1.身近な自然の観察
(6)天文現象・自然現象・暦
(502)星空観察(オリオン座)
「おいら,星についてたくさん研究しちゃったよ! 花ちゃん。」
「うわー,かっこいい。オー君,まるで,モンタ博士みたいね。」
「えっへん。まず,夜空にはどのくらいの星座があるか知ってる?」
「え! さっぱり分からないわ。オー君! 知ってるの。」
「もちろんさ。星座というのは,もともと大昔の人たちが,空に散りばめられた星たちを線で結んで,いろいろな形にして物語にしたのさ。全天で88個の星座があるんだよ。」
「その88個の星座の中でも,有名なのがオリオン座なのね。」
「そうだよ。左上に赤い1等星ペテルギウス,真ん中に三ツ星,右下には青白い1等星リゲルがあるんだよ。」
「そうね,そういえば,星の色がちょっとちがうわね。」
「色のちがう二つの星を見て,昔の人は源平星といったのさ。」
「源平って,源氏と平家でしょ。今から800年くらい前の平安時代には,源氏と平家の武士たちのグループが二つあったんでしょ。」
「ふーん。花ちゃんは歴史にくわしいね。それからね,日本では,オリオン座を,『つづみ星』ともいったんだよ。」
「つづみって,楽器の『つづみ』ですね。本当によく似ているわ。」
「それから,中国では,横に三つ並ぶ三つ星を参宿とよぶんだって。北斗七星とならんで,いろいろな物に書かれているそうだよ。」
「いろいろ知ってるんだ。オー君は・・・。感心しちゃうわ。」
「まだまだあるんだ。三ツ星の下に,横じゃなくてたてに並んでいる星があるんだ。これを小三ツ星とかよぶんだ。小三ツ星の真ん中には,オリオン座大星雲というのもあるし,M78星雲があるんだよ。」
「え! M78星雲って,ひょっとして,あのウルトラマンの星?」
「そうだよ。そのとおりだよ。それから,モンタ博士の『モンタ星』というのも,M78星雲にあるそうなんだけどな・・・。」
「うっ! 今,ぼくをよんだ? え! ぼくのモンタ星がどうしたの。グーグー。」
「あ! モンタ博士はまた昼ねをしているね。まあいいか。それからね,冬の空には,このオリオン座を中心に,いろいろな星座があるんだよ。」
「どんな星座があるの。」
「おうし座,ぎょしゃ座,ふたご座,こいぬ座,おおいぬ座などがあるのさ。」
「冬の空は,たくさんの星座も見られるということね。」
「そして,それぞれにとっても明るい1等星があるのさ。おうし座のアルデバラン,ぎょしゃ座のカペラ,ふたご座のポルックス,こいぬ座のプロキオン,おおいぬ座のシリウスなどなどね。有名なすばるという星もあるんだよ。」
オリオン座の1等星の星々・大星雲について
〇ベテルギウス
オリオン座の右肩の位置に見える1等星でアラビア語で「肩」を意味している。肉眼でもオレンジ色に見えるほど赤い星で,表面温度は3900度,直径は太陽の600倍,地球からの距離はおよそ500光年という星である。約2300日おきに0.4等から1.3等へと明るさを変える変光星で老年期の星である。
〇リゲル
オリオンの左足の位置に見える1等星で「足」という意味の名前がつけられている。表面温度は12300度,直径は太陽の19倍で地球からおよそ700光年の距離にある星である。
〇オリオン座大星雲
オリオン座の「三ツ星」の下には,写真で撮影するとピンク色に写るオリオン座大星雲がある。双眼鏡などでもうっすらと見ることができるガス星雲である。地球からの距離は,1500光年,中央にある高温度の星の紫外線を受けて赤く光を放っている天体である。