1.身近な自然の観察
(3)季節と生物
2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(506)ロウバイ
「おー,さむさむだ。子供は風の子というけれど,このごろは,ちょっと寒すぎるね。花ちゃん!」
「そうですね,そうですね。今は大寒といって,一年中で一番寒い季節なんですよね。モンタ博士!」
「そうだね。梅の花もまだ咲き始めないし,もう少しのしんぼうだよ。みんな,カゼなんかひかないように,毎日のうがいや手あらいをきちんとしようね。」
「モンタ博士,このように寒いと生き物はみんなねむっているのですか。」
「そうだね。ハナアブなどは,寒さに強いというけど,やっぱり14~15度くらいないと動き回れないね。」
「植物もこの寒さでは,じっとがまんしているんですか。」
「そうだね。ほとんどの植物はじっと静かにあたたかな春を待っているんだろうね。でもね,ちょいと,あわてんぼうというか,今,花を咲かせている植物もいるんだよ。」
「え! そんな植物があるんですか。何という植物ですか。」
「ロウバイという木だよ。」
「ロウバイ? 聞いたことないな。」
「そのロウバイというのは,どこにあるんですか。」
「国立第七小学校のまわりをてくてく歩いていて気がついたんだ。あちこちのおうちの庭に植えてあるよ。4か所くらいで見たよ。」
「何色のお花なんですか。」
「黄色い色なので,青空をバックにとってもきれいだよ。かおりもいいから,花のにおいもかいでごらん。」
「どうして,ロウバイという名前になったのですか。」
「これまたいい質問だ。ロウバイのロウとは,蝋人形のロウで,蝋細工のような花びらをしているんだよ。」
「バイというのは,どういう意味ですか。」
「バイとは,梅のことで,お花が梅のようだからなんだ。」
「私もロウバイのお花を見つけてみますね。モンタ博士。」
「そうだね。散歩のついでに見つけてほしいね。冬晴れの青い空をバックにして,黄色にかがやくロウバイは,寒い北風の中で健気に凜と咲いていて,その姿がいいね。」
「今度,冬の高尾山におうちの人と行くんだ。山にもあるのかな。」
「山の中にはないね。このロウバイという花は,もともとは中国のものなんだ。植物というのは,中国から来たものがけっこうあるんだよ。」
ロウバイの品種・中国原産の花木
ロウバイは栽培が簡単であり,品種改良も盛んで,ソシンロウバイ,マンゲツロウバイ,トウロウバイなどがある。最初の写真のロウバイは,正しくはソシンロウバイといい,最も普通に人家に植えられている。ロウバイの基本種は,花の中心部がやや暗い紫色をしていて,周りは黄色である。なお,中国原産の花木としては,キンモクセイ,ジンチョウゲ,レンギョウ,オウバイ,ボケ,ハナズオウ,コデマリ,ハクチョウゲ,サルスベリ,ピラカンサなどがあります。