2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(9)わあ、楽しい! 草花あそびの世界
(519)ドングリころころいろいろ
「♪ドングリ ころころ どんぶリこ
お池にはまって さあたいへん
ドジョウが出てきて こんにちは
オー君 いっしょに遊びましょ♪」
「あれ? ちょっとちがうよ。まあいいか。ところで,このまえ食べたシイの実,スダジイのドングリはうまかったな。ぼくは,お池じゃなくて,スダジイにはまったなあ。」
「ところで,ドングリって,『こま』を作って遊んだりしたわね。それから『やじろべえ』も作ったね。ドングリって昔から仲良しだったけど,どうして『ドングリ』っていうのかな?」
「もちろん・・・そんなの,知らないよ。」
「ドングリというのはね,漢字で『団栗』と書くんだ。団は丸いということさ。」
「丸いものがドングリなら,リンゴも,ミカンも丸いけどな・・・」
「あ! ごめん,ごめん。大切なことをいいわすれたけど,ドングリというのは,カシやシイ,ナラなどのブナ科という木の実のことをいうんだよ。」
「あ! 分かった。あまぐりやくりご飯にする,『クリ』もドングリのなかまなんだ。
「そのとおりだね。一番食べられているドングリは『栗』ということだね。ドングリというのは,日本に22種類もあるんだよ。ドングリのせいくらべという言葉があるけど,どういうことか分かるかな。」
「どれも形や大きさが同じようなもののたとえに使いますね。」
「さすがだね,花ちゃん。あのね,どのドングリでもみんな食べられるのかというと,そうではないんだよ。コナラやクヌギ,カシなどには,タンニンというしぶみがあって,食べられないんだよ。」
「人間にはしぶくても,リスやネズミなどの動物にはごちそうなんでしょ。」
「そのとおり。それでは,とてもおいしいシイの実をみんなで探しに行こう。そして,みんなでシイの実マップを作ろうか。」
一番食べられているドングリはクリ
普通,山で取れる小さいクリをシバグリといい,やや小ぶりだが甘さは最高。「栗食い食い腹がへる。」といわれるほど食べる時に時間がかかる。栽培種はシバグリを改良したもので,天津甘栗にする中国グリ,マロングラッセにするヨーロッパグリなどがある。栗の材は固く耐水性があり,建築材,家具,薪,炭,シイタケのほだぎなど用途は広いと言われている。昔は鉄道の枕木は全て栗を使ったとある本に書いてあったが,東京―大阪間,どれだけの栗の木を使ったのでしょうか。