2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(510)ウメの花と菅原道真
「うわあー! 梅の花ですね。もう咲きはじめたんですね。」
「これはね,谷保天満宮の梅林のウメの花なんだよ。」
「谷保天満宮なら,おいらのおうちの近くだ。よくお散歩に行くよ。」
「梅の花って,すてきですね。春を知らせてくれる花ですね。」
「おいら,梅の花のかおりが大好きだな。とってもいいにおいなんだ。」
「ところで,谷保天満宮にはどうして梅のお花がいっぱいあるか,二人とも知っているかな。」
「え! 何か理由でもあるのですか。」
「おいらも知らないなあ-。」
「ぎょ! 知らないのかあ。第七小学校は,谷保天満宮が近くにあるだろう。それじゃ,知らなくちゃなあ。ところで,この和歌を知っているかな。
『東風(こち)吹かば 匂いおこせよ 梅の花
主なしとて 春を忘るな』」
「おいら,初めて聞いたな。」
「どういう意味なんですか。」
「まだまだ小学生だから,二人とも分からないのは当然かもしれないね。まあ,いいや。この歌の意味はね・・・。
『春風が吹いたらよいにおいを太宰府に送っておくれ,
主人の私がいなくても春をわすれてはいけないよ』
という意味なんだよ。」
「太宰府って,なんですか。」
「だれが作った歌なんですか。」
「そうか,菅原道真については,何も知らないんだ。」
「菅原道真? 初めて聞く名前だな。どんな人なんですか。」
「菅原道真という人はね,平安時代の人なんだ。」
「平安時代というと,そうとう昔ですね。」
「西暦845年に生まれ,903年になくなっているんだ。」
「どんな人だったんですか。」
「貴族のおうちに生まれて,小さいころからとてもよくお勉強して,ものすごく頭がよい人だったんだ。」
「よくお勉強して頭がいいのは,おいらと同じだな。」
「オー君! 静かに! モンタ博士,その続きは・・・。」
「お役人になり,その後えらくなり,高い地位についたんだけど,左遷(ひくい地位にさせられること)されて,九州の太宰府まで流されてしまった,悲劇の政治家だね。」
「へえー,そうなんですか。もっとくわしく知りたくなりました。」
「おいら会いたいな! そうだ。タイムマシンで七小まで遊びに来てもらおう。」
「なるほど。それは,いいアイデアだ。大きな声でよびかけてみよう!」
「菅原道真さーん。国立第七小学校まで遊びに来てくださーい。」