2.植物の世界
(12)野菜・果物も植物だ! おどろきの世界
(528)ダイコンのひみつ
「あれあれ? ダイコンがあるぞ。」
「ひょっとして,今日はモンタ博士の『野菜は植物だシリーズ』ですか。」
「ピンポーン。そのとおりだよ。今日はみんなでダイコンを科学してみよう。」
「ダイコンは大根で,根が大きいからですね。」
「いや,ダイコンの白い部分を根っこだと思っている人が多いけど,本当はそうではないんだよ。」
「え! 根っこじゃなければ,何なのですか。」
「ダイコンの白い部分をよーく見ると,上と下ではちがうことが分かるかな。」
「え! そうなんですか。ちっとも知りませんでした。」
「上のほうはつるんとしているだろう。そして,下のほうは,根の出たあとみたいなものがあるだろう。上の部分を植物学的には,胚軸といって,下の部分を根というんだよ。」
「胚軸なんていう言葉は,あまり聞いたことがありませんが・・・。」
「ごめんね。簡単にいうと,発芽した苗の茎であり,分かりやすくいうと,カイワレダイコンの白い部分だね。その下にはちゃんとした根もあるんだ。」
「それでは,茎はどこにあるのですか。」
「ダイコンの上の葉っぱが出ているところをよく見てほしいのだけれど,茎は,葉のつけねに短くわずかにある部分だけが茎というものなんだ。」
「ふーん。そうなんだ。ちょいとむずかしい感じがするけど,ダイコンのふるさとって,どこなんですか。日本ではないのですか。」
「もともとは,地中海沿岸で,古代エジプトでは薬草として栽培されていたそうなんだ。ダイコンは世界中を旅して,そして日本に来たんだよ。」
「名前のとおりに,ダイコンは,昔から太かったのですか。」
「いやちがうらしい。太ったのは,日本にわたってきてからなんだ。ヨーロッパなどではダイコンといえば,二十日大根みたいに小さいそうなんだ。日本でダイコンになったのは,日本人がいろいろと苦労してきたからなんだよ。日本のダイコンのレベルは世界一というわけさ。」
「なるほど,そういうことですか。ところで,モンタ博士やオー君は,ダイコンをどうやって食べるのが好きですか。」
「やっぱりおでんですね。それから,お味噌汁もおいしいね。」
「モンタ博士は,焼きサンマと大根おろしが一番かな。でもね,ダイコンって,場所によって味や使い方がちがうんだよ。」
「え! そうなんですか。どこも同じではないのですか。」
「そうだよ。くわしく書いたから,これから参考にしてね。」