士(はかせ)()こうよ。」

オーくん
「そうしよう,そうしよう。」

「ワールドカップのお(はなし)だね。モンタ博士(はかせ)()感動(かんどう)したね。日本(にほん)選手(せんしゅ)がトライした(とき)には,モンタ博士(はかせ)もおうちでトライのまねをしたくらいだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「ところで,ワールドカップラグビーの(さくら)のエンブレムは,ヤマザクラですね。」

写真3
ヤマザクラ
「よく()()いたね。あのね,みんなは『(はな)(ふだ)』というカード(あそ)びを()っているかな。」
モンタ博士

オーくん
名前(なまえ)()いたことはありますが,自分(じぶん)でやったことはありません。」

「その(はな)(ふだ)(さくら)も,()(みだ)れるサクラの花のあちこちに()っぱがかかれているんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「ぼくたちがよく()ているソメイヨシノとは,どうちがうのですか。」

「ソメイヨシノというのはね,江戸(えど)時代(じだい)()わりごろ,(いま)豊島区(としまく)駒込(こまごめ)染井(そめい)(むら)という(ところ)で,品種(ひんしゅ)改良(かいりょう)されたものなんだよ。」
モンタ博士

写真4
ソメイヨシノ
花ちゃん
「どうして,ソメイヨシノは人気(にんき)があるのですか。」

「ソメイヨシノは,()よりも(さき)(はな)くだろう。たくさん咲いて(そら)をおおいつくすように一面(いちめん)に咲くので,人気(にんき)があり全国的(ぜんこくてき)()えられているんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「どうやって()やしていったのですか。」

「ソメイヨシノはね,さし()()()という(ほう)(ほう)()やしたのさ。そうすれば,スピードアップして苗木(なえぎ)(そだ)てることができるからいいんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「それは(おや)とまったく(おな)特徴(とくちょう)をもった分身(ぶんしん)ということですね。つまり,クローンということですね。」

「クローンなんて言葉(ことば)()っているなんて感心(かんしん)だね。人間(にんげん)世界(せかい)ではクローンというとSF(エスエフ)物語(ものがたり)みたいだけど,植物(しょくぶつ)の世界では,かんたんにクローンができるんだね。」
モンタ博士

オーくん
「ということは,(もと)はみんな(おな)じということですね。」

「そうだね。だから,(おな)()()にいっせいに()いて,いっせいに(はな)()るということなんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
さくら前線(ぜんせん)なんていう言葉(ことば)もありますね。」

「そうだね。気温(きおん)にしたがって(みなみ)から順番(じゅんばん)にサクラの(はな)()いていくのも,全国(ぜんこく)(さくら)()(おな)性質(せいしつ)をもったクローンだから可能(かのう)ということなんだ。ワールドカップラグビーのおかげで,サクラについてもお勉強(べんきょう)できてよかったね。」
モンタ博士

本居宣(もとおりのり)(なが)とヤマザクラ
 江戸(えど)時代(じだい)(こく)学者(がくしゃ)であった本居宣(もとおりのり)(なが)(とく)山桜(やまざくら)(あい)した人物(じんぶつ)として()られ,有名(ゆうめい)な「敷島(しきしま)の 大和(やまと)(ごころ)(ひと)()はば  朝日(あさひ)(にお)(やま)桜花(ざくらばな)」(原文(げんぶん)(どお)り)と()んでいます。(わか)(ころ)から(やま)(ざくら)()きだったらしく,(にわ)()えたり,()んだら自分(じぶん)(はか)に山桜を()えてくれと()ったり,そんな遺言(ゆいごん)(のこ)したそうである。山桜は,(かなら)(はな)()一緒(いっしょ)()るもので,染井吉野(そめいよしの)とその生態(せいたい)(ちが)うようです。
 全国(ぜんこく)の90パーセントが染井吉野(そめいよしの)で,山桜は,(ぞう)木林(きばやし)や山に()かないとることができない日本(にほん)自生(じせい)(さくら)です。なぜ,小学校(しょうがっこう)校庭(こうてい)にたくさんの染井吉野(そめいよしの)()えてあるかというと,それは,(そだ)てやすく,文部省(もんぶしょう)後押(あとお)ししたというお(はなし)まであるそうです。「(にお)う」という言葉(ことば)もむずかしい言葉(ことば)ですが,これは,もともと「(いろ)()まる」といったり,「()(かがや)く」といったりする意味(いみ)があります。山桜の花に朝日(あさひ)した(とき)には,いかにも「(にお)う」という(かん)じになるのでしょう。
   てくてく自然散歩シリーズ
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